株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、家電量販店やクレジットカード、携帯電話など、国内11業界の主要企業※1が1年間に発行するポイント・マイレージの発行量を現金換算した「年間最少発行額※2」について、2018年度までの実績推計および2023年度までの予測を行いました。
なお、今回の予測には、2019年10月から消費税率の引き上げに伴って実施が予定されている、「キャッシュレス・消費者還元事業」によって発行されるポイント等の額は含まれていません。
2018年度の最少発行額は1兆円超、2023年度には1兆1600億円を突破
国内11業界の主要企業による2018年度のポイント・マイレージの最少発行額は、1兆21億円と推計され(図1)、その3分の2はクレジットカード会社、家電量販店、携帯電話事業者により発行されているとみられます(表1)。
2019年度以降も発行額は堅調に伸び続け、2023年度には1兆1,600億円を突破する見込みです。一部の企業で売上高が減少したり、ポイント還元率※3の低減が行われたりするものの、全体としては各社でポイント付与の対象会員数やポイント適用率※4が年々高まるため、ポイント・マイレージの発行規模が拡大し続けていくものと考えられます。
発行規模の拡大が見込まれるのは「クレジットカード」「インターネット通販」「航空」
業界別の最少発行額の推移をみると、2018年度は「クレジットカード」や「ガソリンスタンド」、「インターネット通販」といった業界の増加額が、前年度と比べて大きくなっています。これらはいずれも、各社の取扱高や売り上げの増加が、その主な要因としてあげられます(表1)。
一方、2019年度から2023年度までの期間に、ポイント発行規模のさらなる拡大が見込まれる業界は、「クレジットカード」や「インターネット通販」、「航空」です。いずれも、基本的には全体としての商取引額が今後も拡大することが、発行規模拡大の要因となります。
NRIでは、今後もポイント・マイレージの市場動向を継続的に分析し、ビジネスを促進するポイントプログラムのあり方を提案していきます。
- ※1
国内11業界の主要企業:国内でポイント・マイレージの発行を活発に行っている11業界(家電量販店、クレジットカード、携帯電話、ガソリンスタンド、航空、コンビニエンスストア、総合スーパー、インターネット通販、百貨店、ドラッグストア、外食)において、ポイントプログラムサービスを提供中かつ、売り上げが上位の企業。算出の対象社数は表1を参照。
- ※2
年間最少発行額:推計するポイント・マイレージの発行額は、各業界で集計対象とした企業の数が限られていること、また、来店キャンペーンなど購買金額にかかわらず発行されるものや、特別会員向けなどの追加発行ポイントを除いているため、「年間最少発行額」としています。
- ※3
ポイント還元率:ポイントが利用者に還元される際に、その還元額が元の販売金額に占める比率。
- ※4
ポイント適用率:各社の総売り上げのうち、ポイントカードの提示などでポイントが付与される(ポイント制度が適用される)売り上げの比率。
ご参考
【調査概要】
ポイント適用率の設定方法 | : | NRIが2015年7月~8月に実施した「NRI生活者1万人アンケート」(有効回答数:10,316人の訪問留置型調査)の結果や、各種公開情報を参考に、個社ごとに5%刻みで設定した。 |
ポイント還元率の設定方法 | : | 各種公開情報を参考に、最も低い値などを業界基準値として採用した。航空マイルの金額換算については、1マイルあたり1.5円とした。 |
ポイント・マイレージ 年間最少発行額の推計方法 |
: | ポイント・マイレージ最少発行額=ポイント付与の基本指標となる数値×ポイント適用率×ポイント還元率。 |
有償旅客マイル | : | 有料で搭乗する旅客ごとの飛行距離の総和。 |
図1:国内におけるポイント・マイレージの年間最少発行額の実績値(推計)と予測値
表1: 国内11業界別にみた2018年度のポイント・マイレージ年間最少発行額と算出の背景
お問い合わせ
本調査の担当
株式会社野村総合研究所 コーポレートイノベーションコンサルティング部 冨田
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