CONTENTS
- 「第四次産業革命」を考える視点
- 特徴ある欧州企業の動向
- ドイツにおける中小企業への展開施策
- 失敗を繰り返さないために
要約
- 第四次産業革命の試行的な取り組みが日本でも始まった。しかし、ドイツの産業政策もしくは欧米製造業の戦略として提唱された当テーマが、わが国では単純なEDI接続や製造設備の連携、3D CADや3Dプリンターの導入と誤解されているケースが多いため、製造業の現場から見ると「腑に落ちていない」という状況が多く見られる。
- ドイツの報告の趣旨を精査すると、第四次産業革命はモジュール化とデジタル化による生産プロセスのオープンイノベーションを目指している。これは製造業の構造変革をもたらすイノベーションの加速と製造業のビジネスモデルの革新により、中長期の製造業の競争環境に大きな影響を与えるものである。
- 欧州の製造業各社はビジネスモデルの改革を急いでいる。この中で先進企業は単純な生産を主体とするビジネスモデルから、生産ノウハウをサービス化する「製造プラットフォームサービス事業」への展開を進め、ビジネスモデルを大きく変えようとしている。
- ただ、第四次産業革命は大企業や先進企業で完結するものではなく、関連する産業全体の変革をもたらすものであり、中小企業を含めた競争力強化が必須となる。ドイツでは中小企業の取り組みを支援するための体制の整備を政府、民間企業、大学が連携して強く推し進めている。
- 第四次産業革命は産業全体の大きな構造変化であるため、足取りが遅いように見えるが着実に進展している。これは、欧米先進企業が日本の製造業の現場を研究し、オペレーション領域でITを活用することにより作り上げた枠組みであり、対応に遅れるとわが国の製造業の競争力を失う可能性があるため、強い危機感を持つ必要がある。
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