CONTENTS

Ⅰ 創造化社会の登場と創造業
Ⅱ 創造業における短期的な変化:「プロデュース力」の重要性
Ⅲ 創造業における長期的な変化:AIの高度化がもたらす功罪
Ⅳ 社会に広がる創造化の波

要約

  1. 野村総合研究所(NRI)は1990年、情報化社会の次に「創造化社会」が来ることを予見したが、生成AIの登場がまさにそれを実証したかのようである。創造化社会ではこれまで個人のひらめきに依存してきたアイデア生成プロセスを、AIを活用することで進化させていく「アイデア・エンジニアリング」という概念が重要になっていくだろう。
  2. 従来の創造業(個人の創造性、技能、才能に起源を持つ産業のこと)は、企画・制作・展開・体験の各工程に存在する専門家らを取りまとめる「総合制作力」を持つテレビ局や出版社が強い影響力を誇っていた。しかし、生成AIやユーザー投稿型PFの登場以降、個人の力だけで企画~展開を行えるようになり、「どうつくるか(総合制作力)」よりも「何をつくり、何を伸ばすか(プロデュース力)」がKSFへと変化しつつある。
  3. 生成AIが創造業にもたらすコンテンツ創作の民主化は、クリエイターの裾野を広げる一方で、コンテンツの氾濫とコモディティ化を引き起こす。また、AIによるレコメンドは人々の好みの均一化を招き、結果として中堅・ニッチコンテンツの需要を減少させる恐れがある。「総合制作力」を有していた創造業事業者は、従来のようなポートフォリオ形成が困難となり、「人間にしか生み出せない体験価値の提供」と「中堅・ニッチコンテンツが埋もれない仕組みづくり」への注力が求められる。
  4. 来たる創造化社会では、他産業も創造業と同様に、アイデア・エンジニアリングによる「他に真似できないアイデア創出」とプロデュース力の確保、そして体験価値へのシフトが重要となる。その実現のため、顧客接点を獲得し、自社顧客のニーズを正しく把握することが不可欠となる。

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執筆者情報

  • 蓮本 魁のポートレート
    名前
    蓮本 魁
    所属・職名
    ICT・コンテンツ産業コンサルティング部
    シニアコンサルタント
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    片寄 良菜
    所属・職名
    ICT・コンテンツ産業コンサルティング部
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    森 健
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    未来社会・経済研究室長
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