現在、国内ではあらゆる分野でAIによるデータ活用の取り組みが進んでいます。しかし多くの企業では、「データ収集・整理の仕方」、「AIの導入効果が得られるか」、あるいは「AIの導入を先導できる人材の不足」といった問題を抱えています。また、PoC（概念実証）、PoV（価値実証）、本番運用といった活用段階に応じて、直面する課題や適切な対応策も異なります。

Dataikuの特長は、プログラムコードの知識等がなくても使える‘ノーコード・ローコード’³に対応していることであり、日々の業務に組み込まれ、あらゆる人々の意思決定を強化するような‘Everyday AI’⁴の実現を、世界中でリードしています。また、データ分析に関わる様々な役割を持った関係者のコラボレーションが可能で、データの前処理・モデル構築・運用・可視化という一連の業務プロセスをワークフローの形で表現し、コーディング作業なしで操作できることも特長のひとつです。そのため、データサイエンティストが持っている知見・ノウハウが比較的容易に形式知化でき、コーディングをしないビジネスユーザーもデータにアクセスして分析を進められるため、データサイエンスの民主化の推進や、分析結果の業務への組み込みが容易となります。

NRIでは、データサイエンスに関する顧客企業の課題を解決すべく、社内の資格認定制度や教育制度の充実、関連技術や応用例などの対外情報発信、国内外の有益なツールの技術評価・活用検討などに力を入れてきました。さらに、2021年4月、NRIの未来創発センター内に「データサイエンスラボ」を新設しました。この組織では、社内で当該分野に強みを持つコンサルタントとAIエンジニアの協業を促進し、顧客企業に対してAIやデータ活用を推進する体制の強化を図っています。データサイエンスを共通言語としつつ、顧客企業のビジネスや業務システムを深く理解したコンサルタントと、データ活用のためのツールやクラウド技術に精通したAIエンジニアが一体となって、顧客の業務効率化や新サービスないしビジネスモデルの開発を支援しています。

今後は、Dataiku社のソリューションを活用し、AIの活用段階に応じて、日本の顧客企業の業種・業界・分析テーマに適合した形でソリューション・サービスを開発・提供していきます。また、NRI社内の人材育成プログラムにおいて、Dataikuを活用しつつ、データサイエンス分野における技術者の育成や支援体制の強化を図ります。さらに、学術機関や関連するコンソーシアムへの参加を通じて、Dataikuを活用した次世代のデータサイエンティストの育成プログラムを検討中です。

NRIは、今後もデータサイエンスの民主化・高度化に向けたツール活用と、社内外のデータサイエンティスト人材の育成を一層強化し、企業や社会のDX（デジタルトランスフォーメーション）を支援していきます。

■Dataiku アジア太平洋地域パートナーシップ事業統括Jiunn Hao Choo氏のコメント：
「NRIとの協業は、日本のビジネス拡大にとても重要なマイルストーンであります。NRIの高度なデジタルソリューションサービスと共にDataikuのEveryday AIのビジョンを生かし、日本のお客様のビジネスの成功に貢献して参ります。」

■Dataiku アジア太平洋地域 日本・韓国地域統括 William Hong氏のコメント：
「NRIを代表するデータサイエンティストと業界トップクラスのデータ分析サービス、経験、ノウハウは、日本市場にビジネスを本格的に展開していくDataikuにとって、大変貴重なご支援であり、DataikuのAI for Everyoneの価値提供を最大化できると確信しております。」

＜Dataikuの会社概要＞

• ¹  

  機械学習モデル：
  既存のデータから、データの背景にあるルールやパターンを、機械的に学習し、未知の結果を予測するための数理モデルのこと。モデルの成果を業務で活用するためには、高い予測精度と、情報システムに組み込んだ運用管理が重要となります。

• ²  

  データサイエンスの民主化：
  専門的な知識・能力を持ったデータサイエンティストだけが企業のデータ活用に関わるのではなく、一般社員も含めてデータ活用の取り組みに参加させること。

• ³  

  ノーコード・ローコード：
  プログラムコードを記述するコーディング作業なしにGUI操作のみで（ノーコード）、もしくは、わずかなコードの記述のみ（ローコード）で、データ加工、機械学習モデル作成・評価、デプロイの一連の機械学習処理が実行可能であること。

• ⁴  

  Everyday AI：
  データの活用が日々のものとなること。AIの利用が毎日の業務プロセスに溶け込み絡み合い、ビジネスの一部になっている様子。