資産運用会社向けのグローバルIBOR(Investment Book of Record※)ソリューションです。海外拠点を複数抱えていて残高データが統合されていない場合やこれからグローバル展開を進める場合、T-STAR/GVは、24時間365日稼働で拠点間の迅速なデータ連携を可能にし、正確でほぼリアルタイムのIBORをフロントオフィスに提供します。
また、国内外、単一拠点、複数拠点にかかわらず、運用者向けに統合されたデータの提供が可能なため、ファンドマネージャーの投資の意思決定の即時化・高度化に貢献します。
※IBOR:ポートフォリオの最新の全取引や残高など、ファンドマネージャーが必要とする鮮度の高い情報
概要
T-STAR/GVは、IBOR(ポートフォリオの最新の全取引や残高といったファンドマネージャーが必要とする鮮度の高い情報:リファレンスデータ管理、データ分析)を提供します。
海外拠点等、複数個所で運用を行っていたり、運用規模が大きく(特に顧問)、パッシブやクオンツ・ファンドなどリアルタイムに残高を把握したいというニーズに応えることが可能です。
また、安定的なIBOR提供とポストトレード業務のためには、各拠点内、および、拠点間にまたがるバックオフィス業務(ポストトレード、資産運用会社が運用するファンドのポジション管理、キャッシュ管理)の全体効率を高めることや、業務の品質を保ちオペレーショナルリスクを低く抑えることが必要です。T-STAR/GVはこのようなビジネスプロセス全般の課題にも対応します。
大手年金など先進アセットオーナーでは最新ポジションを把握し、リスク管理を行う動きもあり、そのポジション提供にも活用いただけます。
導入企業業種
外資系および日系資産運用会社、アセットオーナー
特長
1. タイムリーな残高情報連携によるグローバル運用基盤の確立
各運用拠点の取引情報をリアルタイムにT-STAR/GVへ集約し、グローバルにポートフォリオと現金を一元的に管理することで、どの拠点の運用部門からも常に最新の残高情報を取得し、投資判断に活用することができます。
これにより、ファンドマネージャーの運用業務効率は向上し、また、ポートフォリオニーズに沿ったレポートや一元的なリスク管理、コンプライアンスチェックへの適用も見込めます。
2. ビジネスプロセス標準化による全体効率の向上
IBOR残高がフロントオフィスに供給されることにより、ファンドマネージャーがEUC等を使い手元で最新残高を管理する業務は、なくすことができます。
T-STAR/GVの導入過程では、グローバルな視点から、全体効率を追求した統合的なビジネスプロセスを設計・構築します。複数のバックオフィス、カストディアンからのデータも接続し、高度に自動化されたリコンサイル機能(IBORとの突合、補正)により、常に正確なポートフォリオ、現金データを保持します。
また、全ポートフォリオ、全資産、全拠点の業務が可視化されることで、継続的なビジネスプロセスの改善活動が効率的に可能となります。
3. グローバルシステム運用サービス
グローバル・オペレーションにも対応するため、NRIのデータセンターでは、24時間365日、システム運用管理をサポートする体制を整えています。ISO20000の認証を取得し、国内で高い評価を得ているNRIのシステム運用サービスが、安定した業務基盤を提供します。
4. グローバル標準のアーキテクチャ
データベース、ビジネスロジック、ウェブアプリケーションの三層構造を採用し、ビジネス拡大に応じて層単位でのスケールアウトを実現します。また、リッチクライアント端末による高い操作性、メッセージング処理によるコンポーネント間の高い独立性を確保するなど、グローバル標準の技術を導入しています。
活用イメージ
- 一つのデータベースに情報を集約し、最新の情報をグローバルに利用できる仕組みにより、拠点をまたいだ複雑なビジネス案件にも柔軟に対応できます。また、リファレンス、取引、残高など全ての情報を一元管理するため、拠点間で情報の整合性を維持するための業務は不要になります。
- T-STAR/GVは、資産運用会社向けトータルソリューションである「T-STARファミリー」と、柔軟かつシームレスに連携します。NRIのトータルソリューションのコンセプトに基づいて、全体最適を考慮したサービスが利用できます。
サービス体系
※特定機能のみのご提供も可能です。
属性管理
- ファンド属性、銘柄属性、アクセス制御、ユーザー管理、各種情報のデータ管理・参照
※銘柄属性は、発行体や、格付などまで管理可能 - インデックス、ベンチマーク、金利、為替、時価、コーポレートアクション等の市場系データも管理可能
- 多種類の情報ベンダーのデータを管理して、属性情報のクレンジング機能
約定管理
- 株式・債券売買、為替、NDF、先物、各種取引記帳
- 約定自動照合(Omgeo Central Trade Manager、TradeSuite)
- Excelを利用した取引一括アップロード
精算管理
- 現物、為替、先物等、ひととおりの精算指図送信(SWIFT MT54x, MT304, 202, 210)
- MT545,547,548など照合のステータスや、FAIL状況の管理が可能
- 取引ステータス(指図送信・未送信)のモニタリング
- 外部委託先やカストディ等からSWIFTフォーマットで、約定データの取り込み可能(MT54x、304、300)
ポートフォリオ管理
- IBOR残高管理(リアルタイムの残高、評価、全資産を一括で参照でき、NAVも管理、実現損益も更新)
- 未実現損益、先物為替評価、先物評価、債券未収利息計算など
- SWIFT等を利用した高度なリコンサイル機能(対カストディ、会計システム等)
キャッシュ管理
- 資金予定管理
- 入出金(過日、当日、先日付)管理
- SWIFT等を利用した高度なリコンサイル機能(対カストディ、会計システム等)
権利処理
- 多種イベント対応(分割、併合、ボーナス、スピンオフ、ライツ、配当金、利金、償還など)
- 残高変更またはイベント変更時のエンタイトルメントの自動再作成
- 配当金の自動照合(SWIFT MT566)
- 選択権付きイベントの管理(Rights Exercise、Dividend Re-investment Planなど)
会計処理
- ABOR残高管理
※Accounting Book of Record :日次の確定したマーケット/取引情報に基づくポートフォリオにおける確報ベースの会計情報 - NAV算出(フロントコンプラチェック用)
- 締め処理、顧客向けファンド会計レポート(英語)
- パフォーマンス計算システムへのデータ連携
その他
- 例外(エラーデータ)管理
- 定型レポートのオンライン実行
- ダッシュボード機能(ワークフロー機能や、検索条件の保存やレポートの自動作成機能)
- ユーザーIDごとの、画面レイアウト、帳票の項目カスタマイズが可能、帳票は多彩なフォーマットで出力可能
- リファレンス(コードタイプ)の違いを吸収するなど、変換基盤機能(メッセージングハブ)も搭載し、SWIFT、Excel、XML、TEXTなど各フォーマットの変換が自在に可能
- IBOR/ABORの取引残高や属性情報のデータウェアハウスとしての蓄積機能や、それをViewとして公開する機能や取り出すためのAPIもあり
NRIのソリューションを活用したイメージ図
※T-STAR/GVは(株)野村総合研究所の登録商標です。
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資産運用サービス事業一部
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