生成AIの技術革新、ビジネスシーンへの普及が急速に進む中で、企業の競争力強化にはAIの積極的な活用が欠かせません。ビジネスモデルやサービスの革新、顧客体験価値の向上、業務プロセスの効率化など、生成AIは企業の“強み”を拡張し、差別化を図るための鍵となります。
競争優位性を築くための生成AI活用
NRIは、生成AIの技術を企業の競争力向上の“鍵”と捉え、個社に即した最適なユースケースの導出から、ビジネスへの実装にあたって直面する様々な課題解決を伴走し、変革の実現を支援します。
AI CoE(Center of Excellence)との伴走
企業に求められるCoE(Center of Excellence)の体制
企業が生成AIの活用に取り組むにあたっては、下記の理由から、部門横断のCoE体制の設置が効果的と言えるでしょう。
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全社での方針、ロードマップの策定と発信
企業における生成AIの活用を統括し、組織全体で共有される方針と進むべき道を定めることが必要です。
CoEが全社の方針を取り纏め、経営層や関連する事業部門を巻き込んだコンセンサスの醸成を図ります。
この統一された指針により、技術の効果的な適用、リスクの管理、イノベーションの促進が可能となります。 -
専門知識の集約、横展開
CoEを設置することで、企業内の専門知識とベストプラクティスを一か所に集めることができます。
社内の成功・失敗事例や外部の有益な情報・知識を集約し、必要な部門に情報提供することで、企業全体の知識・スキル向上を図れます。CoE体制がAIテック企業やシンクタンク企業の支援を受けることで情報収集力を高めることも考えられます。 -
部門横断での相互協力
生成AIの活用に当たっては、ユースケースに応じて様々な事業部門が関係するほか、法令やセキュリティに関しては法務部門やIT部門の参画が必須であるなど、社内外の様々なステークホルダーとの連携が必要となります。
全社の窓口をCoE体制に一元化する事で、社内の様々な部門との連携が進めやすくなります。
NRI AI CoEサービスの内容
NRIは、下記3つの観点から、AI CoE体制の運営を伴走してご支援します。
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AI変革ロードマップ整備
AIによる業務改革や事業計画について、短期・中期・長期の視点のロードマップを策定し、経営と事業や業務の観点での目標の合意を行います。
経営目線での進捗モニタリングを行い、必要に応じた方針転換や経営資源の投入などの意思決定を支援します。 -
AIケース/ナレッジキュレーション
生成AIの技術は日進月歩で進化し、企業の取組み事例も国内外で日々、新しいものが生み出されています。
このように日々目まぐるしく変わる社内外の様々な関連事例について、生成AIを活用した自動抽出・要約の仕組みを作る等、持続可能な情報収集の仕組み作りを伴走して支援します。
収集した情報を企業内の適切な部門、人材に届けるため、社内浸透のための情報発信の仕組み作りも併せて検討します。 -
AI専門/活用人材育成
生成AIを含むAIの利活用ポリシー、効果的且つ安全に使うための手法・ルールに関する教育・啓発プログラムを提供し、企業全体のリテラシー向上・利用浸透、実務レベルでの活用拡大を支援します。
人的資本投資を戦略的に行うべく、AI人財の再定義から、役割・ミッション・スキルなど、人財要件の設計、人財獲得・育成の戦略策定や実行計画の立案についても支援します。
教育・啓発プログラムについては、従業員のAIリテラシー・スキルを高めるための教育プログラムから、ユースケース探索をワークショップ形式で行うアイディエーションプログラムなど、幅広くメニューを用意しており、個社の事情に即した形でのカスタマイズが可能です。
AI ビジネスモデル変革
NRI AI ビジネスモデル変革サービスの内容
NRIは、下記3つのステップで、AI事業戦略の策定からビジネスデザイン、エコシステムの設計、社会実装まで一気通貫のご支援が可能です。
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AI事業戦略策定
生成AIによる生成物の精度向上や各種の技術進化、制度や社会規範の変化といったものをAIによる変革のドライビングフォースと位置づけ、そのインパクトや不確実性をもとにシナリオプランニングを実施します。
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AIビジネスデザイン
AIによる暗黙知の形式知への変革を前提として、この形式知を様々なビジネス主体で共有することによる新しいビジネスモデルのデザインを実施します。
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AIエコシステムグロース
社会課題を解決する際に必要な、単一企業にとどまらない、企業間や業界間を超えたAIの活用についての計画づくりを行い、エコシステム全体の推進を支援します。
