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野村総合研究所、2026年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望

~コロナショックでデジタル化が加速~

2020/12/17

株式会社野村総合研究所

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株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、2026年度までのICT(情報通信技術)とメディアに関連する主要5市場(デバイス/ネットワーク/コンテンツ配信/xTech(B2C)/xTech(B2B))を取り上げ、国内市場および一部の国際市場における動向分析と市場規模の予測を行いました。

新型コロナウイルス感染拡大は消費者と企業に大きな影響を与えました。外出自粛によってインターネット通販や動画配信サービスの需要は拡大し、通勤・通学ができないことからテレワークやオンライン学習が本格化しました。感染拡大を機に、デジタルトランスフォーメーション(DX)に本腰を入れる企業も出てきています。
一方、日本は、電子政府化の遅れ、デジタル人材の確保など社会全体のデジタル化には大きな問題や課題を抱えています。世界電子政府ランキング1や世界デジタル競争力ランキング2も年々順位を落とし、日本全体が自信を喪失しているようにも見えます。
日本が目指すべきデジタル社会像は、全国民がデジタルの果実を享受できる社会であり、このコロナ禍を、失われた20年からの脱却に向けての機会と捉え、これまでのやり方を大きく変革する意識が重要になると考えます。

主要5市場の特徴的な動向と予測結果は、以下のとおりです。

※以降、当リリースにおいて特に注意書きのない場合、2019年以前は実績値または推計値、2020年以降は予測値です。

【デバイス市場】
新型コロナウイルスの影響はありつつも、5GサービスやDXで伸びも期待される

  • コロナ禍により、販売低迷やサプライチェーン分断が発生し、デバイス市場も大きな影響を受けている。今後、5GサービスなどDXを支える基盤整備が進むと、デバイスの利用方法が変わったり、新たなニーズが創出されたりすることが期待される。
  • 日本における5Gの商用化サービスは2020年3月から開始されたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言や東京オリンピック・パラリンピックの延期に伴い、当初想定よりも普及はしていない。ミドルレンジ以下の価格帯における中国系メーカーのラインナップ拡充が主要因となり、2026年度には国内の5G端末は3,200万台程度まで拡大する見込みである(図1)。
  • 超高精細(4K・8K)テレビにおいては、さまざまな自粛により経済状況が悪化し、テレビの買い替え需要に水を差すのではないかという懸念があった。ところが、在宅時間の増加、特別定額給付金の受給に加え、新機種の発売、旧モデルの大幅な値下げなどもあり、結果的にコロナ禍においても需要は拡大している。2021年度は東京オリンピック・パラリンピックの開催が需要を後押しすると考えられ、2026年度の保有世帯はベースシナリオで2,757万世帯に拡大する見込みである(図2)。
  • ロボット市場においては、ソーシャルディスタンスの保持や従業員の安全確保を目的とした自動化は多くの分野で加速する。事業不振やテレワークの影響で、既に検討していた実証実験が停滞・中止になるケースもあるものの、新型コロナウイルスは中長期的にロボット化を後押しする。とりわけ、ウイルス消毒ロボットなど人命にかかわる領域は待ったなしで導入が進み、消毒ロボットは注目分野の1つとなっている。

【ネットワーク市場】
「Withコロナ状態」で求められる回線の安定性とセキュリティ

  • 新型コロナウイルス感染拡大および緊急事態宣言の発出などは、人々の生活や消費生活、社会環境に大きな影響を与え、動画視聴やオンライン学習、テレワーク、ECなどのデジタル消費によりデータトラフィックが大幅増となった。「Withコロナ状態」が続くことで、デジタルを中心に消費者の行動が定着し、インターネット回線の速度の安定性、セキュリティがますます重視されるようになる。
  • 生活、社会、産業の多くの場面でICTサービスの利用が拡大し、安定した通信が改めて求められるようになり、これが光ファイバー需要の下支えとなっている。固定ブロードバンド回線加入件数は、2026年度には約4,090万件と予測される(図3)。
  • 一般の企業や自治体が自ら構築・運用可能な「局所的な5Gネットワーク」を指すローカル5G市場においては、5G早期利用の促進、建物・敷地単位での高セキュリティネットワークの構築、遠隔作業時の遅延解消などが期待されている。ネットワーク機器が高価なため中小企業にまで広く浸透することが難しいのは課題であり、2026年度の市場規模は180億円程度とみられる(図4)。

