VOLCS(フォルクス)※は、基幹系システム等の既存システムでは柔軟な対応が難しい3つの機能-仕組債や店頭デリバティブ等の商品性が複雑な「期日管理」、高度化が求められる「資金管理」、「為替管理」-を、外部システムとして提供し、当該業務をサポートします。(各機能は単独利用が可能です。)
※VOLCS(フォルクス):多目的金融取引管理システム「Visualized OTC Products and Liquidity Control System」の略称
概要
仕組債や店頭デリバティブの「期日管理」業務を支援
仕組債や店頭デリバティブ取引は、高い利回りが期待でき、かつニーズに応じたオーダーメイドの商品組成が可能なため、富裕層をはじめとする投資家から注目されています。投資家ニーズに沿った新商品への素早い対応も求められる一方で、これらの商品の期日管理業務は、取引毎に異なるオプション条件のチェックや複数マーケットを参照する休日調整などが複雑な上、精緻な金額計算等が必要なため業務負荷が高くなっています。本ソリューションでは、取扱量拡大時の業務負荷の軽減とスピーディーな新商品対応が可能な機能を備えており、ビジネス拡大を支援します。
金融取引や企業活動に伴って発生する「資金管理」業務を支援
国際的な決済期間の短縮や日銀の政策変化、企業活動の多様化・グローバル化、決済システムやルールの変更などへの対応を含めて資金繰りをはじめとする一連の資金業務は、高度化が求められる重要な業務にもかかわらず、各部署に散在するデータ収集の非効率さ、資金繰りに必要な入出金予定情報の属人化、手管理によるリスクなどの課題があります。本ソリューションでは、資金データを一元管理し、迅速な資金繰りと正確な資金決済を支援します。
金融取引や為替カバーにより発生する「為替管理」業務を支援
外貨建証券とそれに係る為替取引は(以下、証券為替)、投資家にとっては高金利と為替差益が期待でき、証券会社にとっては為替スプレッド分が確実な収益として見込めます。しかし証券為替業務は、為替取引と様々な外貨建資産の取引等を管理する必要があり、さらに各部署に散在するデータ収集の非効率さ、予定情報の属人化、手管理によるリスクなどの課題があります。また証券会社各社ごとに管理対象となる商品や管理方法が異なり、システムでは柔軟な対応が求められます。本ソリューションは、証券為替業務の負荷の軽減、各社ごとの管理対象に対応可能な設定機能により、ビジネスの拡大を支援します。
導入企業業種
業務のリスク削減、効率化および仕組債等の取扱量拡大等を実現したいと考える、金融機関や事業法人
受賞
特長
期日管理機能
①複雑な業務の自動化・可視化による業務負荷やオペレーションリスクの軽減
- 休日変更に伴う、利率確定日、精算日、およびノックインなどの条件判定日などの休日調整を自動化しています。(海外休日情報の自動取得機能:オプション提供可)
- 複雑なデジタル型のクーポンや判定条件付きEB債償還等の判定・金額計算を自動で行います。
- 当日のリセット件数、条件判定件数などがダッシュボード画面に一覧表示されるため、当日の業務ボリュームや進捗状況が可視化できます。
※休日調整方法、金額計算ルールなどは、「ISDA基本契約書」に準拠しています。ISDA基本契約書とは、国際デリバティブ協会が作成する世界標準となっているルールです。
②商品特性と取扱量に拠らない操作手順とデータ管理手法による収益機会逸失の軽減
- 仕組債、金利系スワップ、エクイティースワップ、オプション、ローンなど様々な商品に対応しています。
- 商品特性と取扱量に拠らず同一の操作手順で管理可能なため、業務量が平準化でき商品追加や取扱量の増加に柔軟に対応できます。
- 様々な商品を標準化されたコンポーネントに分解するデータ管理手法(特許第5646097号)と汎用的な入力画面により、新商品対応にかかるシステム改修時間とコストを削減でき、収益機会の損失を軽減します。
③資金管理機能と連携
- 資金管理機能を併せてご利用いただくことで、仕組債やデリバティブ取引で発生する資金インパクトの大きい償還金や利金の情報が資金管理機能にリアルタイムで連携されます。これにより迅速で正確な資金予定の把握が可能です。
資金管理機能
①業務の標準化による効率化とオペレーションリスクの削減
- 一連の資金管理業務をフレームワーク化した機能構成となっており、手作業や各社独自の業務を各機能に当てはめることで業務の標準化が可能です。
- 上長承認や照合状況など資金データの状況をステータス管理するため、適切な業務処理がなされない場合、次ステップに進めない等の制御ができ、作業漏れ等による資金決済事故等を防ぎます。なおステータスの制御はお客様の業務特性に応じて変更することが可能です。
- 銀行からの入出金明細や残高データとの自動照合により業務の効率化を支援します。
- 当日の決済明細や未承認件数などを表示するダッシュボード機能により、当日の作業ボリュームや進捗状況が可視化できます。
②資金管理の高度化を支援
- 短期・中長期の資金繰りと資金予定把握ができるので、資金ストレスシミュレーションが可能です。
- 流動性管理による決済リスク削減が可能です。
- 円と外貨の一元管理を実現しています。また、従来、担当者の経験とノウハウに頼っていた未確定の資金移動を予定データとして資金繰りに仮反映することができるため、統合的でかつ正確な資金繰り業務が可能です。
③柔軟な接続インターフェースによるSTP化の推進
- 社内の既存システムとの自動連携、ファイルアップロード、画面入力など様々なインターフェースに対応しており、社内に散在する資金管理に関連するデータを容易に収集することが可能です。
- 様々なフォーマットや接続方法に対応可能なので、インターフェース対象の既存システム改修にかかるコスト削減と期間短縮が可能です。また、EB、ネットバンキング、SWIFTといった外部決済機関とのインターフェースにも柔軟に対応できます。
為替管理機能
①証券為替データ収集の自動化による業務負荷軽減
- 社内の既存システムとの自動連携、ファイルアップロード、画面入力など様々なインターフェースに対応しており、社内に散在する証券為替管理に関連するデータを容易に収集することが可能です。
②対象商品と管理方法の柔軟な設定による業務拡張性
- 外国為替のスポット取引・フォワード取引・スワップ取引に対応しています。また外貨-外貨の為替取引は経由通貨に円を指定することで、対円の為替取引として管理可能です。
- 様々な外貨建て商品や入出金の中から管理対象を各社のビジネスモデルに従って選定することが可能です。また為替残高も各社の管理体系に合わせてグルーピングできるため、対象商品追加などの業務拡張やビジネスモデルの変更に対して柔軟な対応が可能です。
※VOLCS(フォルクス)は(株)野村総合研究所の登録商標です。
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証券ソリューション事業推進部
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