Oracle APEX採用の背景と開発実績

市場には、さまざまなローコード開発のためのプラットフォームが存在しますが、プラットフォームによっては拡張性が低く、小規模でシンプルなアプリケーションの開発に利用が限定されてしまうといった課題がありました。
NRI は、約20種類のプラットフォームを比較調査し、この度、Oracle APEXを用いて大規模基幹系システムを開発しました。当該システムは、複雑なリスクスコア計算や高いセキュリティが求められる金融機関向けの基幹系システムで、2023年2月のリリース後、順調に稼働しています。
このローコード開発により、開発者数は従来のプログラミング方式と同等ですが、システム開発及びテスト工程の高速化（約3割の期間短縮）が可能になりました。その理由は、Oracle APEXが提供する複数のUI（ユーザーインターフェース）パーツを組み合わせ、必要最小限のプログラミングで開発できたことなどです。

ローコード開発のコンサルティングからシステム設計・構築・運用までを一括で実施

ローコード開発手法の採用にあたっては、その手法が適切かといったフィージビリティの判断に始まり、全体アーキテクチャの設計、運用監視、長期的な維持保守を効率化するためのCI/CD（継続的インテグレーション/継続的デリバリー）³の実現方法に至るまで、総合的な検討が求められます。NRIはこれまでに実施した多数のシステム開発及びローコード開発の案件で培ってきた知見をもとに、顧客企業がこれらの検討・判断を行う際に必要なコンサルティングの段階から参画し、実際のローコード開発によるシステム設計・構築・運用に至るまでの工程を、一括で提供することができます。
また、NRIは今後3年で300名以上のOracle APEX開発者を育成し、引き続きOracle APEXを活用したローコード開発を進めていきます。

オラクル・コーポレーション Oracle APEX プロダクト・マネジメント バイス・プレジデント アシッシュ・モヒンドルー（Ashish Mohindroo）氏からのコメント

「NRIは、Oracle APEXローコード開発プラットフォームを活用し、最小限の労力で迅速なシステム開発を実現しています。Oracle APEXで開発された金融機関向け基幹系システムはデータドリブンで、かつユーザーインターフェースも洗練されています。私たちは、NRIによるDX（デジタル・トランスフォーメーション）を支援することにコミットしており、金融業界で信頼できるアドバイザーとしてお客様にサービスを提供し、300人以上のOracle APEX開発者を育成するNRIとのパートナーシップを大変うれしく思います。」

NRIは今後も先進技術の活用とシステム開発の高度化に取り組み、企業や社会のDXを支援していきます。

• Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。

• ¹  

  ローコード開発とは、専用のツールを使って少ないプログラムコードで開発を行う手法です。従来の開発手法と比べ迅速なシステム開発を可能とします。ローコード開発の詳細については、以下のウェブサイトをご参照ください。
  https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/ra/low_code

• ²  

  Oracle APEXは、アプリケーション開発に欠かせないさまざまなUIパーツを提供しているほか、高い拡張性を持っています。UIを構成するフロントエンドでは、配色やレイアウト調整をコーディング無しにカスタマイズ可能なほか、必要に応じて独自のJavaScriptやCSS（Cascading Style Sheets）を追加することが可能です。バックエンドは、SQL及びPL/SQLによる少量のプログラムコードでロジック開発が可能なうえ、さまざまな外部接続にも対応しています。これにより、外部システムとAPI連携が可能なほか、従来の手法で開発したバッチ処理やサーバレスコンピューティングと組合せることも可能です。

• ³  

  CI（Continuous Integration）は、ビルド（システムの開発・構築）やテストを自動化する手法のことであり、CD（Continuous Delivery）はデプロイ（運用環境への配置）からリリース準備までの作業を自動化する手法です。