【コンテンツ配信市場】
コロナ禍により、コンテンツ産業は追い風と向かい風が吹き荒れ、転換期を迎える

  • 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、インターネットにつながっているモバイル端末やパソコン、テレビなどのデジタルメディアへのシフトが加速している。通信の高速化(固定ブロードバンドやモバイルブロードバンド)や高性能なデジタル機器の登場、AIやクラウドなどの技術活用が進展している。
  • 在宅で楽しめる「巣ごもり消費」の一つとして動画配信の人気が高まったことに加え、コロナ禍を機に拡大した動画配信サービスの継続利用意向は高く、コロナ禍終息後も利用者が一定程度定着すると考えられ、また、リアルイベントからネット配信への支出意識の変化の萌芽が見られることから、これらの動きが市場拡大の追い風となり、2026年度の動画配信市場は3,200億円超に成長すると見込まれる(図5)。
  • 巣ごもり需要による余暇時間の増加を追い風に、消費者や企業が動画を投稿できる動画投稿サービスや、消費者や企業がライブ配信できるライブ配信サービスは、サービス利用者の拡大、顧客単価の上昇、広告料の増大を背景に、2026年度には約1兆900億円まで拡大すると予測される(図6)。

【xTech(B2C市場)市場】
xTech(B2C)事業者は業界の変革の担い手から、より信頼が求められる存在に

  • 書籍『ITナビゲーター2021年版』のxTech(B2C)市場では「EdTech」、「RetailTech」「スマートペイメント」「SporTech」「BeautyTech」「HealthTech」の各テクノロジー及び、ITの発展により台頭する「シェアリングエコノミー」の7つの分野について動向分析と市場予測を行っている。
  • オムニチャネルコマース市場は、2020年はコロナ禍により、旅行、外食、理美容などのサービス需要が一時的に大きく落ち込んだ。反面、コロナ禍は消費行動のオンラインシフトという大きなトレンドを後押しすることとなり、2026年度の市場規模は80兆9,000億円へと拡大すると予測される(図7)。
  • スマートペイメント市場は、各決裁事業者の大型キャンペーンや政府のキャッシュレス・ポイント還元事業の効果があり順調に拡大しているほか、コロナ禍での「新しい生活スタイル」に対応した「新しいサービス提供スタイル」として店舗側のデジタル技術導入が進むことで、スマートペイメントが普及すると考えられる。このため、2026年度のスマートペイメント市場は、147兆8,000億円まで拡大する見込みである(図8)。

【xTech(B2B)市場】
コロナ禍で企業が積極的にデジタルテクノロジーを導入

  • 『ITナビゲーター2021年版』のxTech(B2B)市場では、企業内で利用される「ファクトリーIoT」、「スマートシティプラットフォーム」、「不動産テック」、「HRTech」、「AgriTech」の5つの分野について動向分析と市場予測を行っている。
  • 2020年は対面での打合せ、生産活動、サービス提供・販売が困難になったことを機に、Web会議システムに代表されるような、ビジネス継続を目的にしたデジタル技術の導入が急速に進んだ。例えば工場では、現地に訪問することなく作業を実施できる遠隔監視・制御やVRが、対面接客の現場では人手不足に対応するための自動化など、さまざまなソリューションの導入が進む萌芽事例が多くみられた。
  • ファクトリーIoT市場は、サプライチェーンの見直し策としてARやセンシング技術を搭載した生産設備が拡大することで、2026年には市場規模が1兆1,000億円を超えると予測される。

今回の市場動向分析や予測の詳細は、書籍『ITナビゲーター2021年版』として、東洋経済新報社から、12月17日に発売されます(2,400円+税)。

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お問い合わせ

ニュースリリースに関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡、竹尾
TEL:03-5877-7100
E-mail: kouhou@nri.co.jp

調査の内容に関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 手塚、小野寺
TEL:03-5877-7314
E-mail: itnavi2021-pmo@nri.co.jp