- お知らせ
野村総合研究所、国土交通省と共同で「サステナブル・インフラ研究会(SIX研究会)」を開始
〜幅広く若手研究者を招聘し、近未来の都市・不動産・インフラ等における課題を検討〜
株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)と国土交通省は、持続可能な社会経済インフラへの転換に向けた研究会「サステナブル・インフラ研究会(略称:SIX研究会1)」を共同で立ち上げ、本日2023年11月29日に第1回の研究会を開催しました。NRI未来創発センター デジタルアセット研究室と、国土交通省 総合政策局 社会資本経済分析特別研究官室が連携し、都市・不動産・インフラ等の社会経済インフラの領域2における諸問題について、技術、情報、環境、観光、地域、人材育成に関わる6つの観点から、分野横断的に若手研究者を招聘して検討を行っていきます。
政府の「経済財政運営と改革の基本方針2023」(2023年6月16日閣議決定)、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」(2023年6月16日閣議決定)等において、2030年に向けた都市・不動産・インフラ分野の成長目標と政策が示されています。そこでは「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指し、地方創生の取り組みをデジタルの力で加速させ、デジタルとリアルが融合した地域生活圏の形成・ネットワークの強化、地方と東京の相互利益となる分散型国づくりを進めることが目指されています。これらの政策目標の実現のため、解決が必要な諸問題に関して、産官学の垣根を越えて共同研究を行うことになりました。
SIX研究会においては、その名の通り、特に以下の6つの観点から、持続可能な社会経済インフラへの転換に向けた学際的な研究を行います。
- 技術(Technology):デジタル化の進展、テクノロジーの活用に伴う社会経済インフラに関わる産業構造及びビジネスモデルの変革等
- 情報(Data):オープンデータ及びオルタナティブデータ3の蓄積・活用に伴う社会経済インフラ分析・評価におけるデータサイエンス、アナリティクスの高度化、情報の非対称性の解消等
- 環境(Green):カーボン・ニュートラル等を踏まえたレジリエントな社会経済インフラ構築の促進、グリーン・インフラ4の推進・評価、インパクト及びグリーン性指標の可視化等
- 観光(Tourism):インバウンド戦略の展開、サステナブル・ツーリズム5の実現、宿泊施設改修等による観光地・観光産業の高付加価値化等
- 地域(Region):地域における新たな官民連携、デジタル証券化等によるアセットファイナンス及び資本市場の拡張、地域経済循環・発展モデルの構築等
- 人材育成(Education):都市・不動産・インフラ領域を持続的に支える人材不足への対応、今後の人材育成のあり方等
図:サステナブル・インフラ研究会(SIX研究会)での研究テーマ
サステナブル・インフラ研究会(SIX研究会)の概要
- 主催
国土交通省、株式会社野村総合研究所 - 共同研究の実施期間
2023年10月18日~2024年6月末(予定) - 主な構成員(敬称略・順不同)
石島 博中央大学大学院法務研究科 教授、日本不動産金融工学学会 会長
赤井厚雄株式会社ナウキャスト 取締役会長、経済・財政一体改革推進委員会 特別委員
小林正典国土交通省 総合政策局 社会資本経済分析特別研究官
長瀬洋裕東京大学連携研究機構 不動産イノベーション研究センター(CREI) 特任研究員
谷山智彦株式会社野村総合研究所 未来創発センター デジタルアセット研究室長
- 上記構成員に加え、6つのテーマごとに分野横断的に若手研究者を外部から招聘する予定です。
- 研究会ホームページ
具体的な研究内容や成果などは以下のホームページにて公表予定です。
https://www.nri.com/jp/service/souhatsu/six
- 1
SIX: Sustainable Infrastructure Transformationの略称です。
- 2
本研究会で言う「インフラ」は、都市や不動産等の実物資産、そして社会的インフラ及び経済的インフラを含む幅広い概念として捉えています。
- 3
オルタナティブデータとは、財務情報や経済統計のような投資判断や事業環境の分析において伝統的に利活用されてきたデータではなく、POSデータ、クレジットカードデータ、位置情報、衛星画像など、これまで活用されてこなかった代替的なデータのことです。
- 4
グリーン・インフラとは、社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能(生物の生息の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制等)を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進める考え方のことです。
- 5
サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)とは、訪問客、産業、環境、受け入れ地域の需要に適合しつつ、現在と未来の環境、社会文化、経済への影響に十分配慮し、持続可能かつ発展性のある観光を目指すことを意味します。