中小企業は全企業数の99.7%を占め、国内雇用の約7割を創出するなど、日本経済の根幹を支えている。こうした中小企業の発展が地域経済の活性化に不可欠であり、その支援において地域金融機関が果たす役割は極めて重要である。
近年、データの活用が企業の競争力の源泉や社会課題解決の鍵となっている。地域金融機関においてもデータを戦略的に活用した革新的なアプローチによって法人取引業務を効率化し、より質の高い支援を提供すると同時に自身の競争力も強化することが求められている。
そこで法人取引業務の効率化と高度化に繋がるような業務変革の余地を探ることを企図し、法人取引に不可欠な「決算書の入手・登録事務」について、2024年6月に456先の地域金融機関に対してアンケート調査を実施した。
アンケート結果によると、多くの決算書がデータで保管されているにも関わらず、地域金融機関と事業者との間で、地域金融機関と信用保証協会との間で、決算書の入手・登録事務は紙ベースで行われ、非効率で人的リソースが無駄遣いされている実態が浮き彫りになった。
また、「紙」を止めてデータで自動的に決算書を入手・登録できる仕組みを構築すると、効率化で捻出した時間を用いて事業者支援などの付加価値の高い活動にかなり振り向けられることも分かった。
<調査者>
山田 彰太郎 エキスパートリサーチャー
株式会社野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部
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