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流通ソリューション事業の歩み

流通ソリューション事業の起源は、1978(昭和53)年、当時店舗数が400を超えたセブン-イレブンから発注システムの開発運用を受託したことである。
コンビニエンスストアという流通業界におけるビジネスモデル革新を、ITにより実現し続けてきたその歩みを紹介する。

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流通ソリューション事業の立ち上げ期

セブン– イレブンのシステム開発・運用を受託

株式会社セブン– イレブン・ジャパン(セブン– イレブン)(当時、株式会社ヨークセブン。78年に社名変更)は、株式会社イトーヨーカ堂のグループ企業として設立され、1974(昭和49)年、東京都江東区にコンビニエンスストアの1号店をオープンさせた。以来、同社は、イトーヨーカ堂の情報システム部にシステムの開発および運用を委託していたが、出店の拡大に伴って事務処理量が大幅に増加し、システムがそれに追いつかなくなってきていた。
そこで、78年、当時約400店という規模だった同 社は、外部の専門会社にシステムの開発および運用を委託する方針を決定し、その委託先としてNCC(野村コンピュータシステム。後にNRI)を選定した。
NCCが同社から受託したのは、「第1次店舗システム」の「新発注システム」である。それまで、同社の加盟店は、商品の発注を本部に送り、本部がそれをまとめて、ベンダーに発注していた。この方式には、伝票発行が大量になるなどの課題があったため、同社はそのシステム化を検討していた。同社は、当時、業務用に出回り始めていたFAXを使っての発注も検討していたが、NCCの助言のもと、コンピュータを使った情報システム化を進めることにした。NCC は、同社の担当者と白熱した議論を行い、コンピュータを使った発注システムの構築に大きく貢献したのである。店舗と本部を結ぶオンラインを日本電気株式会社(NEC)が担当し、ベンダーとの間の伝票発行も含めたオンライン発注処理ができるセンター側のシステム構築をNCCが担当した。
なお、79年は、セブン– イレブンとNCCの関係において1つのエポックをなす年であり、同年2月、NCC は同社システムの開発から運用に至る業務を全面委託された。以降、現在に至るまで、同社のシステム化の最大のパートナーとして大きな役割を果たしてきている。

 

日本初の受発注ネットワークシステム

当時、オンライン専用回線と公衆回線の接続や異なる企業間でのオンラインネットワークは、法律によって制限されており、そのままセブン– イレブンとベンダーをネットワークで接続することができなかった。そこで、同システムでは、米国のGeneral Electric Company(GE)の国際ネットワークサービスを利用することとなった。これは、日本において初となる受発注ネットワークであり、その後の日本の受発注ネットワークシステムの先駆けとなった。稼働したのは、79年8月のことである。この経験は、後のNCCのVAN(Value Added Network:付加価値通信網)サービスで活かされることとなる。
その後、82年10月、法律改正により、企業間相互 のデータ交換が解禁となる。これに合わせ、セブン– イレブンは改めて専用ネットワークを構築した。同社とNCCが手がけたシステムが、日本の企業間ネットワークの歴史を変えることになった。
この受発注ネットワークシステムにより、セブン– イレブンは、発注からベンダー配送までの時間を、従来の翌々日配送から翌日配送に短縮することに成功した。また、売れ筋商品の発注精度を高めることで、同社の成長に貢献することとなった。
このほか、NCCは、同社の第1次店舗システム開発において、会計システムと経営情報システムの開発も行っている。会計システムについては、発注業務のコンピュータ化により、注文データを先行記録とするターン・アラウンド方式が可能となり、仕入計上処理の効率を上げてデータの精度を大幅に向上させることに成功している。

 

日本初のPOSシステム導入

82年に入ると、セブン– イレブンは、「第2次総合店舗情報システム」の構築に着手する。その中で、NCC は日本で初となる「POS(Point of Sales)システム」を手がけることとなった。
78年以来、セブン– イレブンは、発注の精度向上や物流の効率化に取り組み、着実に加盟店の平均日販(1日の平均売上高)を伸ばしてきたが、その伸びが一時鈍化しかけたため、その打開策として検討されたのが、第2次総合店舗情報システムである。売れ行きのよくない商品をいかに排除し、限られた陳列棚の有効活用につなげるか。その手段として採用されたのが、POSシステムであった。
当時、米国ではすでにPOSシステムの導入が進んでいた。しかし、その目的はレジ精算の迅速化・不正防止に過ぎなかった。同社は世界で初めて、POSをマーチャンダイジングに活用することを着想したのである。
同社がPOSレジスターを導入したことに伴い、NCCは、バーコードラベル発行システム、PLU(Price Look Up)マスター作成、そして同システムで最も重要なPOS分析システムなどを手がけた。
POS分析システムの開発は、当時のコンピュータの能力では、処理できないほどの情報量を扱うものであり、大変な苦難を伴うものとなった。NCCは、データの並べ替えを極力行わないなど、プログラムのスリム化に努めることで、この難題を解決することに成功した。また、今では当たり前になったが、全商品にバーコードを印刷しなければならず、各メーカーの理解も必要だった。NCCのメンバーもメーカーに対する説明に協力し、理解を促したのである。

