フリーワード検索


タグ検索

  • 注目キーワード
    業種
    目的・課題
    専門家
    国・地域

NRI トップ ニュース ニュースリリース一覧 野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計

野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計

〜いずれも前回推計(2017年)より増加、コロナ禍で富裕層の健康意識や家族とのコミュニケーションが強まる〜

2020/12/21

株式会社野村総合研究所

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本臣吾、以下「NRI」)は、2019年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模を、各種統計などから推計しました。また、2020年10月~11月に、全国の企業のオーナー経営者(主要株主かつ代表者)を対象に「NRI富裕層アンケート調査」を実施しました(有効回答1,520名、うち本人と配偶者の保有する金融資産の合計額が1億円以上の回答305名)。
主な推計結果と調査結果は、以下のとおりです。

日本の富裕層・超富裕層の世帯数は、2017年を超えて2005年以降の最多に

預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計しました。結果は、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると132.7万世帯で、内訳は、富裕層が124.0万世帯、超富裕層が8.7万世帯でした(図1)。
富裕層と超富裕層をあわせた2019年の世帯数は、2005年以降最も多かった2017年の合計世帯数126.7万世帯から6.0万世帯増加しました。富裕層・超富裕層の世帯数はいずれも、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった後の2013年以降一貫して増加を続けています(表1)。

富裕層・超富裕層の純金融資産総額も増加が続く

2017年から2019年にかけて、富裕層および超富裕層の純金融資産保有額は、それぞれ9.3%(215兆円から236兆円)、15.6%(84兆円から97兆円)増加し、両者の合計額は11.1%(299兆円から333兆円)増えました(図1および表1)。
また、富裕層・超富裕層の純金融資産保有総額は、世帯数と同様、2013年以降一貫して増加を続けています(表1)。
過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数及び純金融資産保有額が増加している要因は、株式などの資産価格の上昇により、富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます。
2020年はコロナ禍の中においても株価は上昇しているものの、多くの経済指標は悪化しており、今後の富裕層・超富裕層の世帯数や純金融資産保有額に影響を与える可能性があります。

コロナ禍で富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者は、個人資産の管理・運用の考え方が変わった

コロナ禍が富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者の意識や行動に影響を与えています。アンケート結果によれば、個人資産の管理・運用について、「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった」(50%)、「元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった」(46%)と、約半数の企業オーナーの富裕層・超富裕層で資産運用の考え方が変化しています(表2)。
また、「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった」(47%)、「自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた」(46%)、「資産の管理・運用に関するアドバイスをしてもらえる信頼できる専門家が必要だと思った」(42%)といった回答も多く、相場の急変に対して専門家のアドバイスを含む多様な情報を集めて、資産運用の意思決定をするという考え方が強まっています。
ただし、「個人資産のことよりも、所有する事業や法人の先行きが、以前よりも心配になった」(53%)と回答した割合が最も多く、企業オーナーにとっては個人資産よりも所有・経営する事業に対する意識の方が強いことがわかります。

富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者の約3分の2が、健康や体力増進に関する意識が強まった

富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者の消費や生活も大きく変わっています。約3分の2が「健康や体力増進に関する意識が強まった」と回答しました(表3)。また、「家族との会話やコミュニケーションが増えた」(51%)、「ソーシャルディスタンスを意識した旅行をするようになった」(47%)、「本を読む時間が増えた」(47%)と、約半数が時間の使い方や旅行の形態が変わったと回答しました。
一方、消費行動の変化については「高額な商品やサービスの利用を控えるようになった」(39%)、「フードデリバリーサービスやケータリングの利用が増えた」(21%)となっています。

富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者の資産管理・運用の考え方や消費・生活の変化は、コロナ禍で突如現れたものではなく変化の芽は以前からあったと考えられるため、一過性のものではなく今後も続いていくと考えられます。資産管理・運用においては、アドバイザーの役割が一層重要になっていくと考えられるため、金融機関においては高度なアドバイスを提供できる体制の整備が期待されます。また、消費や生活においては、健康維持・増進や家族とのコミュニケーションに関する意識が強まっていくため、企業においてはこれらを促進するサービスの開発が期待されます。

ご参考

NRI「富裕層アンケート調査」(2020年)の実施概要

目的 企業のオーナー経営者の資産管理・運用や消費行動の実態を把握し、金融機関や百貨店等の富裕層サービスを提供する企業との関係を把握し、企業のオーナー経営者の金融サービスや消費に関するニーズを明らかにする。
対象 (株)帝国データバンクのTDB企業概要データベースを元に全国2万社を抽出し、企業のオーナー経営者(主要株主かつ代表者)にアンケートを送付。有効回答 1,520名のうち、本人と配偶者の保有する金融資産が1億円以上の305名を集計対象とした。
  • 金融資産1億円以上5億円未満:278名
  • 金融資産5億円以上:27名
調査方法 郵送により調査票を発送・回収
実施時期 2020年10月~11月

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

お問い合わせ

ニュースリリースに関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡、竹尾
TEL:03-5877-7100
E-mail: kouhou@nri.co.jp

本件に関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部 宮本
コンサルティング事業本部 金融コンサルティング部、良本、山中