AI 業務改革
NRI AI業務改革サービスの4つの観点
企業の生成AIの利活用事例としては、従業員向けのチャットボット環境の整備がもっとも多く見られますが、新規サービス開発や顧客接点領域への適用など、競争優位獲得のために生成AIの技術を活用しようという動きもにわかに活発化しています。
こうした生成AI活用のユースケースの多様化に対して、NRIは、顧客体験価値の変革を「CX」、オペレーション高度化を「OX」、従業員業務改革を「EX」、コーディングやテスト等のIT業務の生産性革新を「ITX」というように4つの観点でユースケースの探索を行い、ビジネスへの実装に向けた調査研究、コンセプト検証を行っています。
NRI AI業務改革サービスの内容
NRIは、下記3つのステップで、業務改革の企画から実装、改善、効果創出まで一気通貫のご支援が可能です。
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AIユースケースディスカバリ
個社に即した業務改革のユースケース探索を支援します。弊社が保有する業界別ユースケースの知見も活用し広く洗い出しを図ると共に、現場の方々との議論を通じてアイデアを出し合い、有望なユースケースを発掘します。
生成AIを活用すること(=手段)が目的化しないよう、前述した4つの観点(CX、OX、EX、ITX)毎に、ビジネス課題に着眼した具体化を図ります。 -
AI業務改革・システム構築
業務改革の構想を企画に落とし込んだ上で、プロトタイプ開発、コンセプト検証を行い、ビジネスへの実装までを支援します。
業務改革で期待するビジネス効果を明確化し、生成AIのみならず必要な機能を洗い出してサービス全体をデザインし、プロトタイプ開発、コンセプト検証に繋げます。実ビジネスへの実装にあたって様々な課題(法令やセキュリティリスク、データ品質など)に直面した場合は、伴走して解決を図ります。 -
AIチェンジマネジメント
業務改革が定着し、実効果を生むまでを伴走してご支援します。生成AIを実装したサービスについて、利用者のフィードバックや技術の進化に応じた継続的な改善が必要になります。
また、既存組織・人材が新しい業務プロセスを実業務に取り込めるよう、NRIのチェンジマネジメントの手法を活用し、既存組織・人材の意識変革、行動変容までを支援し、具体的な効果創出を図ります。
AI 基盤整備
NRI AI基盤整備サービスの内容
企業のAI利活用を進めていくうえで、リスクガバナンス、アーキテクチャー、データマネジメントの3つが基盤として重要な要素になります。 NRIはそれぞれ独自の方法論、ナレッジに基づいたご支援が可能です。
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AIガバナンス整備・実行
生成AIに係る企業のリスクを特定し、ガバナンスポリシー・ルールの整備やセキュリティ評価策の策定など、リスクコントロール策の整備・定着を支援します。 ポリシー・ガイドライン整備から体制整備、具体的な対策の推進まで幅広く支援が可能です。
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アーキテクチャー設計・整備
生成AIを企業大で導入していくにあたり、リスクを低減し、複数のLLMが協調しつつ既存システムと連携したり、LLMの価値源泉となるデータと柔軟に繋げられるアーキテクチャーの設計と実現を支援します。 AIの新規環境構築に加え、急速な技術の変化・高度化を前提に、企業にとっての最適な情報システムの構築をご支援いたします。
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Goodデータマネジメント
企業全体で生成AIの利活用が安全且つ円滑に進むよう、有効なデータを高品質・安全・短サイクルに利活用可能なデータマネジメントの仕組みの整備を支援します。 AIが利活用し易いGoodデータ化のご支援に加えて、Goodデータを継続的に維持・改善し続けるGoodデータマネジメントの仕組み作り、態勢作りまでご支援が可能です。
よくある質問
- 生成AIの活用が有望な領域をどう特定すれば良いでしょうか?全社の事業部門に聞きまわっていますが、目線が揃わず困っています。
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生成AIの活用が望ましい領域を特定するには、事業部門のニーズと生成AIの能力(シーズ)のマッチングが重要です。「生成AIで何が出来るか」を体系的に分かりやすく伝え、事業部門の人たちとユースケース仮説を議論し、ビジネス課題を解決できるユースケースを導出。そこから優先度が高く実現可能な案件を選定するのが効果的です。
関連するサービス・ナレッジ:
AI業務改革(ユースケースディスカバリ、業務改革・システム構築、チェンジマネジメント) - 生成AIを活用しているものの、データの品質が低く、期待していた精度が出ません。 どうすれば良いでしょうか?
