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NRI社会情報システム、シニア世代の就業実態・意識調査を実施、70歳への雇用延長制度に対しシニア世代の半数以上が肯定的
~制度定着には、働き方の選択肢の拡大や兼業の普及が重要~
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)のグループ会社であるNRI社会情報システム株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:小松 隆)は、全国の55歳~79歳の男女2,500人を対象としたインターネット・アンケート調査を行いました。シニア世代(ここでは55~79歳の層を指す)の就業実態や意識を中心に、2021年4月から企業に対して努力義務が課される「70歳までの就業機会確保」についての認知度や賛否等を調査し、分析しました。
主な結果は、以下のとおりです。
1. 「70歳雇用延長制度」について、3分の2は「名前を聞いた」程度の理解
- 高年齢者雇用安定法(高齢法)の改正により、企業に対する「70歳までの就業機会確保」の努力義務化が2021年4 月より適用されます。以下では、「70歳雇用延長制度」と記載します。
- 70歳雇用延長制度について、内容をよく理解している人は全体の2割にすぎず、67.5%が「名前を聞いたことがある」程度の理解にとどまるなど、回答者の認知度は必ずしも高くありません(図1参照)。
- 年齢とともに認知度は向上し、内容をよく理解している人の割合は、男性の場合、55歳~59歳の14.3%から、70歳~74歳の28.5%へと大幅に増加します。
2. 「70歳雇用延長制度」に対して、半数以上が「良い制度」と評価
- 70歳雇用延長制度に対して、回答者の53.9%が「良い」あるいは「どちらかと言えば良い」というプラスの評価をしており、男女ともに年齢が高いほど、その割合は高くなります。但し、実際に今後制度の適用対象となる55歳~64歳層、特に男性では、プラスの評価をする割合は4割程度にすぎません(図2参照)。
- 現在就業中の人に絞り、現在の仕事への満足度との関係性を見ると、制度に対してプラスの評価をしているひとは、現在の仕事への満足度が高いという関係にあります(図3参照)。おそらくは、現在の働き方や仕事に満足していることで、「将来にわたっても、制度の活用等により、長く働き続けたい」との意向のあらわれと考えられます。
- 就業状況別に分析すると、現在求職活動中の人は、この制度を評価する割合が高い一方で、制度の恩恵にあずかるはずの正社員は、パート・嘱託など他の就業形態と比べて、その割合が決して高くなく、評価が定まっていない様子がうかがえます(図4参照)。
3. 「70歳雇用延長制度」に前向きなシニア世代は、兼業など多様な働き方を希望
- 「70歳雇用延長制度」の適用対象となる55歳~64歳の正社員層を対象に、今後制度を利用して70歳まで働くかどうかについて調べると、「70歳まで(以降も)働く」(27.2%)、「多分、70歳まで働く」(23.3%)と、合わせて約半数が、制度の活用を考えていることがわかりました。
- また、55歳~59歳に比較して60歳~64歳の方が、より現実の問題と捉えるようになることから、70歳までの就業意向が強まります(図5参照)。
- 上記の層で、制度を利用して「70歳まで(以降も)働きたい」と回答した人が、実際に働き続けたい年齢は、平均で72.8歳であり、「健康である限り」、「80歳くらい」、「75歳くらい」の合計で約65%に及びます。つまり、70歳を節目とは考えておらず、70歳をすぎても、長く働き続けたい意向が強くあらわれています(図6参照)。
- 制度を利用した70歳までの就業意向と、金融資産保有額の関係性を見ると、両者の間には、明確な相関関係はないことがわかりました。シニア世代の働く理由が、経済的理由だけではないことがわかります(図7参照)。
- 制度を利用して70歳までに行ってみたい働き方としては、「今の仕事を続けつつ、兼業で別の仕事にも取り組みたい」の回答が多く、兼業への関心が非常に高いことがわかります。55歳~59歳(57.8%)よりも60歳~64歳(68.3%)の方が、兼業への関心は高まります(図8参照)。
- 同じ層について、自分が属する産業分野別に、兼業に対する関心の高さと、現在と同じ産業で引き続き働き続けたい人の割合の関係をみると、産業分野の特徴により、4つのグループに大別されることがわかりました。
- 教育・学習支援業や医療・福祉業は、現在と同じ産業内で働きつつ、兼業への関心も高く、金融・保険業や建設業では、現在働く産業で働き続けることへの拘りは少ない一方で、兼業には関心が高い様子がうかがえます。また、製造業や公務員では、同じ産業で働き続けたい希望が強いですが、兼業への関心は高くない傾向があります(図9参照)。
ご参考
調査概要
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【目的】
シニア世代の就業状況や働く意識、さらにはライフスタイル、価値観など行動実態を把握し、今後のシニア就業機会拡大に向けた考察、提言を行う
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【調査名】
「変わるシニア世代の就業意識・行動」(2020年度NRI社会情報システム)
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【調査方法】
野村総合研究所が提供するインターネット調査サービス「TrueNavi」によるアンケート
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【調査時期】
2020年3月(17日配信、19日回収)
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【調査対象】
日本全国の55歳~79歳の男女個人
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【回答者数】
2500人 (2019年に回答した方は今回の対象外)
性・年齢別: 平成29年人口推計(国勢調査ベース)をもとに人口比率で割り付け
男性 55-59歳238 60-64歳242 65-69歳301 70-74歳228 75-79歳189
女性 55-59歳239 60-64歳249 65-69歳321 70-74歳259 75-79歳234
地域別
北海道:125 東北:120 北関東:112 東京:406 南関東:640 甲信越:66 北陸:37 東海:232 近畿:442 中国:91 四国:57 九州・沖縄:172
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