 

公共料金収納代行サービスの提案とその実現

NCCにとって重要顧客となったセブン– イレブンは、84年末、処理データの増加やサービスの高度化・多様化への対応と、POSシステムによる情報の活用を目的として、「第3次総合店舗情報システム」の開発をスタートさせた。膨大な分析データをグラフ化して分析する店舗グラフィック端末は、同社の分析業務を大きく変えることとなった。また、NRIは、日曜発注、デリカフーズの即日・1日3回納品、ガス・電力料金収納代行サービスなどへの対応も行った。
中でも、電力を中心とする公共料金収納代行(87 年10月)サービスの開始では、NCCも一翼を担っている。東京電力に対するコンサルティングの中で、都内での電力料金収納に苦労しているとの話があった。昼夜空いているコンビニエンスストアで料金を収納代行できればこの問題が解決するだろうと、東京電力に提案したことが契機になって検討が始まり、かつその意向を受けて、セブン– イレブンを推薦し斡旋したことで、サービス実現への具体的な検討が始まったのである。バーコードを記載した払込票を突貫工事で作成し、3カ月後にはサービスを開始した。この仕組みはその後、公共料金はもとより、他のさまざまな業務で使用されるようになり、現在では、他のコンビニエンスストアはもとより、海外でも広く使われている。
しかし、このような急成長および店舗でのさまざまなサービスの拡充により、同社の基幹システムは、ハード・ソフトの両面で実際の要請に応えられなくなっていた。これを受けてNCCは、7,000店舗を想定したシステムの抜本的再構築を行い、88年10月に、「会計システム(フェーズ1)」を稼働させた。こうして、第3次総合店舗情報システム開発は、89年にすべてのシステムが無事リリースされた。

 

