- お知らせ
野村総合研究所、コンタクトセンターのためのデジタルプラットフォーム「CC@Home」に生成AIを実装
〜独自自然言語処理エンジンに生成AIを組み込み、応対品質と生産性の向上を実現〜
株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、顧客や社内からの問い合わせ窓口であるコンタクトセンターのためのデジタルプラットフォーム「CC@Home(シーシーアットホーム)」1に、生成AIを組み込んだ新機能を、2024年9月から提供開始します。
多くの企業のコンタクトセンターでは、問い合わせに対応するオペレーターの人員不足という課題を背景に、AIの活用が進んでいます。今回NRIは、CC@Homeの中核ソリューションの一つである「TRAINA(トレイナ)シリーズ」2に対して、同シリーズで用いているNRI独自の自然言語処理(NLP)エンジンに生成AIを組み込みました(図を参照)。これにより、VOC(Voice of Customer:お客様の声)の分析結果に対する考察の生成、過去の応対で蓄積された情報や知識(ナレッジ)を活用した回答例の生成、通話音声の要約におけるより自然で分かりやすい文章の作成を実現します。導入企業は、コンタクトセンター業務の高度化に向けて、応対品質と生産性のさらなる向上が可能となります。
(図)CC@Homeが提供するTRAINAシリーズを生成AIにより強化
TRAINAが提供する機能別の強化ポイントは、以下の通りです。
-
①
VOCの分析機能における考察の生成
コンタクトセンターに寄せられたお客様の声を分析する「TRAINA テキストマイニング」3において、生成AIによる分析結果に対する考察が表示されるようになりました。従来は、分析結果を元に人間が考察を行う必要がありましたが、生成AIによる考察を利用することで、その手間が軽減されます。これにより、通話内容のモニタリングや分析業務の効率化を支援します。 -
②
ナレッジの検索・表示機能における既存ナレッジを活用した回答例の生成
通話中のオペレーターに対して、お客様からの問い合わせに関連するナレッジを検索・表示する「TRAINA FAQナレッジ」4において、適切なFAQが存在しない場合でも回答例を表示できるようになりました。NRIの独自エンジンによる迅速なナレッジ検索に加えて、生成AIが既存のナレッジを元に回答例を生成します。これにより、オペレーターによるスムーズな応対を支援します。 -
③
通話要約のテキスト化・要約機能における可読性の向上
お客様とのやり取りを記録するために、通話内容を自動でテキスト化・要約する「TRAINA VOICEダイジェスト」5において、生成AIを用いてより自然で分かりやすい要約文を表示できるようになりました。生成AIが通話内容の要約を行い、NRIの独自エンジンが誤情報生成(ハルシネーション)を抑制する工夫など、要約の品質向上のための処理を行います。これにより、オペレーターによる通話内容の記録業務を支援します。
CC@Homeでは、今回のTRAINAシリーズの強化にとどまらず、今後も生成AIを活用した新機能を順次提供していく予定です。NRIは、今後もコンタクトセンター業務を高度化するソリューションやサービスを提供することで、最適社会を共創し、スマートなデジタル社会の実現を目指します。
- 1
CC@Home:NRIが開発および提供しているコンタクトセンター向けのデジタルプラットフォームです。コンタクトセンターのインフラのクラウド化や、チャネルの高度化、データ活用など、コンタクトセンターのデジタル化をサポートするトータルソリューションです。詳しくは次のURLをご覧ください。
https://www.nri.com/jp/service/solution/ips/cc_at_home - 2
TRAINAシリーズ:NRIの長年の自然言語処理技術の研究成果と、業務改革ノウハウの集大成として開発された独自のソリューション群です。詳しくは次のURLをご覧ください。
https://www.traina.ai/ - 3
TRAINA テキストマイニング:TRAINAシリーズの1つで、コンタクトセンターに寄せられたお客様の声の分析・共有を行うソリューションです。
- 4
TRAINA FAQナレッジ:TRAINAシリーズの1つで、ナレッジの検索・分析や、統合・最適化を行うソリューションです。
- 5
TRAINA VOICEダイジェスト:TRAINAシリーズの1つで、通話内容の音声認識や要約を行うソリューションです。