CONTENTS
- オンライン診療を取り巻く現在の事業環境
- オンライン診療の普及を妨げる課題
- オンライン診療が医療現場にもたらす影響と普及の方向性
- オンライン診療の将来像─オンライン診療の医療インフラ化に向けて
要約
- わが国では、過去10年の間にスマートフォンやタブレット型端末などの急速な普及とデータ通信技術の進展でICTの大衆化がもたらされ、遠隔診療の普及を妨げてきた通信技術面の課題が解消された。2017年4月の未来投資会議を経て、遠隔診療の普及促進に向けた診療報酬の新設や法整備などが進んだ。
- オンライン診療の普及課題は、ハード面とソフト面の2つに切り分けられる。それぞれの代表的な課題は、ソフト面では報酬評価、ハード面では医療情報の漏洩・改ざんの防止といったセキュリティが挙げられる。オンライン診療の普及のため、クリティカルな課題から優先的に解消する必要がある。
- オンライン診療は、あくまで対面診療と組み合わせるものであり、オンライン診療で完結する医療は原則的に認められない。オンライン診療の導入により患者と医師の負担を軽減でき、かつ治療効果が対面時と同程度ならば、医師が勤務時間内に診療できる患者数が増加する。すなわち、条件を満たす疾病の場合、医療資源の最適分配・効率化と患者アウトカムの向上に寄与し得る。
- 医師は、日々患者の診療に追われているが、その中でも、とりわけ在宅医が患者宅の訪問などにかけてきた移動・時間的コストは、医療従事者の効率を大幅に低下させている。オンライン診療の普及は、医師の偏在化や医師不足の解消、さらに在宅医療の推進など、医師を中心とする医療資源の最適化に貢献する。
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