概要
新型コロナウイルス感染症に対する各国・地域や都道府県の対応を見ると、有効な対策を早期に実行した国・地域では、感染者数や死者数が少なく、経済の落ち込みも小さいです。
新型コロナ対応の最大の教訓は緊急時の対応力、とりわけ“スピードの重要性”になります。
今後、世界中で感染対策と経済対策の両立に向けた難しい舵取りが求められる中、国や地方自治体は今起きている事象を的確に読み解き、最善と考えられる意思決定を可能な限り速く行うとともに、初期の仮説や判断にこだわらず、状況に応じて臨機応変に方策を変えていくことが重要となります。
本発表では、迅速な政策決定・事業執行を実現・推進する上で必要な方向性として、以下の4つを提案し、具体的な萌芽事例とともに紹介します。
- 実効性・透明性を担保するためのエビデンスベース(合理的根拠に基づく)の政策決定
- シビックテックの活用による政策決定プロセスへの市民参加
- デジタルエコシステムによる新しい官民連携
- アダプティブ(適応)思考に基づく政策ポートフォリオの構築
上記4つの方向性すべてに共通するのは、デジタル技術とそれを支える仕組みの重要性です。今後の不確実で変化の激しい社会において、国や地方自治体は、従来担ってきた公共の役割を維持しつつ、スピードを重視した政策決定、事業執行を追求すべきであり、国・地方自治体のデジタル化が急務となります。
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