株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、資産運用会社向けグローバルIBORソリューション「T-STAR/GV」1において、残高データの生成・管理を自動化する新機能(以下「本サービス」)の提供を、2026年1月より開始します。本サービスは、資産運用会社にとって付加価値の高いIBOR(Investment Book of Record)2データの導入を可能にし、ファンドマネージャーが運用業務に専念できる業務モデルの構築を支援するものです。

本サービスの開発背景

国内外の資産運用会社により設立された「一般社団法人 資産運用フォーラム」3は2025年10月に公表した「資産運用立国実現のためのステートメント」4で、「運用会社はパフォーマンス向上や運⽤戦略の⾼度化を実現するため、運⽤業務へリソース集約すべきである」と提言しました。また、「リアルタイム性と付加価値の⾼いIBORデータを独立したシステムおよびプロセスで生成する業務モデルを導入することが、業界全体の重要なテーマである」とも述べています。しかし現状、多くの運用会社では、ファンドマネージャーがファンドの組入資産の残高を把握するために、手元データや会計システムのデータを収集し、資産管理銀行の残高と照合するなど、多くの手間がかかっており、本来注力すべき迅速な投資判断や機動的な運用が妨げられています。

本サービスの概要

本サービスは、こうした課題を解決し、ファンドマネージャーが本来の運用業務に専念できる環境を提供することで、運用会社のオペレーション変革を支援します。また、精緻な残高データを⼀元的に確保できることにより、AIによる分析のデータとしても利用が容易となり、ファンドマネージャーがAIを活用した運用判断の高度化や業務プロセスの自動化を導入することも可能となります。

本サービスの主な特長は以下の通りです(下図参照)。

  • NRIが提供する「SmartBridge Advance」5等の発注・約定システムと連携した取引データが残高に即時反映されるため、ファンドマネージャーはタイムリーに残高を把握可能
  • 国内外の資産管理銀行・カストディアン6の残高データが電子的情報開示ネットワークの「SYNTAX」7や「SWIFT」8と連携し自動反映されるため、データ収集・精査の手間を削減
  • IBORデータとのリコンサイル(照合・補正)が自動実行され、精度の高い残高データを維持
  • APIの提供により、運用業務での柔軟なデータ活用と既存システムとのデータ統合を実現
  • 照合結果の確認や承認、データ補正をNRIが代行することで、IBORデータ導入による新たな業務負荷を削減

(図)本サービスの概要図

金融庁の「資産運用立国実現プラン」において、運用力向上は資産運用業の改革の柱の一つとされています。NRIは、本サービスのみならず、さまざまなソリューションを連携させることで、資産運用業界の課題解決に取り組み、業界全体の改革に貢献していきます。

  1. 1https://www.nri.com/jp/service/solution/t_star_gv.html
  2. 2ファンドの残高をリアルタイムで把握するためのデータのことで、会計・計理目的のABOR(Accounting Book of Record)に対して、ファンドマネージャーが運用判断に使うことを目的とする
  3. 3https://amforum.jp/
  4. 4https://amforum.jp/statement2025(2025年10月21日公表)
  5. 5https://www.nri.com/jp/service/solution/smartbridge_advance.html
  6. 6ファンドの運用資産の保管、決済業務を請け負う金融機関のことで、海外ではカストディアンと呼ばれる
  7. 7国内資産管理銀行の信託勘定の電子的情報開示システムで、開示側の信託銀行と、受信側となる資産運用会社、年金スポンサーを電子的に結ぶネットワーク:https://www.nri.com/jp/service/solution/syntax.html
  8. 8銀行間の国際金融取引において標準化されたデータ送受信のネットワークで、資産運用会社と海外カストディアンとのやり取りに用いられる