株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)およびBehavox Ltd.(本社:アメリカ合衆国ニューヨーク州、CEO:エルキン・アディロブ、以下「Behavox」)は、日本の金融機関向けにコンダクト・リスク管理の高度化を目的とするソリューションサービスを提供するべく、7月12日にパートナーシップ契約を締結しました。
コンダクト・リスクとは、「法令として規律が整備されていないものの、社会規範にもとる行為、商慣習や市場慣行に反する行為、利用者の視点の欠如した行為等につながり、結果として企業価値が大きく毀損されうるリスク1」とされています。例えば金融機関の場合、顧客に正しい理解が難しい金融商品を販売したり、顧客の同意はあるものの算定根拠が不明な手数料を請求したりして、行政処分を受けることがあります。また、さまざまなハラスメント行為も、代表的なコンダクト・リスクの一例とされています。
従来、金融機関では、コンプライアンス(法令遵守)の観点から、リスク管理の枠組みが整えられてきました。しかしそれだけでは、新たに対応が必要となるコンダクト・リスクの捕捉や把握は難しく、リスク管理の枠組みの高度化が求められています。また、昨今のリモートワークの普及が、コンダクト・リスクの的確な捕捉をさらに難しくしています。
Behavoxでは、こうしたコンダクト・リスクを検出するソリューションを開発しており、欧米の金融機関では導入が進んでいます。具体的には、従業員等の行動の多くがデジタル・デバイスで捕捉されていることに着目し、その膨大なコンダクト・データをAI(人工知能)で分析することで、コンダクト・リスクをスコアリングします。これまで、コンダクト・リスクに該当する問題は、事後的な検知・検証が中心でしたが、スコアリングの結果を活用することにより、未然もしくは発生後早期に検知・検証が可能な点も特徴です。すでに当ソリューションを導入している欧米の金融機関では、金融犯罪防止や内部情報漏えいの分野におけるコンダクト・リスク管理業務の大幅な省力化を実現しています。
NRIはBehavoxとともに、このソリューションの日本語解析能力の改善をすすめ、日本的な規範や商習慣・市場慣行等に応じたコンダクト・リスクの検知率向上を図っていきます。また、日本の金融機関を含む欧米での実績を踏まえ、日本市場において顧客を開拓し、Behavoxのソリューションについて導入コンサルティングから運用サポートまで、一貫したサービスを提供する予定です。
NRIは今後も、コンダクト・リスク管理の高度化を通じて、金融機関のサービス向上と安全・安心な社会の実現に寄与していきます。
■Behavox CEO兼創業者、エルキン・アディロブ(Erkin Adylov)氏のコメント:
「私たちのミッションは地球上のすべての内部データを整理し、有用なものにすることです。NRIと提携し、日本の組織が行動リスクを特定し、データに基づいた意思決定を行えるようにすることで、より安全で生産性の高い職場環境の構築を支援できることを嬉しく思います。」
■Behavox 日本法人代表取締役、東郷太郎氏のコメント:
「NRIは私たちにとっての最善のパートナーであり、私はBehavoxに参画した初日からこのパートナーシップ締結を目指してきました。NRIのリサーチ、コンサルティング、マネージドサービスの恩恵を受けることで、日本市場に本格的に参入し、日本の金融機関のさらなる法令遵守に貢献できると確信しております。」
<Behavoxの会社概要>
社名 | Behavox Ltd. |
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事業内容 |
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設立日 | 2014年6月 |
本社所在地 | アメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタン |
代表者 | Founder and CEO Erkin Adylov |
日本法人所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目6番5号 |
日本代表者 | 代表取締役 東郷太郎 |
URL | www.behavox.com |
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『金融庁 コンプライアンス・リスク管理に関する検査・監督の考え方と進め方』より
https://www.fsa.go.jp/news/30/dp/compliance.pdf#page=13
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