デジタルが拓く近未来――NRI未来創発フォーラム2017を開催(後編)
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2017年12月06日

デジタルが拓く近未来――NRI未来創発フォーラム2017を開催(後編)

2017年10月に、野村総合研究所(NRI)が東京国際フォーラムで開催した「NRI未来創発フォーラム2017」。「デジタルが拓く近未来」をテーマに、日本や世界のあるべき姿を描きました。フォーラムの後半は、報道ニュース番組でメインキャスターを務める小谷真生子氏をモデレーターに迎え、文明評論家ジェレミー・リフキン氏とNRI代表取締役社長此本臣吾による対談と、NRIの専門家によるパネルディスカッションを行いました。これらを通じて、企業の成長や社会問題の解決について多様な視点から議論された様子をお伝えします。

前編記事
デジタルが拓く近未来――NRI未来創発フォーラム2017を開催(前編)

対談「世界のデジタル化はどう進んでいくのか?そして日本の行方は?」

小谷真生子氏
小谷真生子氏
キャスターの小谷氏がモデレーターを務め、リフキン氏と此本との間でデジタル化をテーマとした対談が行われました。冒頭で小谷氏が「お二方の講演を聴いて、世界がシェアリング・エコノミーに向かうことの重要性が分かりました。実現への課題は何でしょう」と問うと、リフキン氏は「世界を牽引していくようなリーダーシップが必要です」と答えました。

さらにリフキン氏は、第三次産業革命は第一次、第二次とは異なり、集権化されたアプローチではなく、水平分散されたアーキテクチャーの下で実現されると語り、第三次産業革命の下では、独占しようとするとかえって生産性が損なわれてしまうので、産業セクターという考え方はなくなっていくと述べました。

続いて此本も、デジタル化が進展すると産業の垂直統合モデルは解体されていくという考えを示し、リフキン氏の考え方に賛同しました。ただし、デジタル社会は分散型ネットワークを指向するので、その場合のセキュリティが大きな課題であることに言及しました。

左から小谷真生子氏、文明評論家ジェレミー・リフキン氏、NRI社長此本臣吾

左から小谷真生子氏、文明評論家ジェレミー・リフキン氏、NRI社長此本臣吾

リフキン氏が「世界的に見ると、シェアリング・エコノミーに向けた取り組みの数は指数関数的に増えていくでしょう」との観測を示すと、此本は次のように語って対談を締めくくりました。「保守的な企業が多い日本では、この数年は歩みが遅いかもしれません。しかし、ある境界線を越えると一気に進展するはずです。そのような企業を支援することも、NRIの使命の一つだと考えています」

パネルディスカッション「デジタル化による社会変革をリードするためには?」

フォーラムの締めくくりに、神尾文彦(社会システムコンサルティング部)、柏木亮二(ビジネスIT推進部)、小林敬幸(グローバル製造業コンサルティング部)の3 名のNRI社員によるパネルディスカッションを開きました。モデレーターは、引き続き小谷氏が務めました。

NRI 神尾文彦
NRI 神尾文彦
地方創生に取り組んでいる神尾は、人口減少が顕著な地域で、デジタル技術を活用して少人数で社会インフラをオペレーションしている事例などを紹介し、地域社会が自立していくためにデジタル化の推進が必要であり、「デジタルは地域で実現する」と語りました。

NRI 柏木亮二
NRI 柏木亮二
金融の専門家である柏木は、「現金信仰」の根強い日本は総じて金融面でのデジタル化が遅れているものの、仮想通貨などの新しい領域では法整備も含めてむしろ日本が先進的であり、ブロックチェーンを活用した金融のインターネット化の分野においては、世界から見てもユニークなサービスが日本から登場する可能性があることを示唆しました。

NRI 小林敬幸
NRI 小林敬幸
製造業の専門家である小林は、デジタル社会における製造業は、業種の枠を超えてモノとサービスが一体化した付加価値を、顧客にいかに提供できるかの競争になると予測。そして、日本企業はデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルを提示する必要があるものの、ベンチャー投資金額が米欧中に比べて著しく少ない状況を例に出しながら、社会の成熟に満足し、チャレンジスピリットが不足している現状に警鐘を鳴らしました。

最後に、モデレーターの小谷氏が「本日のフォーラムには、日本が次世代デジタル社会のリーダーになるためのヒントがちりばめられていたと思います。皆さまお一人おひとりの一助になれば幸いです」と総括し、フォーラムは幕を閉じました。

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『NRI未来創発フォーラム2017』抄録(3.68MB)

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E-mail:kouhou@nri.co.jp