株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、2022年10月から、企業の経営者の戦略的経営判断を継続的に支援する「UniDox(ユニドックス)」サービス(以下「本サービス」)を提供開始します。
本サービスは、社内外のデータを有機的に連動させ、経営判断に有効な指標の形でモニタリングすることにより、経営者が行う経営判断のプロセスを短期化し、企画開発・調達・製造・販売等、経営に関わるバリューチェーン1全体を最適化することで、市場や消費者の変化への適応力向上を支援することを目的としています。
本サービス開発の背景
昨今、企業の外部環境において、国際情勢変化・経済の不安定化・SNS中心の消費活動・Z世代の台頭等によって、消費者ないし顧客の需要の突発変化・多様化が起きています。一方、社内ではせっかく収集したデータのサイロ化2など、経営者が適切かつ迅速な経営判断を行っていくうえで、妨げとなる変化が生じています。
今後、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく上で、全社横断的に各種のデータを連動させ、それを基盤として経営判断プロセスの短期化と、企画開発・調達・製造・販売等の経営に関わるバリューチェーン全体の最適化を図っていくことが、最も重要な経営課題として顕在化しつつあります。
しかしながら、多くの企業では、技術・マネジメントに関する人材・ノウハウの不足、組織の壁等により、その実現には高いハードルがあります。
本サービスの概要と特長
本サービスは、大きく2つの支援フェーズに分かれます。まず、「①設計~構築フェーズ」では、ETL(Extract・Transform・Load)3、DWH(Data Ware House)4、BI(Business Intelligence)5の3つの機能を保有するクラウドサービスを活用基盤ツールとして導入し、経営戦略指標(KPI)の設計、全社横断型DMP(データマネジメントプラットフォーム)や経営分析ダッシュボード6の設計・構築支援を通じて経営判断プロセスの短期化を実現します。また、「②活用・運用フェーズ」では、構築した経営分析ダッシュボードを活用したコンサルティングによって、経営に関わるバリューチェーン全体の最適化を促進し、市場や消費者の変化への適応力向上を支援します(図1)。
特長1:経営判断プロセスの短期化を支援
本サービスでは、市場や顧客に関するデータや会計データ等の様々なデータを全社横断で連動させ、全社、経営機能別、事業部別、といった経営の視点毎に、戦略や経営論点(イシュー)を数値化した経営指標を紐づけることで、刻々と変化する状況に即した経営判断が実現できます。それらの経営指標を短期(毎日、毎週)で更新し、リアルタイムに近い形でモニタリングできるため、継続的に成長領域や不振な市場を発見し、効果的な施策を実行することが可能となります(図2)。
特長2:経営に関わるバリューチェーン全体の最適化を支援
本サービスにおける経営分析基盤の「活用・運用フェーズ」では、経営分析基盤の技術的な運用・保守にとどまらず、ビジネスモデルの成長や変化に対応しながら、経営戦略指標(KPI)や経営分析基盤の改修・改善を通じて、企業の成長をサポートします。
経営戦略指標(KPI)の設計・改善においては、NRIが独自に開発した経営戦略のKPI化フレーム(Customer Hack Modeling 以下「CHM」)を活用します。これまでのKPI設計の多くが事業や機能毎でのKPI設計に留まっているのに対し、CHMでは企業の状況を子会社、事業、機能等の階層・単位まで詳細に分解し、各階層に応じたKPIを全社経営視点からトップダウンで設計します。それにより、複数の事業体を持つ企業では実現が難しかった、全社横断的な経営戦略のKPI化を実現します。また、定期的なモニタリング、市場顧客ニーズの変化点や事業リスクの検知、それらの原因分析のレポーティングに加え、ファクトに基づいた課題の構造化、経営施策仮説の構築等により、経営に関わるバリューチェーン全体の最適化を支援します(図3)。
NRIはこれからも、UniDoxをはじめとする幅広いDX関連サービスやソリューションの提供を通じて、企業のDX推進や経営の改善を支援していきます。
- 1
バリューチェーン:企業の様々な活動が最終的な付加価値にどのように貢献しているか、その量的・質的な関係を示す概念。
- 2
サイロ化:システムや業務プロセス、データ等が、他部門や他事業部と連携することなく孤立してしまう状態。
- 3
ETL(Extract・Transform・Load):「Extract (抽出)」「Transform (変換)」「Load (書き出し)」の略語。様々なデータベースやシステムからデータを抽出し、扱いやすいフォーマットに変換して、DWH(Data Warehouse)に書き出す一連のプロセス。一般的に、DWHにデータを保存する際の前処理として行われる。
- 4
DWH(Data Warehouse):「Data Warehouse(データウェアハウス)」の略語。様々なシステムからデータを集めて整理するデータの格納場所。
- 5
BI(Business Intelligence):「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略語。ユーザのデータ分析を支援するソフトウェア。
- 6
経営分析ダッシュボード:全社横断型DMP上のデータや設計したKPIを、任意の期間、対象等で自由に閲覧可能なダッシュボード。
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