NRIは、社員が健全にいきいきと働き続けることが、組織の活性化と持続的な成長に不可欠であると考えています。長時間労働を抑えワーク・ライフ・バランスの向上を促進し、自身の健康や家庭生活も大切にしながら能力を十分に発揮できる環境を目指しています。
労働安全衛生
NRIグループ労働安全衛生方針
株式会社 野村総合研究所
代表取締役 社長 柳澤 花芽
基本理念
NRIグループは、高い専門性や多様な価値観を持つ人材が主要な経営資源であるという考えのもと、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、安全で、安心して働くことができる職場環境づくりに努めます。
行動指針
1.法令遵守
ビジネス活動を行う国・地域の労働安全衛生に関する法令・規則を遵守します。
2.労働安全衛生管理体制の改善
労働安全衛生管理体制の継続的な改善を通して、労働安全衛生の取り組み向上に努めます。
3.全員参加による安全衛生活動
従業員の意見を生かしながら労働安全衛生を含めた労働環境の改善に努めます。
4.リスクの低減と継続的な改善
労働安全衛生のリスクアセスメントを行うなど、危険・健康障害の要因を特定し、優先順位を定め、労働安全衛生リスクの排除・低減に取り組みます。
また本方針の実現のため、労働安全衛生に関する目標を設定するなど、継続的な改善に取り組みます。
5.安全衛生教育を通じた人材の育成
健全な職場づくりのために安全衛生に関する社内教育・研修を継続的に行い、安全衛生意識の向上に努めます。
本方針の適用範囲
本方針は、NRIグループの全役職員に対し適用されます。また、NRIグループのビジネスパートナーに対しては、NRIグループビジネスパートナー行動規範に「安全衛生」に関する項目を定めて、遵守を求めています。ビジネスパートナーとも協働して安全安心な職場環境の構築を目指します。
制定日:2023年7月1日
最終改定日:2024年7月3日
労働安全衛生に関する推進体制
NRIでは、労働安全衛生法に基づき、労働環境整備を目的として「安全衛生委員会」を設置しています。全事業所を対象として適切な労働環境整備を行うとともに、事業本部単位での衛生管理体制も整えています。これにより、事業本部ごとの事業や業務特性に合わせた、適切な労働環境整備を行っています。
健康経営責任者(CHO)は社長が、労働安全衛生責任者は人事・人材戦略担当役員が担当しています。
労働安全衛生に関するリスクと目標
NRIグループでは、高い専門性を備えた人材が主要な経営資源です。
労働安全衛生の不備により、社員が健全な環境の中で十分に能力を発揮できない状況が発生した場合には、生産性の低下や成果物の品質低下により、社会を支える重要な基盤である情報システムや、お客様の経営や事業に深くかかわるコンサルティングサービスの提供に影響が及ぶ可能性があります。
過去の発生実績や中長期的な発生の可能性に基づき潜在的リスクを抽出し、発生頻度と発生した場合の影響の重大性を掛け合わせて評価した結果、NRIでは下記の2つのリスクを優先対応すべきリスクだと特定しました。
- 労働時間に関するリスク(長時間労働、深夜労働、連続勤務など)
- 心身の健康に関するリスク
上記重点リスクに対して、優先的にリスク低減のための取り組みを実施しています。
重点リスク低減のための取組み
【労働安全衛生】
労働時間に関するリスク低減の取組み
- 時間外労働および休日に関する事項を始めとした各種法令の遵守
- 連続した長時間労働の排除
- 長時間勤務者に対する産業医面接の徹底と、医師の指示の遵守
- 深夜勤務の削減
- 連続休暇(暑中休暇、リフレッシュ休暇)の計画的かつ確実な取得をはじめとする有給休暇取得促進
また、上司が部下の労働時間や休暇取得状況などを随時オンラインで確認できる仕組みや、深夜勤務や休日出勤を行った社員のリストを翌日に管理職に配信するなど、社員の勤務状況を正しく把握できる仕組みを整備するとともに、長時間勤務者に対する産業医面接の徹底によるリスクの把握を実施しています。
【健康経営】
心身の健康に関するリスク低減の取組み
- 1 生活習慣病を減らす
-
- 社員の人間ドック・健康診断の予約状況・受診状況を管理し、受診を促進
- 主要なオフィスに健康管理室を設け、産業医が対応する体制を構築
- 2 ストレスを減らす
-
- 労働安全衛生法に基づくストレスチェックを実施
- 仕事上の悩みの相談窓口(社内・社外)を設置
- 3 喫煙率を減らす
-
- 禁煙サポートを導入
- 事業所内喫煙スペースを閉鎖
- 4 ワーク・ライフ・バランスを推進
-
- 時間外・休日労働を削減
- 有給休暇の取得を促進
