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「NRI学生小論文コンテスト2020」入賞者を決定

2020/12/18

株式会社野村総合研究所

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株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、「サステナブル未来予想図 ~最適な社会の構築に向けて~」をテーマとした、「NRI学生小論文コンテスト2020」の『最終審査会・表彰式』を、12月18日に行いました。大学生・高校生の両部門を合わせて1,925作品の応募があり、厳正なる審査の結果、大賞、優秀賞、特別審査委員賞、留学生特別賞あわせて8作品が選出され、表彰式が行われました。なお、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から初めてオンラインでの最終審査会・表彰式となりました。

審査は、(1)事務局による「予備審査」、(2)NRIグループの社員による「一次審査」、(3)池上彰(ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授)・最相葉月氏(ノンフィクションライター)の2名を特別審査委員に迎えた「論文審査会」、(4)論文審査会メンバーにNRI役員を加えた「プレゼン審査」の4段階を経て行います。

当コンテストは今年で15回目となりましたが、プレゼン審査は2017年度から導入、今年で4回目となります。プレゼンテーションの様子は、後日、野村総合研究所のYouTubeアカウントに掲載する予定です(https://www.youtube.com/channel/UCDUlkKach6_YpYa9fbv2jQw)

入賞者および入賞論文タイトル

【大学生の部】

大賞

お野菜ヒッチハイクプロジェクト 〜野菜の廃棄ゼロを目指した新しい直売のカタチ〜
丹野 円(たんの まどか)さん 東北学院大学 経済学部 2年
渡辺 結衣子(わたなべ ゆいこ)さん 東北学院大学 経済学部 2年(共著)

 

優秀賞

空き地転用農園「スーパー・コンバージョン・ファーム(SCF)」の提案
坂田 匡弥(さかた まさや)さん 県立広島大学 経営情報学部 3年
池本 海大(いけもと かいと)さん 県立広島大学 経営情報学部 3年(共著)

 

特別審査委員賞

人と環境(自然・歴史的文化)の繋がりを維持することから生まれる新たな農業との関わり方
三輪 泰生(みわ たいき)さん 成安造形大学 芸術学部 3年

 

留学生特別賞

持続可能な観光 ~留学生から見た「おもてなし」~
ウィン ウィン ピュさん 高崎経済大学 地域政策学部 3年
グエン ティ ビックさん 高崎経済大学 地域政策学部 3年(共著)

【高校生の部】

大賞

Illuminateプロジェクトで子供達の未来を照らす ~サステナブルジャパンの実現へ~
佐藤 美空(さとう みく)さん フェリス女学院高等学校 2年

 

優秀賞

地下鉄風力発電 ~捨てられる列車風をエネルギーに~
石井 裕太(いしい ゆうた)さん 膳所高等学校 2年

 

「減災納税」で減災対策、そして自然災害による新たな貧困をなくす
佐藤 さくら(さとう さくら)さん 筑紫丘高等学校 2年

 

特別審査委員賞

いじめの増加について考える ~教育からの視点~
川本 洋輔(かわもと ようすけ)さん 世田谷学園高等学校 2年

※敢闘賞・奨励賞受賞者については、以下のURLをご参照ください。
https://www.nri.com/jp/news/event/lst/2020/cc/sustainability/contest/result

ご参考

●審査委員による総評

世界は今、経済活動や消費活動による負荷が地球全体にかかり、多くの社会課題を抱えています。それに加えて2020年は、コロナ禍による経済危機や社会不安に見舞われ、私たちの仕事や生活は大きく変化しました。そうした中で、限りある資源(ヒト・モノ・カネなど)を有効に活用・循環させて、「最適な社会」を構築して行く必要があります。
そこで今回は、「サステナブル未来予想図~最適な社会の構築に向けて~」というテーマを設定しました。大学生や高校生の皆さんが、自らが社会に出たとき、あるいは自分の子供世代が大人になったとき、実現すべきだと考える「最適な社会」とはどんな姿なのか。それに向けてどんな取り組みをしていくのか。若い世代の皆さんが描く「最適な社会」を見てみたいという期待感をもって、審査にあたりました。

「応募論文にはコロナ禍の影響が色濃く出るのではないか」という予想に反して、自らが大人になった時代を見据えたためか、今ある様々な社会課題を取り上げた作品が大半を占めていました。「サステナブル未来予想図」というテーマに対しては、昨年同様、大胆な未来像を描きにくく苦戦している印象を受けました。また、今回はコロナの影響によって取材やフィールド調査が制約され、文献調査の比重が大きくなって、調査分析の厚みが薄くなった傾向も見られました。

