製造業は、良い製品を開発・製造・販売するだけという時代は過ぎ、従来の高機能・高品質の製品の開発・製造・販売に加えて、顧客に寄り添った利用・補給・保全・リサイクルといった顧客の手元に製品が渡った後の世界についてもビジネス・サポートを求められております。 このため、”モノ”売りから”モノ+コト”売りへのビジネス変革が求められ、顧客との関わり方、売上・利益獲得のスキームなど、企業活動全般に亘る変革が、待ったなしの状況です。
製造業のDX実現に向けた業務改革・ソリューション設計
NRIは、製造業に求められるビジネス変革に対して、事業環境の変化、市場ニーズ把握、各種技術の動向・成熟度を踏まえ、”コト”売りを実現する新事業に関する立案・サービス設計を行います。 加えて、各社が指向する将来ビジネス全体像を視野に入れつつ、既存のエンジニアリング・チェーン(製品開発・設計)、サプライチェーン(調達・製造・物流・販売)、顧客管理・アフターサービスの各領域における業務・組織・ITがどうあるべきなのかについても併せて検討することで、新しい時代における”モノ+コト”売りへのビジネス変革の実現を支援します。
スマートマニュファクチャリング(Smart Manufacturing)実現に向けた業務改革・改善余地診断
現状在庫保有の可視化・算定ロジックから見る定量的改善効果推計と改革施策案の洗い出し
顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短命化、さらには環境への配慮といった事業環境の変化の中で、サプライチェーン全体の調整難易度は高まる一方である。これまで、多くの企業では、難易度の高いサプライチェーンへの対応を、“在庫”を保有することで対処してきたが、今、その見直しに迫られている。 このような環境下では、現在の在庫の保有量については、なぜ、これだけの在庫保有しなければならないのか、どうすれば在庫を適正な量へと落とし込むことができるのか、ということが課題として重くのしかかっている。
本サービスでは、サプライチェーン上に存在する在庫及びその量に導くロジック・制約条件を定量的に把握し、サプライチェーンに潜む根本要因の抽出と、適正化に向けた改革施策案の洗い出しを行う。
企業活動の全体俯瞰・業務水準の把握による改革・改善ポイントの洗い出しし
既存業務の改革に着手しようとする際、自社の業務を、どこが特異的なのか、どこが競争力の源泉なのか、どこが非効率性を発生しているのかを仕分けていくのは、自社だけではその判断を下すことは難しい。 NRIでは、国際標準+日本標準+NRIの業種別ノウハウ・付随知識を結集したNRI版「標準業務機能マップ/業務プロセス」及び「業務の成熟度を数値化した業務成熟度診断シート」を、“物さし”として利用した企業診断を行うことで、この課題を解消する。
この業務全体の俯瞰及び業務水準の診断によって、客観的な視点から自社業務の特異性、定性的なその発生起因・根本要因の洗い出し・改善点の洗い出し、課題対応策を講じることが可能となる。
サービタイゼーションの展開支援
”モノ”売りから”モノ+コト”売りへのビジネス変革:新事業創造
良い製品を開発・製造・販売することはもちろんのこと、顧客に寄り添ったサービス事業への展開も今後の企業成長には欠かせないパーツの一つとなりつつある。
このため、”モノ”売りから”コト”売りへのビジネス変革の実現を、これまでの新製品開発とは異なる発想での、新サービス開発に取り組む必要がある。
NRIでは、新事業創出として新たな事業開発の支援を実施する。
サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management)改革
パンデミック、現場の高齢化といった大規模な事業リスクの顕在化、モノ売りからコト売りへという事業モデルの進化を受けて、製造業のマネジメントは、ますますサプライチェーンに対する高精度なマネジメントが要求されている。
現場と管理層・経営層が連動した情報活用によるSCM改革
様々なリスクに打ち勝つサプライチェーンマネジメント改革を成し遂げ、自社が目指す新しい企業像になるためには、まず業務だけに留まらず、組織・社内ルール改革、IT改革等をトータルに意思決定し強力に推進する、企業活動全体を俯瞰・網羅したサプライチェーン改革が必要となる。
これからは、経営レベルの事業計画(カネ視点)と現場レベルの需給計画(モノ視点)の両者を繋いだ、統合計画の策定が望まれる。
その実現のためには、エッジ・センサーからの現場情報を計画系レイヤーにフィードバックすることで、現場の真の姿の反映、策定計画の精緻化、さらにはマネジメント・レイヤーにおける判断指標の精度向上につなげる取組を指向することが必要である。
「単一ソリューションで染める」というベンダー・ロックインからベストオブブリードへの考え方への転換
サプライチェーン改革に限らず、全社の業務改革はITの導入がその一役を担ってきている。特に近年では、パッケージ・アプリケーションの導入が、ベストプラクティスの活用、導入期間の短縮といった観点から、有望な選択肢の1つとなっている。
これまでは、パッケージ・アプリケーションの導入は、一つのブランドのパッケージ・アプリケーションを活用し、それらに業務を合わせるといった対応が行われてきた。しかし、パッケージ・アプリケーションは、すべての業界・業務領域に有意な機能を有するわけではない。
パッケージ・アプリケーションの利用には、どのようなビジネス概念・業務プロセスを実現するために設計・開発されているのか、どう利用することで機能が最大に発揮されるのか、ということを理解したうえで、事業領域・地域ごとの対応施策案に応じて、パッケージ・アプリケーションを選択・採用する目利きが重要である。
加えて、パッケージ・アプリケーションの導入は、新業務の実現、改革遂行の一要素でしかなく、併せて、組織体制・役割の見直し、社内ルール・制約の見直し・設定といった対応・施策化が必須であることを忘れてはならない。
エンジニアリングチェーンマネジメント(Engineering Chain Management)改革
