フリーワード検索


タグ検索

  • 注目キーワード
    業種
    目的・課題
    専門家
    国・地域

NRI トップ ニュース ニュースリリース一覧 2040年度の新設住宅着工戸数は55万戸に減少

2040年度の新設住宅着工戸数は55万戸に減少

~ただし、人手不足により、住宅建設技能者一人当たりの生産性は約1.3倍に引き上げる必要あり~

2023/06/22

株式会社野村総合研究所

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、日本における「2023~2040年度の新設住宅着工戸数」、「2022~2040年のリフォーム市場規模」、および「2025~2040年の住宅建設技能者数1」を推計・予測しました。主な予測結果は以下のとおりです。

新設住宅着工戸数(2023~2040年度)

新設住宅着工戸数は、2022年度の86万戸から、2030年度には74万戸、2040年度には55万戸と減少していく見込みです(図1)。
利用関係別2に見ると、2040年度には持家15万戸(2022年度25万戸)、分譲住宅12万戸(同26万戸)、貸家(給与住宅を含む)28万戸(同35万戸)と、いずれも漸減する見込みです(図2)。

リフォーム市場規模(2022~2040年)

広義のリフォーム市場規模3は、今後もわずかながら成長を続け、2040年には8兆円台後半となる見込みです(2021年は約7.6兆円)。狭義のリフォーム市場規模は、それより約1兆円小さい規模と見込まれます(図3)。

住宅建設技能者数(2025~2040年)

建設業に時間外労働の上限規制が適用される2024年が目前に迫り、住宅建設の担い手不足にさらに拍車がかかることが懸念されています。NRIでは日本標準職業分類をもとに、住宅の建設に関わる職業をまとめて「住宅建設技能者」と定義し、その人数を推計・予測しました。2040年の住宅建設技能者数は、高齢化等により、2020年(約82万人)の約6割にあたる約51万人まで減少する見通しです(図4)。
この減少ペースは新設住宅着工戸数に比べて速いため、2040年における「住宅建設技能者1人あたりの新設住宅着工戸数」は、建設技能労働者4の過不足率5が0付近だった(過剰も不足もしていなかった)2010年比で約1.3倍の約1.1戸/人となり、働き手の負荷が高まるとみられます。そのため、建設現場の生産性を約1.3倍に引き上げなければ、需要を賄えなくなる可能性があります(図5)。

まとめ

新設住宅着工戸数は現在の減少傾向が維持され、2040年度には約55万戸(2022年度比約36%減)にまで落ち込む見通しです。加えて、住宅建設技能者数も減少を続け、2040年には約51万人(2020年比約37%減)となる見通しであり、住宅市場は需要の減少と供給力不足が同時に進行する状態となります。
過去、住宅需要と供給力のバランスがとれている時期における「住宅建設技能者1人あたりの新設住宅着工戸数」は年間約0.8戸/人でしたが、足元では既に約1.0戸/人まで上昇しており、2025年以降は約1.1戸/人という深刻な人手不足状態が続くと見込まれます。
2040年度の約55万戸の需要を満たすためには、約1.3倍の生産性向上が求められます。直近10年間、建設現場では様々な生産性向上に向けた取り組みが行われてきたにもかかわらず、人手不足問題が解消されていないことを踏まえると、今後は現場レベルの取り組みを超えた、業界を挙げての思い切った改革が必要となると考えられます。

(注)本リリース中の数値は四捨五入等の処理を施した数値を記載している旨、ご留意ください。

図1:新設住宅着工戸数の実績と予測(全体)

出所)実績値は国土交通省「住宅着工統計」より。予測値はNRI。

図2:新設住宅着工戸数の実績と予測(利用関係別)

出所)実績値は国土交通省「住宅着工統計」より。予測値はNRI。

図3:リフォーム市場規模の実績と予測

出所)実績値は住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォームの市場規模(2021年版)」より。
予測値はNRI。


出所)実績値は総務省「国勢調査」より。予測値はNRI。

図5:建設技能労働者の過不足率(上図)、住宅建設技能者1人あたりの
新設住宅着工戸数の実績と予測(下図)

出所)実績値は総務省「国勢調査」、国土交通省「住宅着工統計」より。予測値はNRI。

  • 1  

    NRIが独自に算出した住宅の建設に関わる職業の就業者数。日本標準職業分類をもとに、住宅の建設に関わる職業をまとめて算出している。

  • 2  

    利用関係別:
    住宅着工統計上の区分で、持家は「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」、分譲は「建て売りまたは分譲の目的で建築するもの」、貸家(給与住宅を含む)は「建築主が賃貸する目的で建築するもの」を指す。

  • 3  

    広義と狭義のリフォーム市場規模の定義:
    狭義のリフォーム市場規模は、「住宅着工統計上『新設住宅』に計上される増築・改築工事」および「設備等の修繕維持費」を指す。
    広義のリフォーム市場規模は、狭義のリフォーム市場規模に「エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額」を加えたもの(住宅リフォーム・紛争処理支援センターより)。

  • 4  

    建設技能労働者:
    国土交通省の定義する労働者の枠組みであり、「建設工事の直接的な作業を行う、技能を有する労働者」とされている。

  • 5  

    過不足率:
    国土交通省による「建設労働需給調査」で公表される建設技能労働者の充足状況を指す。建設業者を対象として、確保したかった労働者数に対する過不足を調査している。本稿で掲載している過不足率としては、8職種(型わく工(土木・建築)、鉄筋工(土木・建築)、左官、とび工、電工、配管工)の合計値(季節調整値)を採用した。また、各年の値は国勢調査の調査時点に合わせ、10月の値を代表値として採用している。

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

お問い合わせ

ニュースリリースに関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡、梅澤
TEL:03-5877-7100
E-mail:kouhou@nri.co.jp

本件に関するお問い合わせ


株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部 大道、御前、青木、村井、戸田、大西