NRIグループでは、長期経営ビジョン「NRI Group Vision2030」・ビジョンステートメント「Envision the value, Empower the change」・中期経営計画において、多様な人材の連携と結集、すなわちダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進を、グループの成長を支える人材・リソース戦略として掲げています。
人種・国籍・性別・年齢・障がいの有無・性自認・性的指向など問わず、多様な個性や価値観を持つ社員一人ひとりが、異なる経験・技能を活かしながら成長機会を得て働き、挑戦していくことができる職場環境づくりに取り組んでいます。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進

2010年度よりダイバーシティ推進組織を設置し、NRIグループのダイバーシティ&インクルージョン推進に取り組んでいます。
女性の活躍推進、出産・育児・介護と仕事の両立支援、キャリア入社社員の活躍推進、障がい者の活躍支援、性的マイノリティに関する取り組み等、さまざまな施策を進めています。

女性社員の活躍推進

女性社員向けの取り組みは、2008年度に社長直轄プロジェクトとして設けられたNRI Women's Network(NWN)により、活動が始まりました。「女性のキャリア形成支援」「仕事と育児の両立」「企業風土の醸成」を活動の3つの柱とし、研修・制度整備・社員向けの意識啓発/情報提供を継続しています。
これまでの取り組みの結果、ライフイベントを経ても女性社員が働き続けられるようになりました。社員一人ひとりが個々の能力を活かして活躍できる環境を目指し、女性の採用・育成と登用の推進に加え、全社員を対象にアンコンシャスバイアスの排除など、組織風土の改善にも取り組んでいます。

女性活躍推進の主な取り組み

  • 女性管理職・管理職掌候補に対し、計画的な機会付与(プロジェクトや事業における責任者の実践経験)と登用計画を策定
  • 女性管理職掌向け研修(女性役員がメンター・講師となる)
  • 女性管理職掌候補向け研修
  • 女性経営人材育成を目的とした外部研修への派遣
  • 仕事と育児の両立支援研修(育児休業から復帰した社員とその上司向け)
  • 三者面談(産前休暇前社員とその上司向け)
  • 妊娠・育児中の社員の上司や一緒に働く同僚に向けた両立関連情報ガイドブックの作成
  • アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)eラーニング(管理職掌向け/一般社員向け)提供
  • 社員同士の座談会(テーマ例:男性社員の育児参加、プレママ・パパの集い、時間制限勤務のリアル)

女性活躍推進における目標

NRIは、2016年に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、行動計画を策定し、以下の目標を設定しています。

目標達成に向けた取り組みのなかで、特に「管理職(部長・課長等)の女性比率」およびその候補者育成の基盤となる「プロジェクトや事業における責任者の女性比率」については、「性別にかかわらず男女ともに活躍できる状態」を目指すべき姿として再定義し、2025年度より「対象者層の女性社員比率と同等」を新たな目標として掲げ、これを推進していきます。

  • 2025年度目標
    「管理職(部長・課長等)の女性比率」:対象者層の女性社員比率と同等(9.6%)
    「プロジェクトや事業における責任者の女性比率」:対象者層の女性社員比率と同等(13.9%)

行動計画

期間 2023年度~2025年度末
目標
  1. 管理職(部長・課長等)の女性比率を13%以上にする。
  2. プロジェクトや事業における責任者の女性比率を17%以上にする。
  3. 女性の採用比率30%以上を継続する。
  4. 全社員の年間の有給休暇取得率を75%以上にする。
  5. 男性の育児目的休暇含む育児休業取得率を80%以上にする。
取組
  1. 女性の管理職・管理職掌候補に対して計画的な機会付与と登用を行う。
  2. 事業の意思決定にかかわる女性社員の育成を目的とした研修プログラムを実施する。
  3. 女子学生の応募増加施策を継続する。
  4. 多様性を前提とした働き方に関する環境整備および風土醸成を実施する。

