株式会社野村総合研究所(以下、「NRI」)は、ロボット事業開発の一環として、オーストラリア クイーンズランド州チャーターズタワーズ遠隔教育学校 ※1 との協力により、ロボットを活用した遠隔教育のトライアルプロジェクトを2018年6月に開始しました。
クイーンズランド州政府は、住まいが地理的に隔絶している、または、その他の事情で家を離れられず教育を受ける機会が限られている生徒のために、7つの州立学校で遠隔教育を実施しています。
オーストラリアでは、20,000~25,000人の生徒が遠隔教育サービスを利用していると推定されており、チャーターズタワーズ遠隔教育学校では、2,200人の生徒にサービスを提供しています。現在、遠隔教育ではPC、映像や音声を映し出すタブレット、ヘッドセットが使われますが、教師にとっては、生徒の状態や理解度、学習環境を把握することが難しく、生徒にとっても他の生徒と話したり遊んだりすることが困難な状況にあります。
今回NRIが導入する遠隔教育ソリューションは、教師と生徒がFace to Faceでコミュニケーションができる可動式ロボットを使い、いくつもの学校をつないだ「バーチャルクラスルーム」を作り出す仕組みです(写真1)。これにより、学校に通えない生徒も、あたかも教室に通うような感覚で、授業を受けることができます。
当ソリューションを通じて、離れたところにいる生徒たちにまとめて授業をすることができるのはもちろん、教師にとっても、生徒の表情や態度がわかることから、集中度や理解度を把握することができ、授業内容の向上を図れます。生徒にとっても、学校で友達を作ったり、おしゃべりをしたり、楽しい時間を過ごすことができます。
NRIは当トライアルを2018年6月から8月まで行い、2019年初にサービス提供を開始する計画で、将来的にはヘルスケアや農業への展開も視野に入れています。
■ご参考 NRI 英文リリース
“NRI starts to develop robotics business in Australia, first in the field of distance education”
https://www.nri.com/en/news/info/cc/lst/2018/0601
写真:(左から)NRI常務執行役員 坂田太久仁、チャーターズタワーズ遠隔教育学校長 ジョン・クラーク氏
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1 チャーターズタワーズ遠隔教育学校について
1987年、オーストラリアクイーンズランド州で最初の遠隔教育学校として開設。メール、電話会議システム、ビデオ、インターネットなどを通じて、遠隔教育でありながら、学校としての一体感をつくりあげる教育を実践しており、オーストラリア全土および全世界に生徒がいます。
詳細は次のURLをご参照ください。
https://charterstowerssde.eq.edu.au/Pages/Default.aspx
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