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新型コロナワクチン接種で先行するイスラエル

~大規模な国家緊急事態への迅速な対応を計画、実施するためのインフラ整備と積極的な呼びかけ型予防接種キャンペーンの豊富な経験が成功の要因~

2021/03/05

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概要

イスラエルは、国民全体に新型コロナワクチン接種を行い、新型コロナ・パンデミックから抜け出す最初の国になることを目指しており、2021年2月26日時点で少なくとも1回の新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人が人口の50%に達し、2回の接種完了も35%となっている。
イスラエルでは、接種自体は義務化されていないが、2021年3月末までに人口930万人のうち55%に当たる500万人以上が2回のワクチン接種を受けることを目指しており、2021年2月時点で全国に約400カ所のワクチン接種場所があり、毎日約17万回のワクチン接種が行われている。
イスラエルの重要な成功要因としては、①長期にわたり整備されてきた医療システム(皆保険に裏打ちされたシンプルな医療提供体制、電子カルテ、医療サービス受益者への情報提供システム、医療提供体制への高い信頼度)、②大規模な予防接種キャンペーンに関する豊富な経験(あらかじめ、インフルエンザの接種キャンペーンで予行演習を実施)、③大規模な国家緊急事態への迅速な対応(政府、医療提供者、国民の一致した動き)、等がある。
特に、接種当初から‘Give a Shoulder(肩をだそう)’と呼ばれるワクチン接種奨励キャンペーンを行い、社会全体で接種を進めたことが大きく寄与しているといえる。
今後新型コロナワクチンが本格化する日本においても、イスラエルの取り組みは示唆に富むとともに同様に社会全体としてのキャンペーンを行う事が望まれる。

執筆者情報

  • 未来創発センター 制度戦略研究室

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