気候変動によるリスク・機会の特定(TCFDシナリオ分析)

想定シナリオ

TCFDシナリオ分析においては、規制・対策強化シナリオの「1.5℃シナリオ」と、現行シナリオの「4℃シナリオ」の2種類を想定しました。

参照したシナリオと想定内容

これまでに実施したシナリオ分析

2019年度から2021年度にかけては個別の事業におけるシナリオ分析を行いました。

過去のシナリオ分析

NRIグループの全事業を対象としたシナリオ分析

2023年度においては、それらの結果も踏まえながら、改めてNRIグループの事業全体におけるリスク・機会および財務的影響を整理しました。なお、表のカテゴリ欄において「移行」と記したものは主に「1.5℃シナリオ」の状況下、「物理」と記したものは主に「4℃シナリオ」の状況下におけるリスク・機会を想定しています。 ~画像が入ります~ また、このうち代表的なリスク・機会の一部については、NRIグループの事業全体における財務インパクトを以下のように試算しています。 個々のリスク・機会における財務インパクトの試算(2030年度時点を想定)

気候変動によるNRIグループのリスク・機会と財務的影響(376KB)

また、このうち代表的なリスク・機会の一部については、NRIグループの事業全体における財務インパクトを以下のように試算しています。

個々のリスク・機会における財務インパクトの試算(2030年度時点を想定)

分類 影響 試算値 試算の前提、リスク低減の可能性など
移行 リスク 炭素税導入による費用負担増 約10~20億円 現在の再生可能エネルギー利用量を変えないまま事業が拡大した場合の、温室効果ガスの実質排出量から税額を算定(炭素税価格はIEAのシナリオを活用)。
ただし、低炭素移行計画に基づき、2030年度に再生可能エネルギー利用率100%を達成できた場合、税額はほぼゼロに抑えられる。
移行 機会 顧客の脱炭素化への移行によるコンサルティング・ITソリューションの売上増 約60~70億円 脱炭素をテーマとしたコンサルティングは、現在の受注額から連結売上高の伸びにしたがって拡大すると仮定し、増額分の全額を計上。
また、ビジネスプラットフォーム事業について、同様に連結売上高の伸びにしたがって拡大すると仮定し、このうち増額分の1割を顧客の脱炭素化への移行に起因するものとして計上。
物理 リスク 自社の被災による事業活動の中断 約10~20億円 大規模な水害等によりデータセンター周辺のインフラ(電気・水道・通信など)が影響を受け、NRIグループのビジネスプラットフォームの運用収入が2日間得られなかった場合の、売上の減少額を算定。
ただし、首都圏のデータセンターが稼働しない場合に大阪第二データセンターをDRサイトとして活用する等、災害時にもシステムを停止させないための様々な対策や訓練を常時から行っているため、このリスクが顕在化する可能性は極めて低いと考えられる。
物理 リスク ビジネスパートナーの被災によるサプライチェーンの寸断 約20~30億円 大規模な水害等により、NRIグループがシステム開発を委託しているビジネスパートナーの1割(調達額ベース)が1ヶ月間活動できなくなる場合を想定し、プロジェクトの遅延による売上の減少額を算定。
経営基盤(ESG) サステナビリティ