株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、金融機関の日銀ネット決済業務をサポートするソリューション「I-STAR/LC」 1 において、従来のデータ連携フォーマットに加え、国際間送金の分野でよりシームレスな情報伝達を行うための「SWIFT 2 フォーマットによるシステム間データ連携サービス(以下、本サービス)」を2020年7月20日から開始しました。
「I-STAR/LC」は、金融機関向けにNRIが提供するASPサービスで、日銀ネットにおける流動性管理や日銀ネットとのデータの送受信管理を総合的 3 に行うものです。「I-STAR/LC」で扱う決済業務のうち、外為円決済業務はSWIFTネットと日銀ネットを含む各国の中央銀行ネットワークが広く関係しており、最終受取人まで確実に資金を届ける観点およびアンチマネーロンダリング対策の観点から、途中で情報の欠落を起こすことなく確実に次の金融機関へデータを連携する必要があります。それを実現するために開発してきた本サービスは、主に以下の2点の特長を有しています。
データ変換の負荷を大幅に軽減
従来、「I-STAR/LC」を利用している金融機関は、他行もしくは自行の他拠点からSWIFTフォーマットで受信した国際間送金に係るメッセージ(決済に係るデータ)については、全国銀行協会が定めるフォーマット変換ルール 4 に基づいて、情報の欠落を発生させないよう十分注意したうえでデータ変換を行い、日銀ネットへデータを送信する必要がありました。また、日銀ネットからの受信データについても、同様の変換が必要でした。「I-STAR/LC」を利用している金融機関は、本サービスの開始に伴い、データフォーマット変換が「I-STAR/LC」で自動的に行われるため、データ変換の負荷が大幅に軽減されます。
国際的な規格統一への動きに対応
現在、SWIFTネットおよび各国の中央銀行ネットワークで用いられる国際間送金に係るメッセージフォーマットについて、ISO20022 5 の採用が推進されており、今後数年の内にグローバルで飛び交う送金メッセージの形式がISO20022フォーマットへ移行されます。本サービスを利用することにより、今後のSWIFT ISO20022への対応がスムーズに行えます。
「I-STAR/LC」は、これからも国際間送金の分野における大きな変革やトレンドに沿ったシステム対応を実現し、当該分野におけるシームレスな情報伝達に貢献していきます。
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I-STAR/LC:NRIが提供する日銀ネット決済ソリューションです。詳細は次のURLをご参照ください。
https://www.nri.com/jp/service/solution/fis/i_star_core -
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SWIFT:Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication(国際銀行間通信協会)を指します。
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3
総合的:日銀ネットに係る決済ソリューションは、「日中流動性管理を行うシステム」と「日銀ネットゲートウェイを担うシステム」と分かれているケースもありますが、I-STAR/LCはその2つを兼ね備えています。
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4
全国銀行協会が定めるフォーマット変換ルール:日銀ネットの外国為替円決済は、全国銀行協会が運営する「外国為替円決済制度」に基づいて行われています。この制度では、制度に参加する金融機関が行う所定の手続きや守るべき規則などのほか、資金の送り手と受け手の事務を効率化し、決済を円滑に進めためのSWIFTの現行フォーマットと日銀ネットのISO20022フォーマットとの変換ルールについても定められています。
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5
ISO20022:ISOで制定された、金融業務で利用される通信メッセージの標準化手続きに関する国際規格を指します。
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