NRIの女性活躍に関する状況

1.採用について

採用した労働者に占める女性労働者の割合
(2024年度)
31.5%
労働者に占める女性労働者の割合
(2024年度)
23.6%

2.継続就業・働き方改革について

男女の平均継続勤務年数の差異 3.3年
10事業年度前およびその前後の事業年度(※)に採用された労働者の男女別の継続雇用割合(2024年度)
(※)2013年度~2015年度
男性社員:65.3%
女性社員:67.0%
育児休業取得率
(2024年度)
男性社員:64.9%
※育児休業及び育児目的休暇取得率:92.7%
女性社員:101.5%
男性の育児休業平均取得日数
(2024年度)
80日
労働者の一月当たりの平均残業時間
(2024年度)
6.5時間
有給休暇取得率
(2024年度)
69.2%

3.評価・登用について

管理職に占める女性労働者の割合
(2024年度)
9.5%
役員に占める女性の割合
(2025年6月20日時点)
会社法法定内に占める女性役員比率:21.4%
執行役員等(取締役兼務は除く)に占める女性役員比率:5.6%

出産・育児・介護と仕事の両立支援

「次世代育成支援対策支援法(次世代法)」「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)」に基づき、出産・育児・介護との両立支援を行っています。

出産・育児・介護と仕事の両立支援に関する主な取り組み

  • 事業所内保育所「ゆめみなと保育園」開園(2017年)
  • ​仕事と育児の両立支援研修(育児休業から復帰した社員とその上司向け)
  • 三者面談(産前休暇前社員とその上司向け)
  • 妊娠・育児中の社員の上司や一緒に働く同僚に向けた両立関連情報ガイドブックの作成
  • 育児・介護のための新たな制限勤務制度を導入(2024年)
    (育児・介護のための所定時間内裁量労働制勤務)
  • 介護の基礎知識eラーニング提供(介護中社員の上司や同僚にも受講を推奨)

NRIの出産・育児に関する主な制度

(対象者:正社員)

制度 内容および適用期間
産前産後休暇
  • 出産予定日の産前6週間、産後8週間連続で取得可能
妊娠期の短時間勤務
  • 妊娠期間中の健康状態により、出産まで短時間勤務制度を利用可能
マタニティ有給休暇
  • 妊娠期間中に体調がすぐれず年次有給休暇を超えて休む場合、さらに10日間まで有給休暇を取得可能
パートナー出産休暇
  • パートナーが出産を予定している社員は、出産日もしくは出産予定日から3ヶ月の間に5日間の有給休暇を取得可能
育児休業
  • 子が1歳になる誕生日前日まで取得可能(特別な事情がある場合は2歳まで延長可能)
  • パートナーが出産する社員は子が生まれてから8週以内に最大4週間(28日)の出生時育児休業(産後パパ育休)を取得可能
事業所内保育所
  • 生後7カ月から2歳(満3歳の誕生日前日)まで利用可能
育児短時間勤務
  • 通常勤務より最大1時間半短縮して勤務する短時間勤務を利用可能
    (子が小学校3年生の学年度末まで)
育児のための時間外勤務・休日勤務免除
  • 時間外勤務、休日勤務を免除する制限勤務を利用可能
    (子が小学校3年生の学年度末まで)
育児のための時間外勤務等制限
  • (1)時間外勤務制限、(2)深夜勤務・休日勤務免除 それぞれ選択した範囲内で勤務する制限勤務を利用可能
    (子が小学校3年生の学年度末まで)
育児セレクト・シフト勤務
  • 育児勤務体系選択時には、始業・終業時刻を一定範囲内でずらすことが可能
育児のための所定時間内裁量労働制勤務
  • みなし労働時間を7.5時間とした裁量労働制勤務を利用可能
    (子が小学校3年生の学年度末まで)
子の看護休暇等
  • 子どもの看護等のために、年10日まで取得可能
    (予防接種、健康診断、学級閉鎖、入園式、入学式、卒園式も含む)
  • 半日および時間単位での取得も可能

NRIの介護に関する主な制度

(対象者:正社員)

制度 内容および適用期間
介護休業
  • 介護の体制を構築するための休業期間として要介護対象者1名につき通算365日の範囲内で3回まで利用可能
介護短時間勤務
  • 通常勤務より最大1時間半短縮して勤務する短時間勤務を利用可能
  • 要介護対象者1名につき通算3年の範囲内で2回まで
介護のための時間外勤務・休日勤務免除
  • 時間外勤務、休日勤務を免除する制限勤務を利用可能
介護のための時間外勤務等制限
  • (1)時間外勤務制限、(2)深夜勤務・休日勤務免除 それぞれ選択した範囲内で勤務する制限勤務を利用可能
介護セレクト・シフト勤務
  • 介護勤務体系選択時には、始業・終業時刻を一定範囲内でずらすことが可能
介護のための所定時間内裁量労働制勤務
  • みなし労働時間を7.5時間とした裁量労働制勤務を利用可能
介護休暇
  • 家族の介護や通院の付き添い等のため、有給休暇とは別で取得可能
  • 年10日まで、半日および時間単位での取得も可能

