野村総合研究所(NRI)は、1965年の創業以来、コンサルティングやITソリューションなどの事業を通じて、人々の豊かな生活に貢献してまいりました。創業時の設立趣意書には、「産業経済の振興や社会への奉仕」という志が書かれており、本業を通じて新たな社会価値を創造し、社会課題の解決に挑む精神は、私たちのDNAとして今日まで受け継がれています。この精神が、NRIグループのサステナビリティ経営の根幹にあります。私たちは、持続可能な未来社会づくりとNRIグループの成長戦略を一体として捉え、社会価値を創造することで私たちも成長し、NRIグループが社会にとって「なくてはならない存在」であり続けることを目指しています。
昨今、社会課題はますます複雑化していますが、それらの解決には、デジタル技術が大きな役割を果たします。企業・組織のデジタルファーストへの転換は、これからの新しい時代の大きな潮流となるでしょう。私たちはデジタル技術を活用した変革(デジタルトランスフォーメーション=DX)に注力し、企業やビジネスの改革から社会課題の解決まで、幅広い領域で新たな価値を生み出していきたいと考えています。NRIグループが有するコンサルティングからITソリューションまで一貫して提供できる能力を発揮すれば、お客さまや社会の課題解決に役立つ事業を展開でき、広く社会に貢献できると、私たちは考えています。実際に、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、フードバリューチェーンなど、社会課題を基点とした様々なテーマで、ステークホルダーとの共創を推進しています。
また、1社では解決できないような複雑かつ大きな課題に対しては、業界・業種の枠を超えて協働していくことが必要ですが、私は4つのプレイヤーがキーになると考えています。すなわち、①構想の実行・実現を担う「フロントプレイヤー」、②デジタルを活用した仕組みを構築・提供する「ITプラットフォーマー」、③市場メカニズムの導入など新しい枠組みを作る「ルールメーカー」、④関係者を1つにまとめ中立的な立場でプロジェクトを推進していく「イネーブラー」の4つです。これらが揃えば、多くのステークホルダーを巻き込んだエコシステムができ、課題を解決に導くことができると考えています。そして私たち自身は、「プラットフォーマー」に加えて「イネーブラー」として、このエコシステムの一翼を担う挑戦をしていきます。
これからもNRIグループは、DXの先にある豊かさを洞察し、よりよい社会の構築に向けて世界をダイナミックに変革していくことを目指します。また、本業を通じた社会課題解決によって、世界の共通課題であるSDGsの達成に寄与できるよう邁進いたします。私たちは、国内外の多様なステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、自らの行動を律するとともに、みなさまと手を携えて持続可能な未来社会づくりに挑み続けます。
株式会社野村総合研究所
代表取締役会長 兼 社長
