NRIパブリックマネジメントレビュー 2022年2月号
NRIは、中央省庁、地方自治体及び企業の皆様のニーズに応えて、さまざまな調査研究・コンサルティング活動を行っています。
『NRIパブリックマネジメントレビュー』は、その活動の成果や問題意識について広く皆様方に公開し、日頃の政策立案や事業展開のお役立ていただくための月刊ニュースです。
※組織名、職名は掲載当時のものです。
当サイト公開時期 : 毎月第3月曜
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○○レス、全自動、時短・・などなど、デジタル化が急速に広まる昨今、さまざまな商品・サービスが「便利・親切」になっている。一方、金融サービスの一部には、この手の流れに逆行するような動きもみられる。例えば、ある信託銀行では高齢顧客向けに「ご自身でさえ簡単には解約できない」厳重に資金を守れる口座提供を開始した。また、とあるQRコード決済は、ATMで現金チャージを行う仕様がある。給料日などにATMから現金を引き出した上で、その場で再び現金をATMに入金しチャージをする、この取引が増加傾向にある。デジタルに慣れた読者からみると一見、無駄・手間な行為にみえるかもしれないがこれは、実は利用者にとっては“必要な不便さ”なのである。
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- はじめに
- 過去の事業会社の金融業参入
- 生活者の意向
- 顧客との関係構築のステップも組み込むことで成功する「Embedded Finance」
- おわりに
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- 動き出した貯蓄から投資への流れ
- 投資経験者層拡大の余地
- 投資経験者層拡大のカギは金融リテラシー
- 日本人の金融リテラシーとその特徴
- 金融リテラシー向上において金融機関に期待される役割
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近年、都市圏(首都圏・名古屋圏・関西圏)への人口集中を背景に、地方圏の相続資産が流出している。高齢化が進むにつれ、この動きはますます加速する。NRIでは、2021~2030年の10年間において、相続を通して地方圏から首都圏に流入する資産額は約43兆円、名古屋圏および関西圏への流出額を含めると約60兆円に上ると推計した(図表1)。2019年の相続財産構成比(国税庁)によると、相続資産に占める金融資産割合は約55%に上るため、金融機関の預かり資産残高の流出入に大きな影響を及ぼす可能性がある。こうした近年の傾向の中で、金融機関は相続対策における消費者ニーズをどのように捉え対策を講じるべきか。本稿では、NRIが2021年11月に実施した相続対策に関するアンケートの結果を引用しながら考察する。
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