大学生の論文については、地に足のついた、説得力のある作品が多く見られたものの、面白味や斬新さという点では物足りなさを感じました。これは、それだけ現実への危機を強く認識しているためだろうと推察しています。また、今回から留学生の応募が復活し、ユニークな視点の論文が見られたことは、大変喜ばしく感じました。
高校生の論文については、斬新なアイデアを提示している作品や、筆者自身がアイデアの企画を楽しんでいることが感じられる作品が見られました。全般的に文章力に優れ、論文のレベルは高いものの、もっと大胆で柔軟な発想やグローバルな視点から、私たちにはまだ見えていない問題を指摘してほしいという思いも持ちました。

今回の審査で気になった点として、SDGsの枠組みを意識しすぎているためか、既視感を覚える課題設定が多かったということが挙げられます。それぞれの想像力を羽ばたかせて、もっと自由な発想で課題を見つけてほしいと思います。加えて、自分の提案のデメリットや課題といった「弱点」に対する考察が不十分な論文が見受けられたことも気になりました。弱点や今それができていない理由を掘り下げれば、さらに提案内容は進化していくでしょう。審査ではそのような点も重視しながら、大胆な発想で、独自性のある「最適な社会」の課題や解決策を提示している論文を、受賞論文として選定しました。

●各入賞論文の評価のポイント

【大学生の部】

大賞
お野菜ヒッチハイクプロジェクト 〜野菜の廃棄ゼロを目指した新しい直売のカタチ〜
丹野 円(たんの まどか)さん  東北学院大学 経済学部 2年
渡辺 結衣子(わたなべ ゆいこ)さん 東北学院大学 経済学部 2年

(評価のポイント)
価格調整のために野菜が市場に出回る前に農家で廃棄される「産地廃棄」に着目し、ITを活用した販売、コインロッカー方式の無人直売所、地域の消費者が協力して輸送を担うという新しいプロジェクトを提案。食品ロスの中でも、特に産地廃棄に注目したその着眼点や、問題の本質を流通コストに踏み込んで考察している点が高く評価された。野菜の定額サービス(サブスクリプション)や輸送への貢献度に応じた割引などの新しいアプローチを入れながらプロジェクトを組み立てており、ビジネスモデルの原案としても興味深い。実現への期待感を抱かせられる提案であった。

 

優秀賞
空き地転用農園「スーパー・コンバージョン・ファーム(SCF)」の提案
坂田 匡弥(さかた まさや)さん 県立広島大学 経営情報学部 3年
池本 海大(いけもと かいと)さん 県立広島大学 経営情報学部 3年

(評価のポイント)
ヒートアイランド現象の深刻化、都市内の大規模空き地の増加、食糧自給率の低下と食品ロスの問題、高齢化といった様々な問題を解決するため、空き地を農地に転用して市民農園として活用する「スーパー・コンバージョン・ファーム(SCF)」を提案。現代日本の都市における問題を一挙に解決しようとする試みであり、都市に住む人々の生きがい創出にもつながる点を高く評価した。「最適な社会の構築に向けて」というテーマにも合致している。アンケート調査で実現性を検証している点や、土地所有者や周辺住民の合意など超えるべき課題を明確にしている点も説得力を高めている。

 

特別審査委員賞
人と環境(自然・歴史的文化)の繋がりを維持することから生まれる新たな農業との関わり方
三輪 泰生(みわ たいき)さん 成安造形⼤学 芸術学部 3年
(評価のポイント)
人間の生活を支える農作物の生産を維持するためには「農家中心の地域コミュニティ」の形成が必要だという思いから、自ら農地を借りて農作物を育て、人と交わり、農業に関わる人を増やして地域を活性化させようとした実践的な試みを行っている。耕作放棄地の増加や農家の人々の思いの深さなどの現実を踏まえた上での、農業に地域住民や学生を結びつける「農家コミュニティ案内所」の提案には、現場を知っていることから来るリアルさや力強さが感じられ、惹きつけられる。地域の歴史や文化を継承しながら農業を守るシステムを構築しようとする志と行動力も、高く評価したい。

 

留学生特別賞
持続可能な観光 〜留学生から見た「おもてなし」〜
ウィン ウィン ピュ(うぃん うぃん ぴゅ)さん 高崎経済大学 地域政策学部 3年
グエン ティ ビック(ぐえん てぃ びっく)さん 高崎経済大学 地域政策学部 3年

(評価のポイント)
旅館でのインターンを通じて「日本のサービスは過剰ではないか」という思いを抱き、外国人の同僚や留学生への聞き取り調査を踏まえて、グローバル化が進む中で日本のあるべき「おもてなし」を掘り下げて考察している。日本人が誇りに思っている「おもてなし」を、実は外国人からはサービス過剰で画一的だと見られていると指摘し、もっと相手のニーズに合わせるべきだと問題提起する、その視点を高く評価した。優れた日本語の文章力で日本人のサービス観を分析しており、次々と読み進めたくなる面白さがある。

 

