シンギュラリティとは

シンギュラリティとは「技術的特異点」の意味で、人工知能の発展にともない注目をあびるようになった言葉です。もともとは、急速に技術などの変化が進む時点のことを指していましたが、近年は、人工知能が飛躍的に進化したことをうけ、人間の知能を超える時点を表す言葉として使われています。

人工知能研究の中で広まったシンギュラリティ

シンギュラリティは、人工知能の研究者の間で使われるようになって注目を集めている言葉です。もともとは、数学や物理学の分野で使われる用語で、通常とは異なるところ意味する「特異点」のことです。また、科学技術の進展に対して、特別な変化を示す点として「技術的特異点」という意味でも使われます。科学技術は指数関数的に進化すると言われており、急速に変化が進む時点がシンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれています。

出所)野村総合研究所作成

近年は、人工知能の進化の側面で使われることが多く、人工知能が賢くなり、人間の脳と同レベルになるタイミングのことをシンギュラリティと呼ぶようになりました。未来学者のレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティを「人工知能が人間の知能を超える時点」と考え、技術進化のスピードを検証しながら2045年にくると予測しました。

シンギュラリティに対する多様な意見

シンギュラリティの前提には、科学技術が指数関数的に進化するという考え方がありますが、その一方で、進化が限界を迎えると主張する学者もいます。例えば、人工知能の進化のためには、高品質なデータが必要になりますが、それらのデータの収集が困難になると考えている人もいます。また、人工知能は自我を持てないため、人間の知能を超えることはできないという考え方もあり、シンギュラリティは来ない、または、遠い将来になると考えている人もいます。

生成AIとシンギュラリティ

2045年ごろに来ると予測されたシンギュラリティですが、生成AIの進化により、そのタイミングがもう少し早まるのではないかと言われるようになりました。現状の生成AIブームがシンギュラリティを招いたとは言いきれませんが、生成AIの進化の先にシンギュラリティがあることは間違いありません。
生成AIにより、コンピューターは人間が考えるように話すことができ、SEが書きたいプログラムコードを設計し、アーティストが創造するような絵を描くことができるようになりました。もう少し精度があがれば、そこにはシンギュラリティがあるといっても過言ではありません。
人工知能が人間の知能を超えるタイミングであるシンギュラリティの以前から、人々の生活や働き方は、人工知能の進化に大きな影響を受けます。生成AIの登場によりシンギュラリティのタイミングが早まり、人間とAIの関係は、AIをパートナーとして新しく共存関係を築くタイミングに来ています。

動画で解説

シンギュラリティに関して動画でお伝えしています。