『私は音楽を愛という以外の形では理解できない』(リヒャルト・ワーグナー)
ベートーヴェンは史上最も偉大な音楽家の一人であるが、当時の人々にとって彼の音楽は必ずしも耳心地の良いものではなかったようだ。ベートーヴェンが生きた時代、音楽は旋律やテンポなどの技術要素を駆使して様々な情緒を呼び起こし、聴衆を楽しませるためのものであった。その中にあってベートーヴェンの音楽は新奇だが不可思議で難解、その旋律の流れがどのような感情の喚起を狙ったものであるのか分からず、聴く者は大いに戸惑ったという。だが、ベートーヴェンの死後ほどなくして彼の音楽は多くの人々に熱狂をもって受け入れられるようになった。この聴き手の感性の大転換をもたらしたのが、後に「ロマン派」と呼ばれる音楽家たちである。
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