流通ソリューション事業の本格的な成長期

全国ネットワークの実現と高性能データベースが流通改革を促す

1988(昭和63)年1月の合併により誕生した新生NRIは、90(平成2)年、業務の効率化とネットワーク基盤のインフラづくりを目的とした、セブン– イレブンの「第4次総合店舗情報システム」の開発に着手した。これは、日本の流通業界に革命を起こし、その後の同社のビジネスモデルを確立する画期的なものとなった。90年8月の「新店舗システム」、92年4月の「新型POSレジスター」、92年6月のUNIXワークステーションを中心とするCSS(Client ServerSystem)方式による分散処理システム、そして、本格的なダウンサイジングの第一歩となった「POS情報システム」などもその一環である。この時期、国際カタログ販売対応も行っている。
当時のネットワーク回線の通信速度は1,200bps、 公衆回線を使用しても9,600bpsに過ぎず、また、高い回線料対策として、仙台、大阪、福岡など全国6 カ所にNECのACOSを設置しノードコンピュータとしていたが、本格的なデータ通信には脆弱であった。このため、POSデータをフロッピーディスクに日々記録して店舗から回収していたため、時間的ロスが大きな課題となっていた。そこで64kbpsという通信速度で通信可能なISDN(Integrated Service Digital Network:統合サービスデジタル網)の採用が決定された。専用線を引けばよいという意見もあったが、費用対効果を鑑みISDNがよいという判断であった。
この時点におけるISDNの契約数は、国内の利用回線の総数でも約4,000回線に過ぎず、しかもそのほと んどがシステム関連企業で、実質的に試験段階のものであったが、NRIは独自の通信プロトコルを作成するなど技術的な課題を克服し、ISDNによる全国ネットワークを実現させることに成功した。
このISDNにより、セブン– イレブンでは、POSデータが当日中に本部に送られ、翌日の朝には情報分析を行えるようになった。加えて、商品情報や催事・気温変化などに応じた商品の動きの変化を先行的にアドバイスする文字情報の提供など、店舗内でレベルの高い発注・単品管理を行う仕組みを実現させた。また、店舗・ベンダー・本部間でやり取りされる大量のデータをリアルタイムで伝達することにより、本部が直近の情報を把握できるため、商品調達や店舗への情報発信が迅速化された。
これに伴い、本部情報システムには、データベースとしてOracleが導入された。ここで構築されたデータベースは、当時のデータベースとしては世界一の規模・性能であった。特に注目されるのは、91 年4月にリニューアルされた同社の新ネットワークシステムを活用した「POS情報システム」である。このシステムは、翌日には商品の売れ行き分析結果がわかるため、メーカーが実勢に即したより精度の高い生産計画を立案することを可能にしたのである。セブン– イレブンのその後のビジネスモデルを確立し、メーカーから小売に主導権が移るという流通改革を促すことになった画期的なシステムであった。実際、セブン– イレブンの各店舗の平均日販の推移をみると、この時期に一段と伸びて他社を引き離している。
なお、このネットワークは、ISDNの全国的普及を目指すNTTグループにとっても大きな存在であり、セブン– イレブン、日本電信電話株式会社(NTT)、NRI3社の共同プロジェクトとして推進され、3社共同による新聞全面広告も大きな話題となった。NTT は、セブン– イレブンの店舗がある地域にISDN回線を順次設置する戦略で、全国的なISDNによるネットワーク網を整備していった。
また、通信速度が約30倍になって、センターのコンピュータに要求される能力が莫大なものになることが予想されたため、フォールトトレラント(Fault Tolerant:構成部品に障害が発生しても正常な動作 を継続する)なコンピュータ「ストラタス」を採用した。これに関しても、技術的に意義深いものがある。システム運用の自動化が進み、オペレーションミスをなくしたこと、また、ISDNによって回線使用料が下がり、ノードコンピュータが不要になったのである。さらに提供できる情報量が増えることで、パートタイマーやアルバイトでも簡単に使える利便性の高い店舗フロントシステムの実現を支えた点も高く評価された。
こうした実績が評価される形で、NRIは、セブン– イレブン・ハワイ(SEVEN-ELEVEN HAWAII,INC.)の総合システムの開発・運用も受託することとなり、91年7月に「POS情報システム」、92年3月に「発注システム」をそれぞれ稼働させた。さらに、同社の海外展開に伴い、92年6月に、米国サウスランド社(The Southland Corporation)(現 セブン– イレブン・インク〈7-Eleven, Inc.〉)のシステム支援に関するプロジェクトが開始され、97年7月まで現地でのプロジェクト支援を続けるとともに、基幹システムの構築を行った。この間、93年8月には、台湾のセブン– イレブンのPOSをはじめとする営業系システムのシステム化計画を受託した。
これらは、流通分野におけるNRI初の海外システム構築事業であり、現地の流通事情の把握や現地ソフトウェアハウスとの共同作業、国際VANの利用や、IBMのワークステーション「RISC6000」を採用し、RDB(リレーショナルデータベース)を取り入れたアプリケーションを構築するなど、さまざまな知識・技術・ノウハウが蓄積されることとなった。

 

将来の1万店舗を見据えた次世代システム基盤の確立

セブン– イレブンは、システム化の方向として、① 変化への対応とそのための「データに基づく業務展開」、②単品管理の徹底、③社内・グループ内・取引先との情報共有化によるチーム・マーチャンダイジングやグループ仕入れの推進、④マネジメント機能のシステムへのビルトイン、⑤グループシステム資産の活用による全社レベルアップ、を打ち出し、その下でNRIは、現行システムの安定運用と再構築テーマの迅速な推進、最先端の技術力・システム構築力の発揮、ニーズを理解したビジネスソリューションの提案などを求められた。
同社は、旺盛な新規出店を続け、93年2月に5,000 店舗を突破しており、NRIは年間2,000件近い業務上 のテーマと、それに基づくシステム上の要請に着実に応え、強固な信頼関係を築いていた。これを踏まえ、93年9月、同社は世界でも最先端のシステムとなる、将来の1万店舗を見据えた「第5次総合店舗情報システム」の検討を開始した。
この中では、オープン化をさらに進めるため、「オープン化検証プロジェクト」として、大量データをUNIXサーバーでバッチ処理する方式の研究が行われた。その結果、メインフレームで1時間かかるデータ処理を10分で完了させるめどをつけるなど、画期的な技術革新が進められた。第5次総合店舗情報システムは、95年1月に第1弾「店マスターエントリーシステム」がリリースされ、同年3月には基幹となる新発注システムの開発がスタートした。同プロジェクトは、業務系システムの再構築と次期ネットワークシステムの構築の双方から推し進められていく。

