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野村総合研究所、「TRAINA/トレイナ」を全日本空輸に提供し、整備分野のDXを支援

〜AI/自然言語処理技術でヒヤリ・ハットデータを分析し、機体整備や空港ハンドリング業務の品質強化と整備士のケガ防止を支援〜

2021/12/27

株式会社野村総合研究所

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株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は、自社で開発したAIソリューション「TRAINAテキストマイニング」1(以下「TRAINA(トレイナ)」)を、全日本空輸株式会社(以下、ANA)に導入しました。
ANAでは、機体整備の業務において、現場から文書の形で多数報告されてくるヒヤリ・ハットデータ2を分析し、その分析結果をリアルタイムに整備士へ共有することを目的として、2019年7月に同社の整備センターにTRAINAを導入しました。その後の2年強の利用実績によって、機体の整備面の品質強化に加えて、整備士のケガ防止などにも貢献することが判明しました。整備分野での有効性が確認されたため、2021年4月に同社オペレーションサポートセンター空港サポート室にもTRAINAを導入しました。オペレーションサポートセンターでは空港ハンドリングに関わる業務において、TRAINAが活用されています。それぞれの業務で得られた導入による具体的な効果は、下記の通りです。

機体の整備面における効果

整備センターでは、飛行機の整備に関するヒヤリ・ハットデータ(約5,000件/年)を、これまで多くの人手と膨大な時間をかけて分析していました。
TRAINAを導入したことで、分析にかかっていた人手や時間が大幅に削減されたことに加え、約4,000人の整備士のタブレット端末上で、分析後の結果をリアルタイムにダッシュボード形式で参照できるようになりました(写真を参照)。これによって、分析作業から結果の共有までの自動化が図れ、TRAINA導入前と比較して、約600時間/年の工数削減を実現しました。
これまで、ヒヤリ・ハット事例からのリスク要素抽出については、長年の整備経験と高度な知識を有した整備士にしか対応できませんでしたが、TRAINAを使うことで、要素の抽出や類似事例の発見が迅速かつ容易にできるようになりました。また、ヒヤリ・ハット内容の傾向分析を行い、発生時間や発生場所に応じたケガの未然防止対策や整備作業で使用する各種手順書の見直しなど、安全・品質の両面でTRAINAを役立てています。更に、TRAINAを活用することで、分析に関する属人性が解消され、ヒヤリ・ハットの起票内容に込められた、ベテラン整備士のノウハウについても抽出、継承が進むといった効果も生じています。

写真:TRAINA画面を確認する整備士

国内全空港(約50空港)における安全性向上の効果

オペレーションサポートセンターでは、空港業務に関するヒヤリ・ハットデータ(約24,000件/年)を対象に分析を行っています。従来はリスクの高い事象を中心に人手で分析していましたが、TRAINA導入によって分析対象を全件に拡大させ、様々な切り口で分析から安全対策などの仮説検証までを短時間で実施することが可能となりました。国内の全空港(約50空港)の職員に対し、ヒヤリ・ハットの発生及び内容に関する傾向や、高リスク事象などの分析結果を配信することで注意喚起を促し、空港職員の安全感度を高める活動を、7月から9月のトライアル実施を経て、10月より本運用を実施しています。

NRIはANAをはじめとする運輸業界に対し、これからもTRAINAを筆頭に、自然言語処理技術やAIなどの先端技術を活用した各種ソリューションを提供していきます。更にはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によって、整備士をはじめとした社員の作業現場における安全・安心な労働環境の整備と、業務の効率化を支援していきます。

  • 1  

    TRAINAテキストマイニング:20年来”コトバに強いAI”として、自然言語処理技術と機械学習などのAI技術を集約し、大量の非構造化データやビッグデータから有益な情報を取り出すことが可能なソリューションです。
    詳細は以下のWebサイトをご参照ください。
    https://www.traina.ai/

  • 2  

    ヒヤリ・ハットデータ:様々な現場では、幸い事故には至らなかったものの、その場に居合わせた者が、失敗しそうになって「ヒヤリ」としたり、トラブルになりそうな出来事に遭遇して「ハッ」とした事象があると言われ、「ヒヤリ・ハット」と呼ばれています。「ヒヤリ・ハットデータ」とは「ヒヤリ・ハット」に関するデータを指します。
    (「運輸安全委員会ダイジェスト」第 18号(平成27(2015)年9月発行)より引用)

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お問い合わせ

お知らせに関するお問い合わせ

株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 松本、梅澤
TEL:03-5877-7100
E-mail: kouhou@nri.co.jp

本件に関するお問い合わせ

株式会社野村総合研究所 AIソリューション開発部 デジタルワークプレイス事業推進部 中川
TEL:03-6660-0606
E-mail: traina@nri.co.jp