株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、ソニー生命保険株式会社 ※1 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:萩本 友男、以下「ソニー生命」)の基幹系システムで、次世代顧客対応基盤として利用されるカスタマーセンターシステムの一部を、パブリッククラウド(Microsoft Azure ※2 )上の基盤環境(以下「本システム基盤」)へ構築し、本番稼動を開始しました。これにより、耐障害性や安全性を確保しつつ、必要とされる処理能力の提供や柔軟なリソース調達、およびコスト削減を実現する、運用環境を整備しました。
NRIは、ソニー生命の契約管理システムなどの基幹系システムを1996年に構築して以来、長年にわたって、新商品対応や制度改定対応などを手掛けてきました。本システム基盤の刷新にあたっては、これまでにNRIが培った業務知識や、クラウド環境でのシステム基盤構築で蓄積したノウハウを活用しています。NRIは、基幹系システムの標準的なシステム基盤としてMicrosoft Azureを利用するための要件定義から、設計、開発、テスト、導入、運用環境の整備まで、一貫して携わりました。
本システム基盤の特徴は、以下のとおりです。
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運用負荷の軽減
障害検知・通知・サービスリカバリなど、日々の運用で必要とされる運用業務について、NRIが提供するSaaS型運用ツールのmPLAT ※3 を用い、自動化と運用負荷の軽減を実現しました。 -
セキュリティの確保
内部からのアクセスのみを許可するポリシーを採用してセキュリティを確保するなど、お客さまの情報を安全で継続的に、かつ安価に管理することができる仕組みを提供しました。また、認証システムをオンプレミス環境に残る仕組みと連携させることで、運用負荷の抑制にも配慮しています。 -
環境等の標準化によるコスト削減と開発期間短縮
サーバ環境の標準化や構築自動化 ※4 、および運用環境の標準化をすすめ、サーバ構築に関する作業、およびドキュメント作成について、要件定義~構築~テストまでのコスト削減と開発期間短縮を実現しました。 -
各種ガイドライン準拠の評価代行
本システム基盤に導入したNRIの金融機関向けクラウドリスク管理支援サービス ※5 では、FISCのガイドラインなど、金融機関の取るべき安全対策について、NRIがお客さまに代わって「評価代行」、および「監査代行」を行います。さらに導入時だけでなく、継続的に提供することで、安全なクラウド環境であることを証明し続けられます。
今後は、アプリケーション開発における維持保守工程でのコストとリスクの低減を目的とし、開発されたアプリケーションのデプロイメントについて、自動的かつ安全なデプロイ環境を構築する仕組みや、ブルー・グリーンデプロイメント ※6 によるリリース手法の実現を目指します。
NRIは、これまで蓄積してきた業務ノウハウ、およびシステム構築ノウハウを元に、今後もナビゲーションとソリューションの提供を通じ、お客さまのビジネスのさらなる拡大に貢献していきます。
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※1
ソニー生命保険株式会社:詳しくは こちら をご参照ください。
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※2
Microsoft Azureは、米国 Microsoft Corporation の登録商標です。
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※3
3mPLAT:システム運用に必要な運用管理機能をクラウド型で提供するNRIのサービスです。詳しくは こちら をご参照ください。
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※4
構築自動化:基盤環境の構築に必要な事項を要件記入書に記載し、その適用を本システム基盤に指示することで、自動的にIPアドレス、ユーザ、OS、ミドルウェアがセットアップされます。
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※5
金融機関向けクラウドリスク管理支援サービス:金融機関がパブリッククラウドサービスを利用する際に、そのリスクの評価、分析、監査を代行するNRIのサービスです。詳しくは こちら をご参照ください。
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※6
ブルー・グリーンデプロイメント:既存のシステム(ブルー)を稼働させながら、次のバージョンとなる「もう一つの新しいシステム」(グリーン)を準備して、短時間で切り替えるデプロイ方式です。
お問い合わせ
ソリューションに関するお問い合わせ
株式会社野村総合研究所 保険アーキテクチャプロジェクト開発部 平石、SNプロジェクト推進一部 米沢
TEL:045-274-9352
E-mail:
hoken-sn-cloud@nri.co.jp