NEWS RELEASE

2019年度までのITロードマップをとりまとめ

~ウェアラブル端末の進化・普及によるサービスの展開~

2014年05月27日
株式会社野村総合研究所

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、2019年度までのウェアラブル端末の進化と、そのインパクトを予測した「ITロードマップ」をとりまとめました。スマートウォッチやスマートグラスなど、ウェアラブル端末の市場への投入が急速に進み、従来のPCやスマートフォンとは全く異なる新しいサービス展開の期待が高まっています。
ウェアラブル端末の普及と展開予想は、以下の通りです。

2014~2015年度 【黎明期】汎用的な端末の登場と、企業内特定用途での利用の開始

ヘルスケアなど特定の目的に限定した「特化型」のウェアラブル端末から、アプリケーションの開発や追加が容易な「汎用的」な端末の利用が徐々に可能になります。

ただし、当初は端末のコストが高いことやプライバシーへの懸念から、一般生活者よりも、企業内で両手を使うことが必要な業務を抱える部署の従業員など、特定の利用者に限った試行的な利用が始まるとみられます。

2016~2017年度 【普及期】生活者に普及し、「身につけるアプリ・サービス」が登場

生活者向けの普及が始まると、情報の配信やサービス提供のインターフェイスとしてのウェアラブル端末の重要性が増します。スマートウォッチ等は、生活者に対するマーケティングメッセージなどを届ける媒体として、活用されるようになります。

2018年度以降 【発展期】クラウドとの連携で、インテリジェントなサービスが実現

複数のウェアラブル端末や環境に埋め込まれたセンサー同士が連携し、クラウドサービスとつながることで、端末の持つ制約条件等を補う技術が進化し、利用者のおかれた状況にマッチしたサービスを提供するコンシェルジュ(案内係)のような、より高度なサービスが提供されるようになります。

ご参考

【普及に向かうウェアラブル端末】

メガネや腕時計のように身につけることができるデジタル端末(ウェアラブル端末)の開発に、GoogleやSonyなどの巨大企業が着手し始め、端末の低コスト化や普及の可能性が生まれました。2013年には家電メーカやスマートフォンメーカから先行的な端末が販売され、生活者がウェアラブル端末に触れられる環境は徐々に整いつつあります。

ただし、センサーやカメラの利用に伴うプライバシー上の懸念とともに、ファッション性やコスト等の課題があり、ウェアラブル端末の生活者への本格的な普及には2~3年が必要と考えられます。

【生活者の情報への接し方が変化し、生活行動のスマート化が進展】

これまでのPCやスマートフォンとは異なり、生活者は身につけたウェアラブル端末から情報を受け取ったり、視界の中にデジタル情報が表示されることにより、より多くの場面で両手を用いた作業が可能となります。

また、内蔵カメラや加速度計など、端末装着者の行動情報を集めるセンサーとして利用し、たとえば睡眠時間を含む日常の活動量のように、利用者自身も気づいていない身体データの傾向を捉え、リアルタイムでアドバイスを表示するなど、インテリジェントなサービスへの展開も考えられます。

【ウェアラブル端末と関連サービスのロードマップ】

ウェアラブル端末と関連サービスのロードマップ

■2014~2015年度:ウェアラブル端末の黎明期

2014年から、腕時計型やメガネ型などのウェアラブル端末の市場投入が始まるとみられています。既に一般の生活者でも利用が可能だったヘルスケア用途の活動量計のような、特定の用途に限定した「目的特化型」のウェアラブル端末から、複数のセンサーが搭載され、アプリケーションの開発や追加が容易な「汎用的」なウェアラブル端末の利用が徐々に可能になります。

ただし、黎明期の段階では端末コストが高額であること、メガネ型ウェアラブル端末などではカメラ機能に対するプライバシー上の懸念があることなどから、生活者向けのアプリケーションやサービスが登場するには時間がかかるものと思われます。この段階では、企業内で両手を使う業務が必要な部署の従業員など、オペレーション現場でIT(情報システム)の支援を受けることでメリットを得られる利用者に限った試行的な利用が始まるとみられます。

■2016~2017年度:ウェアラブル端末の普及期

生活者向けにウェアラブル端末の普及が始まると、企業から生活者への情報の配信やサービス提供のインターフェイスとしてのウェアラブル端末の重要性が増します。スマートフォンと連携し、“セカンドスクリーン”として機能するスマートウォッチ等は、生活者に対するマーケティングメッセージやアプリケーションの通知を確実に届ける媒体として活用されるようになります。これまでWeb広告やメールマーケティング、スマートフォンのアプリケーションマーケット等で繰り返されてきた、「生活者の“注目”をいかに獲得するか」という競争が、ウェアラブル端末でも繰り返されるでしょう。

また、生活者の間でウェアラブル端末が普及し、利用に関する認知や習熟の発展に伴って、社会的なルール・コンセンサスが形成されれば、接客サービスの現場などでもウェアラブル端末を活用し、ITによる支援を受けた“おもてなし”が広がり始めると予測されます。

■2018年度以降:インテリジェントなサービスが実現する発展期

ウェアラブル端末はこれまでのPCやスマートフォンとは異なり、身につけられるがゆえに入出力のための手段が限られているという制約があります。また、個々のデバイス単体では利用者に提供できる機能に限界があります。複数のウェアラブル端末や環境に埋め込まれたセンサー同士が連携して、クラウド側のサービスとつながることでこのようなデメリットを補う技術が進化し、より高度なサービスが提供されるようになるでしょう。

音声や動画像の認識技術の進化は、ウェアラブル端末の限られた入出力インターフェイスの高度化をもたらします。Appleの音声対話エージェント「Siri」による利用者の支援や、2020年をめどにGoogleや自動車メーカが開発を競っている「自動運転カー」等に搭載される高度な画像認識と自律的な環境認識などの技術を用いれば、周囲の状況や利用者の意図を理解して、適切な情報のフィードバックができる端末へと進化させることができます。たとえば、機械の点検時にカメラで自動的に故障個所を認識して警告情報を目の前に表示する、また、クラウドサービスの天気予報データと端末のGPSや温度センサー・カメラからのデータとを組み合わせて、利用者が今いる場所の天候の急変を予測し、ジョギング中であれば“いつ頃引き返すべきか”をアドバイスしたり、外出中であれば公共交通機関の運行状況を随時メガネに表示する、といったことが考えられます。

このようなインテリジェントなサービスが実現する前提として、様々なデバイス間の通信・連携やクラウドとの接続が必要になります。この時代には、端末同士の競争よりも、端末・ネットワーク・クラウドが一貫して、どのようなインテリジェントなサービスを提供できるかが問われるようになるでしょう。

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E-mail: kouhou@nri.co.jp

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