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データの品質問題は、生成AIの性能に直結します。生成AIが解釈しやすいGoodデータを整備し、精度を高めることが必要です。また、Goodデータが自然に整備される仕組み作りや専門家による定期的なデータ監査を行うことも精度改善につながります。
関連するサービス・ナレッジ:
AI基盤整備(アーキテクチャー整備、ガバナンス整備、Goodデータマネジメント) - 生成AIを活用した新規事業のアイデアがあるものの、様々な部門間での調整が必要であり、技術の成熟度や法制度など様々な課題があります。どのように取り組めば良いでしょうか?
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新規事業の検討にあたっては、ビジネスに与えるインパクトを明らかにし、経営層や関連する事業部門を巻き込んだコンセンサスの醸成が不可欠です。また同時に、関連する法規制やセキュリティなどのリスクを洗い出して法務部門やIT部門と協議したり、システム開発部門とプロトタイプを作成し技術的なフィージビリティの検証を行うことも重要です。このように社内外の様々なステークホルダーと協議し活動を推進する必要がある場合には、全社横断の「AI-CoE」体制を組成し、全体のロードマップを整備、推進していく形が有効です。
関連するサービス・ナレッジ:
AI CoE伴走(変革ロードマップ整備、ケース/ナレッジキュレーション、専門/活用人材育成)
NRIの強み
ビジネスモデル変革、業務改革の視点でプランニングを支援
生成AIを活用し、新たな価値創造と抜本的な業務効率化を図るためには、生成AIで何ができるか(シーズ)の観点のみならず、ビジネス課題に対する深い理解と洞察からニーズを探索することが不可欠です。
NRIは、単なる技術導入ではなく、企業のビジネスモデルや業務プロセスを根本から見直し、持続可能な成長を実現するためのプランニングを提供します。
生成AI活用に係わる全方位的な課題解決を伴走して支援
生成AIの企業活用にあたっては、コンプライアンスやセキュリティのリスク、データ品質、人財スキルの問題など、様々な課題に直面することが予想されます。企業は、こうした課題に全社一丸となって取り組むことが求められます。また、社内外の専門家との連携を機動的に図る必要があります。
NRIは、技術的な側面だけでなく、戦略的な視点やリスク対策、人材育成までを含めた全方位的なサポートを行い、企業が抱える複雑な課題に対して総合的な解決策を提案します。 NRI自ら全社AI-CoEを立上げ、NRIデジタルやNRIセキュア・テクノロジーズを含むNRIグループ内の知見を結集して全方位的な課題解決に取り組んでおり、このような経験をコンサルティングに活かすことができます。
AIシステムインテグレーション
AIを活用したシステムは、LLMのみならず、UIUXレイヤ、アプリケーションレイヤ、認証・ログ管理、バックエンドのシステム連携など、多様なシステムと技術を組み合わせるインテグレーションが必要となります。 同時に、データを保護しながら生成AIを安全に運用できる環境を整備する必要があります。
NRIは、AIに関する知見に加えて、ベンダーフリーでのシステムインテグレーションの実績と知見を豊富に有しており、企業の既存システムや既存データへの円滑なAI技術の統合の支援が可能です。
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株式会社野村総合研究所
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