本調査研究は、厚生労働省の平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業費補助金を受けて(株)野村総合研究所が実施した調査研究です。
わが国における児童虐待の相談対応件数は増加傾向にあり、厚生労働省の公表データによれば、平成28年度には12万件を超えるに至っています。そのうち、警察から通告を受けたものは、約半数を占めているほか、警察における児童虐待に係る検挙件数も増加しているなど、児童虐待の早期発見、早期対応等の観点から、児童相談所及び市町村の虐待対応部署と警察との連携を図っていくことが重要と考えられています。
このような状況から、本調査研究では児童虐待対応の現場において警察と児相及び市町村が、どのような連携を行っていて、また連携に際してどのような課題を抱えているのかの実態の把握を目的としました。
そのため、児童虐待への対応実態を把握するために、本調査研究では児童虐待相談対応の主体である市区町村、児童相談所、知事部局、及び警察本部に、対して、アンケート調査を実施しようとしました。しかし、今般報道されている児童虐待事案を受け、関連機関では虐待が疑われる全ケースに対する緊急安全確認を実施することとなったため、調査票の研究にとどまり実査は見送りました。そこで、本調査研究では、アンケート調査票の設計や継続検討課題について、有識者との議論を踏まえて整理し、報告書にとりまとめました。
調査にご協力くださった皆様に感謝申し上げるとともに、ここに報告書を掲載致します。