その他、健康経営に関する取組みは、こちらをご参照ください。
目標とKPI
重点リスク低減のために、下記の目標・KPIを設定し、達成に向けて取り組んでいます。
【労働安全衛生】
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2025年度 目標 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
有給休暇 取得率 |
71.3% | 71.1% | 64.1% | 67.1% | 70.5% | 70.6% | 75.0% |
月平均 時間外労働時間* |
- | - | 8.1時間 | 8.3時間 | 7.8時間 | 6.2時間 |
- *
法定労働時間(週40時間)を超える時間で算出。「-」は算出値が法定労働時間を超えていないことを示す。
総合職の大半が裁量労働制、または管理監督者のため、結果、新卒入社数年程度の裁量労働制適用外の社員が対象となる。
【健康経営】
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2025年度 目標 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
定期健康診断 事後対応率 |
77.6% | 66.6% | 59.2% | 59.4% | 59.4% | 80.9% | 95.0% |
定期健康診断 受診率 |
100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | |
定期健康診断 有所見率 |
70.6% | 70.0% | 72.4% | 71.9% | 70.9% | 70.1% | |
喫煙率 | 15.0% | 14.6% | 13.0% | 11.7% | 11.5% | 11.8% | |
運動習慣比率 | 20.5% | 20.5% | 23.3% | 25.7% | 26.4% | 27.1% | |
ストレスチェック 実施率 |
94.7% | 92.0% | 94.0% | 96.1% | 97.5% | 94.5% |
労働災害発生時の対応
社員の労働災害(休業・怪我など)が発生した場合は、当該社員および関係者に対するヒアリング・調査などにより原因特定を行い、改善策の検討・周知などを通じて再発防止に努めています。また、その内容を労働安全衛生委員会で報告しています。
災害など緊急時の安全対策
災害や事件・事故などの発生時には、NRIグループ社員および関係者の生命と安全を確保するとともに、お客様の重要な情報システムと情報資産を守り、事業・業務を継続することに努めています。
また、緊急時の行動指針や連絡体制などをイントラネットに掲載し、社内への周知・徹底を図っています。
大規模自然災害等で出社不可や、感染症等により出社率抑止となる事態においても業務遂行が可能となるよう、
テレワーク環境での危機対応体制の構築や事業継続計画の継続的な見直しを行っています。
労働安全衛生に関する研修
NRIグループでは、新入社員向けの健康管理についての研修や管理職者向けの労務管理に関する研修など、全社員が労務管理やメンタルヘルスに関する知識を習得できるように、組織づくりの一環として労働安全衛生に関する研修を開催しています。また、派遣社員向けにも危機発生時の対応や労務管理等について、受け入れ時に周知しています。
健康経営
NRIは、社員の健康は企業におけるリスクマネジメントの観点からも重要であり、健康管理を社員個人に任せるのではなく、企業として積極的に関わろうとしています。
また、社員が健康であることは、個人にとっても企業にとっても重要なことであり、社員が健康になることを積極的にあと押しすることは、社員の活力や生産性の向上および組織の活性化をもたらし、結果的に業績や企業価値の向上につながると考えています。
NRIは2015年度から、社員のQOL(Quality of Life)の向上に資する「健康経営」※の実現を目指し、「NRI健康宣言」を定め、その目標の実現に取り組んでいます。
※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
NRI健康経営宣言
NRIは、社員一人ひとりが自らの健康に対して正しい知識・認識に基づき、長期的なQOL(Quality of Life)の向上に積極的に取り組むことを支援します。
NRI健康経営で期待する効果
NRIグループでは、労働安全衛生における以下の4つの重点取り組み領域におけるリスク管理のため、定期健診の受診促進と受診結果のフォロー、産業医による対応、相談窓口の設置、時間外労働の削減など、社員の健康の維持・向上に総合的に取り組んでいます。