キャリア入社社員の活躍推進

NRIでは、近年加速する様々な企業のDX戦略・グローバル戦略などの支援・推進のため、他業界での経験や異なる技能・専門性を持つ人材を確保すべく、キャリア採用を強化しています。管理職に占めるキャリア入社社員の比率は、NRI全体のキャリア入社社員比率と同等で推移しており、引き続きキャリア入社社員のインクルージョンを進める施策を行いながら、多様な経験・技能・専門性を持つ人材の管理職登用を推進していきます。

キャリア入社社員活躍推進の主な取り組み

  • 社長講話・対話イベント(入社半年前後のキャリア入社社員を対象に、社長による歓迎講話と対話を実施)
  • 活躍中のキャリア入社社員のインタビュー

キャリア入社社員の活躍推進における目標

NRIは、キャリア入社社員の活躍推進に関し、以下の目標を設定しています。

目標

  • 管理職(部長・課長等)のキャリア入社社員比率について、NRIの管理職掌(エキスパート職)全体に占めるキャリア入社社員比率と同等の状態を維持する

NRIのキャリア入社社員の活躍に関する状況(2024年度)

1.採用について

採用したキャリア入社社員人数の推移

年度 2019 2020 2021 2022 2023 2024
キャリア採用者数 188 150 242 349 269 187
労働者に占めるキャリア採用者の割合
(2024年度)

※子会社等への出向者を含む

25.8%

2.評価・登用について

管理職に占めるキャリア入社社員の割合
(2024年度)
24.7%

障がい者の活躍支援

NRIは、障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。2015年7月1日には、障がい者のさらなる雇用促進を目的に、100%子会社であるNRIみらい株式会社(以下「NRIみらい」)を設立し、10月1日付で「障害者雇用促進法」※1に定める「特例子会社」※2の認定を取得しました。

NRIみらいでは、様々な障がいのある社員が、会議室やライブラリーのセッティング、研修支援、社内便の集配送、用度品管理等のほか、主要拠点に設定しているマッサージ室にて、ヘルスキーパー(企業内理療師)の社員が活躍しています。今後もさらなる機会の開拓をはかり、障がい者の活躍を推進していきます。

  • ※1

     障害者雇用促進法(障害者雇用の促進等に関する法律):
    障がい者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置等を通じて、障がい者の職業の安定を図ることを目的として制定されました。2018年4月1日より、従業員45.5人以上の民間企業の法定雇用率は2.2%となりました。また、2024年4月からは、従業員数40人以上の民間企業の法定雇用率が2.5%に引き上げられました。

  • ※2

    特例子会社:
    障がい者の雇用促進のために特別な配慮をし、一定の条件を満たした子会社を指します。国からの認定を受けることで、特例子会社で雇用する障がい者は親会社が雇用しているものとみなされます。

NRIの障がい者雇用状況(各年度6月1日時点)

年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
雇用数(人) 166 170 181 191 208 226
雇用率(%) 2.45 2.35 2.37 2.42 2.42 2.54

性的マイノリティに関する取り組み

ダイバーシティ&インクルージョンを推進する職場環境づくりの一つとして、性的マイノリティに関する取り組みを行っています。

性的マイノリティに関する理解促進のためのコンテンツを新入社員研修で取り上げている他、すべての社員向けに性的マイノリティに関する基礎研修eラーニングを提供しています。

外部認定・評価

ダイバーシティ&インクルージョン推進に関する取り組みが評価された結果、NRIは以下の外部認定・評価を受けています。

  • えるぼし認定(最高位)(2017)
  • くるみん認定・プラチナくるみん認定(2018)
えるぼし
認定マーク(愛称:くるみん)
認定マーク(愛称:プラチナくるみん)

詳細は外部からの評価をご覧ください。

(2025/6/30時点の情報)

経営基盤(ESG) サステナビリティ