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デルタ株の感染拡大を踏まえた提言
「政府・自治体は子どもの命と学びを守る緊急対策を」

2021/08/24

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概要

新型コロナウイルスのデルタ株が猛威を振るう中、政府・自治体による懸命のワクチン接種の取組みが行われている。政府は9月末には全国民の約6割が接種完了する見通しとしている。野村総合研究所が8月に公表したレポートでは10月の前半には人口の7割が接種完了すると予測しているが、概ね予測のペースで接種が進んでおり、政府が掲げる「10月から11月のできるだけ早い時期に、希望する国民全員に接種完了」との目標は達成可能だと考えられる。

内外の報告を見ると、デルタ株に対してもワクチン接種による一定程度の感染抑制効果が期待できると共に、入院・重症化・死亡の予防効果も高い。ただし、海外の例でも、100%の感染予防効果はない事が明らかであり、接種完了者は今後「マスク着用や三密対策」等の感染予防対策を行いながら、社会経済活動の回復を行っていくことが必要であると考えられる。

一方、希望者全員に接種完了しても、接種を希望しない・接種が行えない国民がかなりの程度存在すると考えられる。ワクチン未接種者は感染した場合の重症化の可能性が高く、今後も有効性が確認されているワクチン接種を引き続き励行する事や医療体制の確保などを行う事で、社会全体で未接種者を守る取り組みが必要である。

特に、現段階では12歳未満の子供1211万人はワクチン接種を行うことが出来ない事から、これらの子供がデルタ株による感染の脅威にさらされる可能性がある。夏休み期間中においても学習塾などでのクラスター発生事例が報告されており、新学期の再開を踏まえて学校等での集団感染の可能性も考慮すべきである。仮に子供の感染が拡大した場合、単に医療ひっ迫の問題にとどまらず、看護する保護者の休業や家庭内感染の危険性など影響が極めて大きい。「デルタ株は従来のコロナとは別の病気」という認識で、改めての感染対策の徹底や子供用の病床確保、保護者へのケアなどの対策を至急検討すべきである。

新学期に関しては、一旦立ち止まって、子供の感染対策を行うまでは再開を延期する事も考慮すべきではないか。その上で、感染予防対策の再度の総点検、教職員などの学校関係者や放課後に子供たちが集まる学童保育関係者などへの接種徹底と定常的な検査体制の構築、感染発生時の迅速な検査体制の整備と学級・学校閉鎖ルールの明確化、リモート授業などの強化などの対策整備を行った上で新学期を迎えるべきである。全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組みであるGIGAスクールの推進により、リモート授業などの環境整備は進んでいる。これらを活用しながら「子供の命と学びを守る」取り組みが必要である。

執筆者情報

  • 未来創発センター 戦略企画室 制度戦略研究室

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お問い合わせ

株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部
E-mail:kouhou@nri.co.jp