業務系システムの再構築は、「会計システム」(95年10月)、「取引先端末システム」(96年7月)、「発注システム」(同年10月)、「マルチメディア情報発信システム」(97年10月)などが稼働していった。
一方、次期ネットワークシステムは、動画や音声などのマルチメディア情報を店舗に配信するために衛星通信を利用するほか、地上系ネットワークでは能力向上とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)強化が図られ、携帯端末の導入、グループウェア環境の構築などが盛り込まれた。97年4月に「地上系集配信システム」が稼働したのをはじめ、同年5月には経営指導員に対するモバイル・パソコンの導入が開始され、「衛星ネットワークシステム」なども順次リリースされていった。
これらのシステムは、オープン化を強く指向し、マルチメディア、3テラバイトを超える巨大データベース、データマイニング、高速のLAN・WANなど最新技術を駆使して、システム化が難しく人に頼ってきた定性的業務をも一気にシステム化する挑戦的なもので、次世代の強固なシステム基盤が確立された。

 

全店舗へのATM設置提案とその実現

1998年、NRIはセブン– イレブンの全店舗へのATM設置を提案した。87年10月に、セブン– イレブンが東京電力株式会社・NCCとともに公共料金収納サービスを開始して以来、コンビニエンスストアでは、利用者の利便性追求と競争力強化を目的に、さまざまなサービスの開発を進めていた。セブン– イレブンでも、店舗にATMを設置することの必要性を認識しており、「ATMシステム」の設計が開始されることとなった。
コンビニエンスストアに設置されるATMは、個別の銀行と比較して設置台数が多く、大量の取引件数の発生が予想された。また、24時間365日のノンストップ稼働や、店員に依存しない遠隔からの一元管理、現金の搬出入を担当する警送・警備会社との連携も必要になった。
大規模なATMシステムの構築は、NRIにとって初の経験であったが、それに加えて株式会社アイワイバンク銀行(現 株式会社セブン銀行)設立構想が明らかになり、このプロジェクトは単なるATM設置にとどまらず、銀行設立とそれに伴うシステム構築の一部として位置付けが拡大された。
NRIは、「銀行提携対応支援システム」および「中継センターシステム」の構築に加え、「店舗ネットワーク」「対外接続ネットワーク(銀行、ATMコールセンター、警送・警備センター、保守センター)」構築などを担当した。2001年5月、約1年間の総合テストを経て運用を開始したATMシステムは、トラブルもなく順調に稼働した。
当初、プロジェクトは流通システム担当部門が推進したが、金融業務で求められる品質を実現することを目的に、金融システム担当部門に引き継がれ、その後、組織の枠を超えた全社的案件に発展した。プロジェクトの完遂によって、顧客からの信頼はより強固なものとなり、セブン銀行の「勘定系システム」の運用・開発の受託につながった。

 
ECビジネス展開の端緒となった セブンドリーム・ドットコムシステム

2000年2月、セブン– イレブンを中心に、NRIを含む全8社の合弁事業として「株式会社セブンドリーム・ドットコム」が設立された。新会社は、セブン–イレブンの店舗網とインターネットを融合させた本格的なECビジネスを展開することを目指していた。
NRIは、インターネットビジネスに対するリサーチ・コンサルティング面からのビジネス構築、ナレッジソリューション事業で蓄積したノウハウの提供、およびECビジネスのセンターシステムの開発・運用を通し、新会社をサポートしていくこととなった。
98年にセブン– イレブンとともに調査検討プロジェクトをスタートさせ、99年6月にはECビジネスプロジェクト室を発足させて新たなビジネスモデルの構築を進め、商材コンテンツの開拓も行った。システム構築では事業の中軸であるECセンターを担当し、マスター管理や会員管理、注文・決済、発注・物流、会計、情報分析など基幹システムの各システムの開発と運用を行った。
中でも、2000年7月にリリースされたセブンドリーム・ドットコムの「インターネットシステム」は、当時としては世界にも類例のない日本型ECサイトとなった。また、それに先立つ99年11月には、「セブン– イレブンインターネット決済サービス」を開始した。当時、国内ではECの普及は緒についたばかりで、一般ユーザーにとってはカード決済に対する抵抗感が高いハードルとなっていた。セブン– イレブンの店頭での支払いや、商品の受け取りを可能にするなど、ハードルを下げ利便性を高めたことで、国内のEC普及の一翼を担うことができた。
また、お食事配達サービスの「セブンミールお届けサービス」が2000年9月に始まり、それに対応した。この当時は、それまでECビジネス進出の機会を模  索していたさまざまな企業が参入を始めた時代であり、まさに大きな変革期であった。この時期に自ら本事業に参画したことは、NRIにとって、ECビジネスにおいてコンサルティングとシステムの両面で顧客から信頼を得る上で大きな意義があった。