1 生活習慣病を減らす
- 社員の人間ドック・健康診断の予約・受診状況を把握し、受診および迅速な事後対応を徹底
- 主要なオフィスに健康管理室を設け、産業医が対応する体制を整備
2 ストレスを減らす
- 労働安全衛生法に基づくストレスチェックを実施
- 仕事上の悩みの相談窓口(社内・社外)を設置
3 喫煙率を減らす
- 禁煙サポート制度を導入
- 事業所内喫煙スペースを閉鎖
4 ワーク・ライフ・バランスを推進
- 時間外・休日労働を適正化
- 有給休暇の取得を促進
- 業務効率化、会議効率化、朝型勤務など、現場主導で取り組むスマート・ワークスタイル・キャンペーンを実施
推進体制
NRIグループの健康経営に関する目標指標
NRIでは従業員は心身ともに健康でありかつ働きがいを充分にもつことにより高度なパフォーマンスを発揮できるとの認識のもと、それらを表す3つの指標であるアブセンティーズム*1、プレゼンティーズム*2、エンゲージメント*3 を健康経営の目標指標と定め、継続的に計測しています。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
---|---|---|---|---|---|
アブセンティーズム | 欠勤率 | 総勤務予定日数に対する欠勤日数の割合*4 | 0.47% | 0.50% | 0.49% |
プレゼンティーズム | 従業員調査*5 | 過去一年間のパフォーマンススコア*6 | - | 83.7 | 83.6 |
エンゲージメント | 従業員満足度調査*7 | 総合的満足度が高い割合*8 | 82.9% | 84.0% | 83.3% |
- *1
社員が健康上の理由により、出勤し業務が出来ない状態にある割合を指標化したもの。
- *2
社員が出勤はしているものの、健康上の理由により完全なパフォーマンスが出せない状態にある割合を指標化したもの。
- *3
社員の組織に対する自発的な貢献意欲や、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を指標化したもの。
- *4
育児休業、介護休業等の会社が許可している休業日は、総勤務予定日数に含まない。
- *5
ストレスチェックと同時に実施しているアンケート調査。SPQ(東大一項目版)をもとに設計。対象者数、回答率はストレスチェックと等しい。
- *6
「心身共に健康である際の仕事の出来を100としたときの過去一年間の平均の値」の全社員平均。
- *7
調査には、株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ・解析ツール「wevox」を利用。調査項目は、職務、健康、人間関係、組織風土、環境などの9つのキードライバーを元に設計。
- *8
「総合的満足度が高い割合」は7段階中、上位の(7)~(5)で回答した合計の割合。
さらに、これら健康経営の「経営課題」、「目標指標」、「重点取組領域」そして「個々の健康施策」はそれぞれの連関が「健康経営戦略マップ」により可視化されており、このマップは健康経営の推進サイクルにおける指針として活用されています。
取り組みの広がり
昨今では社員とその家族の健康に向けた取り組みにとどまらず、新型コロナワクチン職域接種にて取引先パートナー向けにも門戸を開放する等、サプライチェーンの領域に対しても取り組みの幅を広げています。
また、主要なビジネスパートナーに対して健康経営への取り組み状況に関するアンケート調査を行うなど、健康経営を通してビジネスパートナーとのコミュニケーション連携を促進しています。
「健康経営優良法人」の認定を取得
- NRIは、健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門である「健康経営優良法人(ホワイト500)」に2017年(第1回)以来8年連続で認定されています。健康経営優良法人認定制度は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」の取組が特に優良である法人を顕彰する制度として、経済産業省により2016年度に創設されました。同制度の審査は「経営理念」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令順守・リスクマネジメント」の5つの観点で行われています。
(2024年6月末時の情報)
- マテリアリティへの取り組み
- 創出する価値
- 価値を生み出す資本
- 経営基盤(ESG)