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野村総合研究所、「マーケティング分析コンテスト2023」の受賞者を決定

~着眼点や分析結果の解釈に秀でた4作品を選出 ~

2024/02/05

株式会社野村総合研究所

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株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、「不確実性を乗り越えるデータドリブンのマーケティング」をテーマとした、「マーケティング分析コンテスト2023」(以下「当コンテスト」)の最終審査を行いました。当コンテストは2007年度から毎年開催しており、今年度で17回目になります。84件の応募作品の中から、厳正なる審査の結果、優秀賞を2作品、佳作を2作品選出しました。そして今回は例年と比較して最優秀賞に値する作品はなく、残念ながら今回は、最優秀賞は該当なしという結果になりました。

以下に、受賞作品や評価ポイントを発表します。

シングルソースデータを利用した分析コンテスト

NRIでは、消費者の行動と企業の施策とが相互にもたらす関係や影響を「見える化」するサービス「Insight Signal(インサイトシグナル)1」を、企業向けに提供しています。当コンテストは、Insight SignalでNRIが独自に収集したシングルソースデータ2をコンテストの参加登録者に提供し、マーケティング指標や分析手法に関する斬新なアイデアを募集するものです。さまざまな視点から生活者の購買要因の掘り下げが行われ、学術研究や企業の広告・マーケティング戦略に活用されることを目的としています。

2023年5月、新型コロナウイルス感染症が「5類」へと移行し、公共交通機関の中でもマスクを着用しない人が増加、旅行についての制度面での制約はなくなり地域によっては「全国旅行支援」の実施など、2020年以降長く続いたコロナも収束を迎えつつあります。一方で、世界的にみても、ウクライナ情勢やパレスチナ情勢など、動乱のただ中でもあります。「インフルエンサーマーケティング」「ChatGPTをはじめとした人工知能」など、マーケティング領域においてもデジタルを用いたPDCAの加速化が進んでいます。このような先行き不透明な情勢下で、企業はデータによる根拠に基づいたマーケティング施策の検討が重要となります。最新データの精緻な分析に加えて、消費者の行動・意識が今どうなっているのか、また今後どうなっていくのかについて、想像力を働かせた仮説構築も求められます。

今回のコンテストでは、これらの背景をふまえてNRIが分析用のデータを提供し、「不確実性を乗り越えるデータドリブンのマーケティング」をテーマに、企業の広告やマーケティング活動に役立つ研究成果を募集しました。

さまざまな観点をもった作品の中から、仮説構築や分析のアプローチに特徴のある4作品を選定

2023年11月の予備審査を経て、12月19日に審査員6名による本審査を実施し、「仮説構築や着眼点がユニーク」「分析結果に対する考察が優れている」「分析手法のフローと論文の完成度が高い」などの観点から、多面的に議論した上で各賞を決定しました。最終的に4作品を選定しましたが、今回は例年と比較して最優秀賞に値する作品はなし、優秀賞、佳作をそれぞれ2作品としました。
阿部周造審査員長(横浜国立大学名誉教授)は、「データ分析に慣れた学生が増えてきた反面、分析が先行している論文も増えた印象。本年度は、分析の狙いや進め方が明確で分かりやすいか、データ応用の拡がりの可能性が感じられるか、結果から読み取った考察がされていたかが評価ポイントとなった」と総括しました。 入賞作品ならびに受賞者と各作品の評価ポイントは、下記の通りです。

<最優秀賞>

該当者なし

(審査員コメント)
「優秀賞の2作品はどちらも異なる視点から興味深い研究がされており、それぞれ評価できる点があった。結果、両作品とも優秀賞として選出するに至った」

<優秀賞>

「データ分析と生成AIを組合せたキャッチコピー生成システム」
株式会社日立製作所 研究開発グループ 藤間 友理

(審査員コメント)
「今までのコンテストではなかった斬新な研究。ターゲットに合わせたキャッチコピーを自動生成させるというのは一歩進んだ研究だと思う」
「生成されたキャッチコピーをBERT3で評価していること(キャッチコピーの内容の類似度を評価する)が評価ポイント。応用範囲が広そう」

<優秀賞>

「商品認知と購買意欲向上に寄与する音の特徴量」
青山学院大学 経営学部 藤井 慶信 鈴木 大就 吉川 洸

(審査員コメント)
「コネクテッドTV4を前提としてCM音源のカスタマイズによってCM効果を向上させる、という発想が実務的にも応用可能性が高く評価できる」
「商品認知と購買意向に影響するCM内の音について、その特徴量を明らかにするという視点が興味深い。音楽ソフトによって加工した変数を使うなど、分析方法にも独自性がある」

<佳作>

「ケース・コントロール研究と傾向スコア分析を用いた CM の内部・外部効果検証」
広島大学 総合科学部 後藤 梨久都

(審査員コメント)
「研究目的が明確かつ焦点が絞れており、分析手法に齟齬がなく、分析上の配慮も行き届いている」
「分析結果から施策立案するにあたってCMやパッケージの質的分析と考察が丁寧になされており、分析だけに終わらせず実務への応用が明確に意識されている」

<佳作>

「電子コミック優良顧客のターゲティングと広告戦略」
千葉県庁 総合企画部 久保 隆史

(審査員コメント)
「得られたクラスタを利用しながら、高度な分析手法によりCMの効果も検証しており、分析に明確なストーリーがあるのがよい。優良顧客の特徴とそれを踏まえた提案施策の納得性が高い」
「Webサービスの利用状況により広告出稿の在り方が異なるという視点が面白い」

コンテストの詳細については、下記の専用サイトをご覧ください。
「Insight Signal マーケティング分析コンテスト2023」
http://www.is.nri.co.jp/contest/

  • 1  

    Insight Signal(インサイトシグナル):
    本サービスへの加入企業が行う広告、PRなどのプロモーション施策について、NRI独自のデータを基に、NRIが分析・評価を行うサービスです。媒体選定、クリエイティブ作成の支援をはじめ、KPI設定やPDCA構築の支援も行います。詳細は次のInsight Signal ウェブサイトをご参照ください。
    https://www.is.nri.co.jp/

  • 2  

    シングルソースデータ:
    メディア別の広告効果を生活者の視点で評価することを目的に、同一の調査対象者に対して、多様なメディアへの接触状況とともに、商品・サービスの認知や購入意向、購入有無などを調査したデータです。シングルソースデータは、個人が特定される情報ではありません。

  • 3  

    BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers):
    大規模なテキストデータを用いて事前学習された言語モデル。文中の単語やフレーズの意味を文脈に基づいて理解し、文の内容を表すベクトル表現を生成する。

  • 4  

    コネクテッドTV:
    動画コンテンツのストリーミングをサポートするためにテレビに接続する、またはテレビに組み込まれたデバイス。

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お問い合わせ

お知らせに関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡
TEL:03-5877-7100
E-mail:kouhou@nri.co.jp

コンテスト結果に関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部
マーケティングサイエンスコンサルティング部
「マーケティング分析コンテスト2023」事務局
TEL:03-5877-7388
E-mail:mac2023@nri.co.jp