NEWS RELEASE

乗用車(除軽)保有は世帯減少を上回り、15年後には9%減少

~2030年の保有台数を都道府県別に推計~

2015年06月05日
株式会社野村総合研究所

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、国内の乗用車保有台数について、NRIが独自に開発したエリアデータ分析ツールMarket Translator (マーケット・トランスレーター)を用いて、2030年までの将来推計を行いました。
主な結果は、以下の通りです。

2030年の乗用車保有台数は、2014年に比べ9%減少の約3,600万台に

全国の乗用車保有台数(対象は自家用の乗用車で普通車と小型車。軽自動車を除く)は、2030年に約3,597万台となり、2014年3月末時点の3,953万台*1から、356万台減少する予測結果が得られました。16年間の減少率は9%です。
この減少率は、同じ期間における全国世帯数の減少率(2.8%)の約3倍になります。乗用車保有の減少率が世帯数の減少率を上回る理由は、年齢構成変化(高齢化に伴う運転者の減少など)と人口の都市中心部への集中が、自動車保有にはマイナスに働くためと考えられます。

都道府県別で減少率1位は秋田県(-20%)、減少量1位は北海道(約30万台減)

都道府県別に見ると、乗用車保有台数の減少率、減少量にはバラツキが見られます。減少率では、秋田県や青森県など、人口・世帯数の減少率が高い県が上位でした(図1、表1)。一方、保有台数の減少量については、北海道のように、現在の乗用車保有台数が多く、しかも減少率が比較的大きい道県が上位となりました(図2)。

乗用車保有台数の減少率が高い上位5県

  1. 1.秋田県(-20.0%)
  2. 2.青森県(-18.1%)
  3. 3.高知県(-17.0%)
  4. 4.岩手県(-16.2%)
  5. 5.鹿児島県(-16.1%)

乗用車保有台数の減少量が大きい上位5道県

  1. 1.北海道(30.4万台減)
  2. 2.千葉県(16.5万台減)
  3. 3.埼玉県(15.1万台減)
  4. 4.茨城県(14.4万台減)
  5. 5.福岡県(14.4万台減)

なお、2014年で都道府県別にみた保有台数が最大の愛知県では、287.9万台から281.0万台に減少すると見られます(減少率2.4%)。また唯一、沖縄県で約1,300台の増加(増加率0.4%)が見込まれます。

以上の将来推計は、Market Translatorを用いて求めた町丁目単位の将来推計値を、都道府県単位で積み上げて算出しています。Market Translatorでは、特定の商品の保有意向に関する大規模アンケート調査を行い、その回答者の住所(町丁目単位)をNRIが作成した20~50のエリアタイプに変換します。エリアタイプ別に回答結果を集計・統計処理することで、その商品の保有増減が、どのような要因によってどの程度の影響を受けるかを定量的に把握し、将来推計モデルを作成します(NRIで関連特許取得済みの分析手法を採用)。

今回実施した乗用車保有台数の調査・分析で、統計的に以下の因子が世帯あたりの保有台数に作用していることが確認されました。

  • 年齢因子(幼児がいる世帯:プラス効果 70歳以上の高齢者:マイナス効果)
  • 世帯人員数(世帯人員数が多い:プラス効果)
  • 住宅形態(一戸建て住宅:プラス効果)
  • 富裕度(所得が多い:プラス効果)
  • 都市/地方因子(地方部:プラス効果 都市部:マイナス効果)

こうした要因を説明変数として取り込んだ推計モデルを作成し、町丁目単位で全国の乗用車保有台数の将来推計を行ったところ、2014年3月末時点から2030年までに国内全体で9%減少すると推計されました。主な要因別にみた、減少分の内訳(簡易推計)は以下の通りです。

  1. (1)世帯数の減少効果(▼2.8%)
  2. (2)年齢構成変化(幼児の減少、後期高齢者の増加)による減少効果(▼5.5%)
  3. (3)乗用車保有率が低い都市中心部への人口集中による減少効果(▼0.7%)

なお、今回の推計にあたっては、自動車の保有・利用に関するライフスタイルの変化(軽自動車選択率の変化、カーシェアやレンタカーの利用増大など)や、大幅なクルマ関連の技術革新(自動運転車の普及など)は取り込んでいません。

本格的な人口減少時代を迎える日本において、出生率が低い東京等の大都市に若い人が集中することが一つの課題となっています。今回の乗用車保有台数の推計においても、人口および世帯数の減少や年齢構成変化(少子高齢化)に加え、居住地域の変化(都市中心部への人口集中)が乗用車保有台数に影響を与えることがわかりました。
自動車以外の商品・サービスにおいても、これからの人口減少や地域構造の変化がもたらす影響を正確に見据えた上で、政策立案や経営のかじ取りをすることが求められます。

NRIでは、町丁目別に推計した2030年の乗用車保有台数予測データ、および、当該データを搭載した地図情報システムを販売しています。詳しくは以下のURLをご覧ください。
Market Translatorホームページ:http://www.nri-gis.jp/

  • *12014年3月末時点の乗用車保有台数は3,953万台:

    一般財団法人 自動車検査登録情報協会による(米軍登録事務取扱い憲兵隊の所在地に登録された自動車は除いた数値)

ご参考

図1:都道府県別にみた乗用車保有台数および世帯数の増減率の比較(2014年→2030年)

  • (注1)世帯数増減率は、国勢調査(2010年)、住民基本台帳データ(2013年)、2030年の将来世帯数、年齢別人口構成(国立社会保障・人口問題研究所)をベースに、NRIで独自に推計している。
  • (注2)対象は自家用の乗用車で普通車と小型車。軽自動車を除く
  • (出所)NRIがMarket Translatorを用いて推計予測

図2:都道府県別にみた乗用車保有台数の増減量(2014年→2030年)

  • (注)対象は自家用の乗用車で普通車と小型車。軽自動車を除く。単位は台。
  • (出所)NRIがMarket Translatorを用いて推計予測

表1:都道府県別にみた乗用車保有台数の推計値

  • (単位)万台
  • (注)対象は自家用の乗用車で普通車と小型車。軽自動車を除く

推計モデルの概要

(モデルの考え方)

乗用車保有台数:町丁目単位=K×L×M
都道府県将来推計値=町丁目別将来推計値を当該都道府県について合計

  • K:乗用車保有率将来推計式
  • L:一世帯あたり乗用車保有台数将来推計式

(注)K、Lの式に採用している変数:年齢因子、世帯人員数、住宅形態、富裕度、都市/地方因子

  • M:将来世帯数

(利用データと出所)

  • 2030年の将来世帯数、年齢別人口構成:国立社会保障・人口問題研究所(中位推計値)
  • 住民基本台帳データ:総務省統計局
  • 国勢調査:総務省統計局
  • 市町村別の自動車保有台数:一般財団法人 自動車検査登録情報協会
  • NRI各種推計データ(富裕度、都市/地方因子など)
  • 自動車保有に関するアンケート調査(全国4万サンプル)

ニュースリリースに関するお問い合わせ

株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 清水、坂

TEL: 03-6270-8100

E-mail: kouhou@nri.co.jp

調査結果に関するお問い合わせ

株式会社野村総合研究所 経営情報コンサルティング部 武井

TEL: 03-5533-2752

E-mail: h-takei@nri.co.jp

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