- お知らせ
野村総合研究所、「Numerix Oneview」を活用したデリバティブ評価支援サービスを開始
株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、Numerix LLC(以下「Numerix」)のデリバティブおよび金融商品の評価・分析システム「Numerix Oneview」を活用した「デリバティブ評価支援サービス(以下「本サービス」)」の提供を、2021年2月1日から開始します。
金融商品の高度な評価・分析の必要性が増加
金融機関では、デリバティブ商品に関する様々な規制・制度への対応が必要となってきています。2021年度の『時価の算定に関する会計基準(ASBJ)』1では、デリバティブ取引にて取引相手や自らの契約不履行の可能性を考慮した値(CVA、DVA)2の算出が必要となります。2022年度以降も、『中央清算されないデリバティブ取引に係る証拠金規制(2022年9月)』3等、デリバティブ商品を取りまく規制や環境の変化に対して、一層高度な対応が求められます。
広範囲なデリバティブ評価支援サービス
NRIとNumerixは2009年から継続した取引関係にあり、以来、NRIはNumerixの評価ツールを用いて、金融機関や機関投資家向けにデリバティブ・仕組債・証券化商品等の時価を提供する「時価評価サービス」を提供してきました。デリバティブ商品への高度な評価・分析の必要性が増加していることを踏まえ、このたびNRIでは新たに「Numerix Oneview」を用いたデリバティブ評価支援サービスの提供を開始します。本サービスにより、上記の規制等で必要となるCVA、DVAや証拠金の値をNRIが算出し、本サービスを利用する金融機関等に提供することが可能となります。
「Numerix Oneview」のラインアップは以下の通りです。
1)Oneview
あらゆる金融商品の理論時価・感応度・各種VaRの計算、XVA(CVA,DVA等)を算出
2)Oneview for Margin
ISDA SIMM ™⁴の算出・分析
3)Oneview for Valuation
複雑な金融商品を含む大規模なポートフォリオのリスク値の算出
4)Oneview for Market Risk
リアルタイムでの市場リスク分析に対応
5)Oneview for Capital
デリバティブビジネスにおける資本の最適化
「Numerix Oneview」の自社導入支援を実施
「Numerix Oneview」の自社導入を検討する金融機関に向けては、各社の要望に合わせた利用ができる様に、NRIが導入コンサルティングや運用サポートを提供します。
NRIは今後もNumerixと連携して、金融分野におけるリスク管理の業務を支援し、健全な金融市場の発展に寄与していきます。
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企業会計基準委員会(ASBJ)より2019年7月4日に公表された企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」第7項(5)の要件に、債務不履行の発生時においてデリバティブ契約を履行出来なかった場合の時価を反映することが記載されています。
企業会計基準委員会(ASBJ)ウェブサイト:
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2019/2019-0704.html - 2
CVA(Credit Valuation Adjustment)とは、取引相手が将来デフォルトした際に受ける期待損失の現在価値のことであり、銀行貸出における引当金に相当する概念のことです。DVA(Debt Valuation Adjustment)は自己の信用力に伴う価格調整のことです。
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BCBS(バーゼル銀行監督委員会)およびIOSCO(証券監督者国際機構)が合意した規制のことです。取引相手が債務不履行となった際に備え、証拠金を受領する義務を課されるというものです。日本では同様の内容を内閣府令で定められています。本制度では、金融機関を対象に想定元本額の規模に応じて段階的に実施されています。最終段階が適用となる2022年9月では、想定元本の規模が1.1兆円超の場合適用となるため、多くの金融機関が対象となる可能性があります。https://www.fsa.go.jp/news/r1/shouken/20200415-1.html
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ISDA SIMM ™(ISDA:International Swaps And Derivatives Association SIMM:Standard Initial Margin Method)とは、デリバティブ取引を行う金融機関により構成される業界団体であるISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)が定めた、当初証拠金を算出する標準モデルです。
ご参考
●Numerix LLC について
Numerixは1996年に設立され、時価評価やリスク計測をメインとするソフトウェアを提供しています。銀行、証券、運用会社、保険会社を中心に、世界26カ国、700社以上にサービスを提供しています。
Chartis社による金融ベンダー評価レポートRiskTech100では、Pricing & analytics - OTC Derivativesのカテゴリーウィナーを2017年から2021年まで5年連続受賞(2017年から2019年の旧カテゴリー名はPricing & Valuation)しているほか、XVAのカテゴリーウィナーを2018年から2021年まで4年連続受賞しています。
同社の詳細については、https://www.numerix.com/をご覧ください