審査のプロセス
入賞論文を決定するまでには、予備審査、一次審査、二次審査、論文最終審査、最終審査会という5つのステップがあります。
事務局での予備審査の後、一定の基準をクリアした論文がNRIグループの社員による一次審査に進みます。一次審査で評価が高かった20作品程度の論文が二次審査に進み、論文最終審査で入賞論文が確定します。
いずれの賞になるかは、論文最終審査の評価に、最終審査会でのプレゼンテーション評価を加味して決定します。
最終審査会以外は、どの審査においても、学校名・氏名などの応募者属性を秘匿し、厳正に行います。また、規定の評価基準に基づいてそれぞれの応募作品を複数の者が評価し、評価の偏りを抑えるようにしています。
評価基準
●テーマと論点の整合性
●問題発見力
- 独自の視点で問題の提起がなされているか
- 論点に対する切り口の鋭さ、考察の深さ
- 具体例、数値を使用するなど論点のわかりやすさ
●問題解決力
- 提案や解決策のスケールの雄大さ、視野の広さ
- 提案や解決策の独自性・実現性
●文章力
- 論文構成のわかりやすさ
- 文法の正しさ、誤字・脱字の少なさ
●斬新/大胆な発想力
- 実現性に乏しくても、発想が斬新で大胆なもの
- 多くの人に夢や希望を与えるもの
●上記には該当しない評価点
(これまでに評価された点の例)
- テーマや提案内容に対する熱い想い
- 独自の調査・取材
- 体験談
評価を行う上で重視するポイント
- 事実や一般論の引用よりも、自分の意見・主張・解決策などにウェイトを置いて記述していること
- 「無難な内容」よりも、「大胆な発想」に基づく論文であること
審査委員会
審査委員会は、本コンテストの二次審査、論文最終審査および最終審査会を行う機関です。最終審査会については、当メンバに加えて数名のNRI役職員が参加します。
NRI未来創発センター長の桑津浩太郎研究理事を審査委員長とし、ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授の池上彰氏、ノンフィクションライターの最相葉月氏という2名の特別審査委員と、NRI社員数名の審査委員から構成されます。
特別審査委員
池上 彰(いけがみ あきら)氏
ジャーナリスト。名城大学教授、東京工業大学特命教授、東京大学客員教授など9つの大学で教える。1973 年NHKに記者として入局し、1994 年から「週刊こどもニュース」の“お父さん”を11年間務め、2005 年独立。著書に『伝える力』『池上彰の現代史授業―21世紀を生きる若い人たちへ シリーズ』『知らないと恥をかく世界の大問題』『池上彰教授の東工大講義』『大世界史』『考える力がつく本』『考える力と情報力が身につく 新聞の読み方』『社会に出るあなたに伝えたい なぜ読解力が必要なのか?』など。
メッセージ
毎年「NRI 学生小論文コンテスト」の審査に参加し、若い世代の方々の新鮮な発想に触れています。審査では応募した人の属性が一切明かされないので、論文を読めば読むほど「これを書いたのはどんな人だろう?」「実際に顔を見てみたいな」という思いが強くなります。実際に表彰式で受賞者の方たちとお会いできる本コンテストの審査は、私にとって毎年の楽しみであり、自身の勉強にもなっています。
最相 葉月(さいしょう はづき)氏
ノンフィクションライター。科学技術と人間の関係性、災害、医療などを中心に取材執筆活動を行う。
著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『青いバラ』、『ビヨンド・エジソン 12 人の博士が見つめる未来』、『セラピスト』、『れるられる』、『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』、『調べてみよう、書いてみよう』、『理系という生き方―東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』、共著『胎児のはなし』など多数。『星新一 ―〇〇―話をつくった人』にて大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF 大賞、日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、星雲賞(ノンフィクション部門)受賞。
メッセージ
ITの進歩により、人間の思考方法がある一定のフレームに意見をおさめ、要約する方向に進んでいるという説があります。そこで一番にそぎ落とされるのは、行間を読む、沈黙する、相手の言葉を正しく聴くといった「情緒」や「感性」に関わるものです。日本や世界が抱える課題の解決には、政治的な方法以外に、人と人との関係性における「情緒」や「感性」に支えられた想像力が大切な要素であることを、論文を書く際にはぜひ強く意識してほしいと思います。
お問い合わせ
「NRI学生小論文コンテスト」 事務局
住所 : 〒194-0022 東京都町田市森野1-34-10
株式会社スクールパートナーズ (募集業務の委託先)
E-mail : essay-contest-ext@nri.co.jp