 

「IT Japan Award 2007」(第1回)で経済産業大臣賞(グランプリ)を受賞

03年から導入が開始されたセブン– イレブンの「第6次総合店舗情報システム」(03年~ 07年に順次リリース)では、①店舗運営の精度を一定にして、さらに発注精度を向上させる、②決済サービス等の新しいサービスに耐えうる基盤を充実させる、などが課題となった。
「本部情報システム」のデータは、従来、POS・発注・欠品・廃棄・客層・在庫・天気等であったが、新たに店舗の立地データと施設データが追加された。店舗を立地特性で分類し、店舗の周辺施設を登録する。これによって、個店の立地を踏まえた詳細な販売動向が把握できるようになった。また、店内に無線LAN を構築したほか、会計システムやマルチメディア情報発信システムも再構築した。
ネットワークは光ファイバーベースの高速IP回線に統合した。このネットワークは、07年3月にサービスを開始した電子マネー nanacoを支える基盤としても活用されている。
この第6次総合店舗情報システムは、日経BPが主催する「IT Japan Award 2007」(第1回)で経済産業大臣賞(グランプリ)を受賞している。受賞理由は、電子マネー nanacoをはじめ、最適発注の精度を高めた店舗システムや、各店舗の収益性を高める本部システムを開発したプロジェクトマネジメント力と、システム運用の品質などが評価されたためであった。
また、07年3月、セブン– イレブンは、食品を中心としたインターネットショッピングサービス「セブン– イレブンのお取り寄せ便」サービスを開始した。これは、全国の店舗網を活かし、店頭決済、店頭商品受け取り可能なネット通販事業である。なお、同サービスは、08年7月、「セブンドリーム・ドットコム」とともに、約3,000アイテムの酒類を中心に拡充された「セブン– イレブンネット」に集約された。こうしたネット通販事業に対するさまざまな取り組みが実験的に行われたのち、同社は、09年12月、「セブンネットショッピング」にサイトを統合し、セブン&アイグループの流通クラウドポータル構想実現への取り組みを始めている。このほか、同社は、10年2月から、住基カードによってマルチコピー機を利用し「住民票の写し」「印鑑登録証明書」を発行できるサービスを開始したが、ここにおいてもNRIは、専用ネットワークおよび高度なセキュリティ中継サービスを提供している。
さらに同社は、10年9月には、国際決済サービス「POSA(Point of Sales Activation)」をスタートさせている。nanacoと異なり、その認知度は高くないが、具体的には、店頭で販売されている「iTunes Card」などのプリペイドサービスを実現するシステムである。これは、米国の決済ネットワークに接続し、認証を行った上で有効化し、現金と同様に使用できるようにするものである。開発が始まってからわずか1年足らずでシステムを完成させ、サービス開始にこぎつけた。
このほか、スポーツ振興くじ「toto」の取り扱い(10 年10月)、無料ワイヤレス通信サービス「セブンスポット」(11年12月)など、次々と新サービスを打ち 出し続けている。

 

社会インフラとしてコンビニを支えるシステム基盤

15年現在、コンビニエンスストアは物品の販売のみならず、種々の支払い代行、商品の受け取り、受験の申し込みなど、サービス商材のラインアップを拡充させており、一種の社会インフラとしての役割を担っている。これらのサービスを支えるシステム基盤の重要性は高まる一方であり、加えて24時間365 日無停止での稼働という厳しい条件にさらされている。その社会的影響力の大きさから、コンビニエンスストアのシステム基盤には性能面、安全面に加え安定的な運用品質が求められるようになった。
業界トップのコンビニエンスストアであるセブン– イレブンのパートナーとして、システムの開発・運用を受託しているNRIは、システム面において、社会インフラとしての同社に大きく貢献している。

 

(『野村総合研究所創立50年史』より抜粋、一部加筆)

 

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