製品企画・開発(PLM)領域のデジタル改革
3D-CAD、ヴァーチャル・リアリティ(VR)/オーグメンテッド・リアリティ(AR)といった新興のITソリューションが設計・開発領域には導入されつつあるが、その活用は限られた業務領域に限られている。現実的には、属人的な業務遂行・アナログ的な管理業務による開発工程の煩雑化・長期化が発生しているものと考えられる。
技術革新が進む中で、「コンカレント化」と「パラレル化」をいかに実現し、開発プロセス全体の短縮化を目指すことができるか、開発工数の削減及び複数プロジェクトにおける開発リソースの最適化(事業全体でのスループット向上)が、改革実現の鍵となる。
スマートファクトリー(Smart Factory:CPS)構想
CPS(Cyber Physical Systems)を活用した新たな開発・生産管理の実現
既存の業務支援アプリケーション(計画系システム、ERP他)に加え、
- IoT・通信機器による情報収集プラットフォーム
- AI/機械学習ツール
- シミュレーションツール
を連動させ、企業活動(製品・部品、工場/製造ライン、人)をモデル化(Smart Factory)し、製品実現性を実際の モノづくりの前に検証する。このような対応をとることで、実際の製造工程での時間、ロス、失敗を最小化する。
この取り組みによって、企業活動の計画・実行管理・可視化・改善(PDCA)についても、精密なデジタルシミュレーションを基点として高速かつシステマチックに連携して実行することで、やってみないとわからない、というリスクを回避した取組設計が可能となる。
よくある質問
- 生産現場へセンサーを取り付けることにより生産状況をリアルタイムで計測・情報蓄積していますが、現場が抱える課題を解消するにはどうしたらよいでしょうか?
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日本の製造業の強みは、「現場力」といわれてきました。しかし、近年、現場が培ってきた力が失われつつあります。
単なるIT技術の導入だけではなく、まずは現場の暗黙知を形式知化し、誰が見てもわかる「SOP(Standard Operating Procedures:標準作業手順書)」へと昇華し運用することが望まれます。
- 製造業のDXは、ロボットの導入、ビックデータやAIの活用により実現できるのでしょうか?
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IoT、ビックデータ、AI等のIT技術は、業務効率化の道具の一つにすぎません。これらのIT導入を進めただけでは、DXに取り組んだ成果を享受することはできません。
自社の強み・武器を明確にしたうえで目指す事業・サービスを明確にし、それを実現するための組織・ルール、業務プロセスの整備、そして必要となるIT技術の導入を、包括的に検討することが必要です。
NRIの強み
業務視点に加え、経営視点からの企業活動全体の俯瞰も併せ観たあるべき姿を提案
”モノ+コト”売りへのビジネス変革は、顧客接点を中心とするサービス提供に係るビジネスを改革するだけでは、十分ではありません。サービス提供に足る製品の開発、サービスによる対価獲得までを視野に入れた製品の原価企画・ライフサイクル管理、最適供給・最適生産を実現するサプライチェーン計画の立案及びその計画実行を担保する実行体制の整備と、これまで分断されて議論されがちな各活動を連携して議論する必要があります。
NRIでは、企業活動を(バリューチェーン領域)×(経営→現場)のマトリックスで、企業活動全体を俯瞰するフレームワークを有しています。このフレームワークを活用することで、個別業務の局所的議論に陥らず、経営視点・全社視点からの影響度合いを量り、課題の洗い出し、業務改革ポイントの洗い出しを実施いたします。
データの変化の流れを可視化することによる業務の把握
業務がどうあるべきかを議論する際には、「業務フロー」検討が、良く取られる手段の1つです。しかしながら、このアプローチでは、業務担当者への依存、業務経験からの主観やしがらみによる問題把握/解決施策検討に制約がある、さらに新ビジネスにおける業務設計には、未知の部分が多く検討・合意に至るまでに時間を有することが懸念され、ビジネス変革へのスピードに乗り遅れてしまう危険性が高い。
NRIでは、業務領域の検討を、プロセス実施のInput/Output情報に着目したデータ視点からの検討アプローチをとることで、現状業務における業務の流れ、顕在化している問題・改善ポイントの洗い出し、目指す新事業の達成に必要な業務の流れ、課題・施策を短期間で導出いたします。
ビジネス概念・業務プロセスを理解したうえでのIT技術の活用
企業活動を支える様々なシステム導入では、パッケージ・アプリケーションやAIなどの最新IT技術を実装した機器の活用が常態化してきております。しかし、ビジネス変革は、単に道具であるシステムを採用するだけでは実現できません。 その利用には、パッケージ・アプリケーションやIT機器が、どのようなビジネス概念・業務プロセスを実現するために設計・開発されているのか、どう利用することで機能が最大に発揮されるのか、ということを理解したうえで、実際の業務に適用していくことが必要となります。
NRIは、ベンダーフリーというポジションをとることで、様々なパッケージ・アプリケーションやIT機器について、それらが有するビジネス概念・業務プロセス、実装機能、特性を、ユーザー企業の立場で評価することが可能です。 ビジネス・業務コンサルとシステム開発の両者の経験を生かしたコンサルタントが、お客様の実現したいビジネス・業務改革に適したパッケージ・アプリケーションやIT機器の選定・利用について、ご支援をさせていただきます。
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株式会社野村総合研究所
システムコンサルティング事業本部
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