【高校生の部】

大賞
Illuminateプロジェクトで子供達の未来を照らす 〜サステナブルジャパンの実現へ〜
佐藤 美空(さとう みく)さん フェリス女学院高等学校 2年
(評価のポイント)
今日の最重要課題の一つである子供の貧困に対して、アプリ「Illuminate(イルミネイト)」を開発して「食」と「学び」で子供たちをサポートするプロジェクトを提案。子供食堂への実際の取材や調査を踏まえたていねいな問題分析に、子供の貧困に対する真摯な姿勢が感じられる。子供の貧困は負の連鎖を引き起こし、国を揺るがす問題にもなるという大きな捉え方で発想した点や、与えるだけでなくて成長を促すという視点も高く評価した。アプリには文化教育面の豊かさや、子供の見守り、親との連携につながる可能性や大きなパワーを感じられる。論文としての完成度も高い。

 

優秀賞
地下鉄風力発電 〜捨てられる列車風をエネルギーに〜
石井 裕太(いしい ゆうた)さん 膳所高等学校 2年
(評価のポイント)
クリーンエネルギーとして注目されながらも、発電の不安定さ、騒音、環境破壊など課題も多い風力発電に対して、地下鉄の列車風を利用した「地下鉄風力発電」で地下鉄の駅の消費電力をまかなうというアイデアを提示。日常の光景から得た着想に虚を突かれるとともに、その独自性を高く評価した。日常に問題意識を持って自ら考える姿勢や、問題解決に向けて論理的に追究する姿勢も優れている。メリット、デメリットの分析が鮮やかで、電力を試算して定量的に示している点も説得力を高めている。読み手に実現への期待感を強く抱かせる提案であった。

 

優秀賞
「減災納税」で減災対策、そして自然災害による新たな貧困をなくす
佐藤 さくら(さとう さくら)さん  筑紫丘高等学校 2年
(評価のポイント)
予測される南海トラフ巨大地震や繰り返し起こる豪雨災害など、自然災害へのレジリエンス強化が求められるのに対し、「減災納税」によって寄付金を減災対策に使い、返礼品にも災害対策に役立つものを送るというアイデアを提案。国民自身と社会のレジリエンスのバランスに着目し、その解決方法に税という切り口を持ってきた点や、論文としての完成度の高さが評価された。ふるさと納税の経験を踏まえれば実現可能性が感じられる。減災納税としての魅力をいかに引き出すかについて想像もかきたてられ、地場企業との返礼品開発などの発展性も期待できる。

 

特別審査委員賞
いじめの増加について考える 〜教育からの視点〜
川本 洋輔(かわもと ようすけ)さん 世田谷学園高等学校 2年
(評価のポイント)
増加傾向にあるいじめには早期発見が有効な手立てとされるのに対して、日記アプリによって異変を察知し、子供たちをフォローしようとするアイデアを提示。学校や家庭、友達との関係性を子供の声で可視化する日記アプリという発想や、カウンセラーが危険ワードをチェックするなどの具体的機能に独自性がある。いじめから逃れるための消極的なアプリではなく、子供たちに気づきや他者への理解を育むことを念頭に考案されている点も、評価された。昨今いじめの現場はSNSに移行していることを逆手にとり、ある意味で学校生活のお守りになる可能性も感じられた。

●NRI学生小論文コンテスト2020」の概要

  • 1.対象

    全国の大学院生、大学生、高校生

  • 2.テーマ

    Share the Next Values!
    「サステナブル未来予想図 ~最適な社会の構築に向けて~」

  • 3.審査プロセス

    (1)事務局による予備審査

    (2)NRIグループ社員による一次審査

    (3)論文審査委員による二次審査(論文審査)

    (4)最終審査委員による最終審査(プレゼン審査)

    ※プレゼン審査以外の審査プロセスは、応募者の学校名・名前などの属性を秘匿したうえで、厳正に実施

  • 4.論文審査委員(7名)

    審査委員長

    桑津浩太郎(NRI研究理事)

    特別審査委員

    池上彰氏(ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授)

    最相葉月氏(ノンフィクションライター)

    上記のほか NRI社員4名

  • 5.最終審査委員(9名)

    論文審査委員、NRI役職員など

  • 6.賞金

    優秀作品には副賞として下記の賞金を授与

    【大学生の部】

    大賞50万円、優秀賞、特別審査委員賞および留学生特別賞25万円、奨励賞5万円

    【高校生の部】

    大賞30万円、優秀賞および特別審査委員賞15万円、奨励賞3万円

  • 7.結果発表

    全ての賞を12月18日にNRI公式サイトで発表

    (奨励賞以外は、最終審査会にてプレゼンテーションを実施)

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お問い合わせ

ニュースリリースに関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡
TEL:03-5877-7100
E-mail: kouhou@nri.co.jp

コンテストに関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所「NRI学生小論文コンテスト2020」事務局 高橋、松本、本田
TEL:03-5877-7555
E-mail: contest2020@nri.co.jp