欧米を中心に、消費者が購入した製品に対する「修理する権利(Right to repair)」の議論が活発化している。直近では2024年2月2日にEU理事会と欧州議会の間で修理する権利の指令案について仮合意がなされた。今回の欧州の指令案では、家電やスマートフォンなどを対象としており、両機関での正式な採択後に各加盟国の法案に反映されていく。メーカーに対しては、保証期間中に修理を請け負った場合、追加で1年保証期間を延長することが求められる。またメーカーに対して、修理事業者すべてが適正価格で部品を入手できることや、独立系修理事業者が中古部品や3Dプリンター製の部品を使用することを妨げる行為の禁止が義務付けられる。このような修理する権利の広がりは、製品の使用期間を延ばすことで廃棄物の削減や、生産段階におけるCO2排出量削減をもたらす。循環型社会を実現するうえで大いに役立つ。
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