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民間企業によるポイント・マイレージ年間最少発行額は2026年には1.2兆円を突破すると予測

〜国内11業界の年間最少発行額について、2021年度までの推計と2026年度までの予測を実施〜

2022/11/02

株式会社野村総合研究所

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株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、家電量販店やキャッシュレス決済1、携帯電話など、国内11業界の主要企業2が1年間に発行するポイント・マイレージの発行量を金額換算した「年間最少発行額3(以下、「発行額」)」について、2021年度までの実績推計および2026年度までの予測を行いました。また、2019年度~2021年度は、行政のキャッシュレス促進施策などで発行されるポイントについても推計し、発行額に加算しています。

2021年度の民間発行額は1兆834億円で、昨年度から約5%の増加

2021年度の民間部門における発行額(以下、「民間発行額」)は、2020年度の1兆399億円から約4%増加し、1兆834億円と推計されました(図1)。2020年度から発行額が増加した一因としては、新型コロナウイルス感染症に起因する経済停滞の一部回復が挙げられます。具体的には、航空業界は新型コロナウイルス感染症によって大きな打撃を受けた業界の1つであり、2020年度は前年度から発行額が611億円減少しましたが、2021年度は2020年度から66億円増加しています(表1)。また、新型コロナウイルス感染症に端を発する、「新しい生活様式」への対応や巣ごもり需要の影響を受けているキャッシュレス決済およびECプラットフォーマーの存在も発行額の増加に大きく貢献しており、随所に新型コロナウイルス感染症の影響が表れていると考えられます。

2022年度以降の予測値に目を向けると、民間発行額は増加を続け、2026年度には1兆2,000億円を突破する見込みです。これは、キャッシュレス決済やECプラットフォーマーにおける発行額の継続的な拡大が今後も想定されるためです。また、2020年度と比べて発行額が拡大している航空業界においても、新型コロナウイルス感染症流行以前の水準と比較すると、その発行額は依然として低い状態にあり、今後のさらなる回復が見込まれます。

2021年度の行政主体の発行額は前年度から約6割減の1,579億円、ただし、2022年度には再度増額の見込み

行政が主体となっているキャンペーン・事業によるポイント発行額は、2020年度の3,668億円から約6割減少し、1,579億円と推計されました。発行額減少の主要な要因としては、2019年6月に開始され、累計で約5,000億円の発行額に寄与した「キャッシュレス・ポイント還元事業」の2020年6月での終了が挙げられます。

2021年度は行政主体のキャンペーン・事業として、主に「マイナポイント事業」と「グリーン住宅ポイント制度」が実施されましたが、「マイナポイント事業」は2022年度においても継続的に実施されています。特に、2022年6月30日からは、「マイナポイント第2弾」が開始され、発行額の上限が、従来の一人当たり5,000円分 から4倍の20,000円分 に大きく増加しています。2021年度以前に5,000円分のマイナポイントを獲得済みの人でも、差額の15,000円分のマイナポイントは追加で獲得できるため、2022年度は「マイナンバー事業」による発行額の大幅な増加が予想されます。

図1: 国内におけるポイント・マイレージの年間最少発行額の実績値(推計)と予測値4

出所:NRI

表1: 国内11業界別 2021年度のポイント・マイレージ年間最少発行額と算出の根拠

出所:NRI

今後は共通ポイントの新規参入による発行額拡大も予想される

発行額の推計対象であるポイントは、複数の事業者間で使える「共通ポイント」、グループ企業でのみ使える「グループ内共通ポイント」、当該事業者でのみ使える「ハウスポイント」の3つに区分されます。その中の共通ポイントの動向に目を向けると、PayPayが「PayPayポイント」の外部企業への販売2022年10月以降開始し、新たに共通ポイントの一員になると発表されています。また、CCCグループ(Tポイント)は2022年10月に、三井住友フィナンシャルグループ(Vポイント)との資本業務提携に関する基本合意書の締結を発表しています。すでに各共通ポイント事業者が精力的に加盟店開拓を行ってきたため、今回の動向によって新規にポイントを導入する企業は限定的である可能性が高いものの、決済単価が比較的小さく、PayPayが提供するコード決済と相性の良い総合スーパー・コンビニエンスストア業界や、三井住友フィナンシャルグループが強みを持つ金融分野を中心とした発行額拡大が予想されます。

NRIは今後も、ポイント・マイレージの市場動向を継続的に分析し、ビジネスを促進するポイントプログラムのあり方を提案していきます。

  • 1  

    キャッシュレス決済:クレジットカード・デビットカード・電子マネー・コード決済の4種類で構成。ただし、2018年度以前は、クレジットカードのみで算出している。

  • 2  

    国内11業界の主要企業:国内でポイント・マイレージの発行を活発に行っている11業界(キャッシュレス決済、家電量販店、携帯電話、航空、ガソリンスタンド、総合スーパー、コンビニエンスストア、ECプラットフォーマー、百貨店、ドラッグストア、外食)において、ポイントプログラムサービスを提供中かつ、売り上げが上位の企業。算出の対象社数は表1を参照。

  • 3  

    年間最少発行額:推計するポイント・マイレージの発行額は、各業界で集計対象とした企業の数が限られていること、また、来店キャンペーンなど購買金額にかかわらず発行されるものや、特別会員向けなどの追加発行ポイントを除いていること、加えて、行政主体のポイント発行に関しても、主要な施策のみの集計となっているため、「年間最少発行額」としている。

  • 4  

    実測値(推計)と予測値:行政のキャッシュレス促進施策等で発行されるポイントに関して、2018年度以前は、2019年度・2020年度ほどの大型キャッシュレス促進施策が見られなかったこと、また、過去の本調査で民間のみのポイント発行額を公表済みであることから、推計は行っていない。また、2021年度以降の数値も、今後の政策に大きく影響されることから、推計は行っていない。

  • 5  

    ポイント適用率:各社の総売り上げのうち、ポイントカードの提示などでポイントが付与される(ポイント制度が適用される)売り上げの比率。

  • 6  

    ポイント還元率:ポイントが利用者に還元される際に、その還元額が元の販売金額に占める比率。航空マイルの全額換算については、1マイルあたり1.5円としている。

  • 7  

    決済取扱高:各キャッシュレス決済において決済利用された金額の合計値。ただし、クレジットカードのキャッシング、デビットカードの国内ATMにおける利用額、交通系電子マネーの交通利用額は除外している。

ご参考:調査概要

ポイント適用率
の設定方法
NRIが2015年7月~8月に実施した「NRI生活者1万人アンケート」(有効回答数:10,316人の訪問留置型調査)の結果や、各種公開情報を参考に、個社ごとに5%刻みで設定した。
ポイント還元率
の設定方法
各種公開情報を参考に、最も低い値などを業界基準値として採用した。航空マイルの金額換算については、1マイルあたり1.5円とした。
ポイント・
マイレージ年間
最少発行額
の推計方法
ポイント・マイレージ最少発行額=ポイント付与の基本指標となる数値×ポイント適用率×ポイント還元率。
有償旅客マイル 有料で搭乗する旅客ごとの飛行距離の総和。
マイナポイント
関連発行額
の推計方法
公表されているマイナポイント申込数から既存発行額を算出。
Go To Eat
キャンペーン
の集計方法
Go To Eatキャンペーンの内、オンライン飲食予約によるポイント付与のみを集計。

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お問い合わせ

ニュースリリースに関するお問い合わせ先


株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡、梅澤
TEL:03-5877-7100
E-mail:kouhou@nri.co.jp

本件調査の担当


株式会社野村総合研究所 CXコンサルティング部 松原、冨田