株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、広告効果に優れた広告を表彰する「広告効果賞2024」(以下「本賞」)の受賞事例を、本日発表しました。2024年1月から同年12月に広告展開のあった153の事例について、生活者の購入意向や利用意向、商品・サービスや提供企業に対するイメージ向上などの主要な指標が、広告によってどの程度向上したかを、共通の効果測定手法により評価しました。さらにPDCAサイクルによる広告効果の改善や、クロスメディアをはじめとする取り組みなども加味し、金賞2事例、銀賞4事例、特別賞1事例を選出しました。

広告効果賞

本賞は、企業が広告を行う本来の目的である「ビジネスへの効果」を軸に、商品やサービスに対して生活者が抱く、「利用したい」「購入したい」といった意向の向上に効果のあった広告を表彰するものです。NRIは2017年にこの賞を設け、今回が8回目の表彰です。

シングルソースデータを用いた効果測定の結果をもとに選定

NRIが提供する、企業の施策と消費者の行動との関係や影響を「見える化」するためのサービス「Insight Signal(インサイトシグナル)1」では、独自にシングルソースデータ2を常時収集しています。本賞で優秀事例を選定する際には、そのデータを用いて、各々の広告が消費者に与える心理と行動への影響を測定・評価しました。

測定結果の分析に基づく受賞事例(出稿企業名と対象商品・サービス)と、それぞれの選定理由は、下記の通りです(各賞別、企業名50音順)。

【金賞】

第一三共ヘルスケア / ミノンボディケアシリーズ

夫婦役のメインキャストを続投しつつ、新たに子役を起用。親子のお風呂時間を温かく描きながら、子どもから大人まで幅広く使える敏感肌ブランドであることも表現し、「情緒と機能」の両面でポジティブな反応を獲得。これにより生活者全体の購入意向の創出に成功し、ブランド未使用層・離脱層などのターゲットに対してはさらに大きな効果を発揮した。

ハウス食品 / 完熟トマトのハヤシライスソース

ブランドの原点である「トマトのおいしさ」に立ち返りつつ、フライパン調理の「時短・簡便」さも訴求。起用2年目となりブランドの顔として定着したタレント、「ハヤシな気分」のキャッチコピー、ミニトマトを用いたレシピなどあらゆる要素が噛み合って、商品の購入意向に留まらず、ハヤシライス自体を作りたいという気持ちの創出にまで成功した。

【銀賞】

アサヒ飲料 / 十六茶

十六茶の商品価値である「からだに良いものが詰まっている」ことを十六素材の化身が敵と戦う演出でユニークに表現した結果、商品価値の理解度が上昇し、商品の購入意向を高めることに成功した。

JCB / 国際ブランド「JCB」

これまで訴求してきた安心感はそのままに、「JCBカードが利用できるお店とシーンの広がり」をお馴染みのタレントの軽快な掛け合いとともに描くことで視聴者が自分ごと化でき、憶えられやすく好印象を与えるクリエイティブだった。

資生堂 / プリオール 薬用 うるおい美リフトゲル

テレビCM内で商品画像の印象を強く残し、新聞チラシとともにプリオールの「機能・効果が高い」のイメージの醸成を通じて購入意向の創出に成功。ターゲットである60代に加え50代からも「自分の年代・肌質に合っている」というポジティブな反応を引き出した。

ヤクルト本社 / 豆乳の力

テレビCMを中心とした幅広い施策により、商品の名称認知や選好意識を高めることに成功。広告出演者や「豆パ(豆乳パフォーマンス)」というキャッチコピーが選好意識の引き上げに寄与し、「話題性がある」イメージもCM接触を通じて大きく向上した。新商品としてのプロモーション成功例といえる。

【特別賞】

森永乳業 / トリプルヨーグルト

タレントを起用していないCMながらわかりやすいクリエイティブで注目を集め、製品特徴「血圧・血糖値・中性脂肪」への効果を的確に伝達。生活者全体での効果創出が難しい機能性表示食品であるにもかかわらず、生活者全体・ターゲットともに訴求力を発揮した。

本賞の目的や評価方法、過去の受賞事例など詳細については、次のURLをご参照ください。
「広告効果賞2024」https://www.is.nri.co.jp

NRIでは今後も、マーケターの皆様に向けた情報発信や、コンサルティングをはじめとする支援メニューの開発・提供に取り組んでいきます。

  • 1 Insight Signal(インサイトシグナル):加入企業が行う広告、PRなどのプロモーション施策について、独自に収集するデータを基に、NRIが分析・評価を行うサービスです。媒体選定、クリエイティブ作成の支援をはじめ、KPI設定やPDCA構築の支援も行います(https://www.is.nri.co.jp)。
  • 2 シングルソースデータ:メディア別の広告効果を生活者の視点で評価することを目的に、同一の調査対象者に対して、多様なメディアへの接触状況とともに、商品・サービスの認知や購入意向、購入有無などを調査したデータです。シングルソースデータは、個人が特定される情報ではありません。