CONTENTS
- 医薬品の分類と薬価制度
- わが国における医療費適正化の試みの振り返り
- 諸外国と比較したわが国の後発医薬品政策
- 特許切れ医薬品(長期収載品・後発医薬品)の将来展望
要約
- 日本の医療政策は、継続的な薬価引き下げで薬剤費を抑えることにより、医療費適正化を推進してきた。近年では長期収載品を中心に厳しい薬価引き下げが行われており、特許切れ医薬品は厳しい事業環境に置かれている。
- 医療費適正化において、後発医薬品の使用促進が大きな役割を果たしてきた。政府は後発医薬品の数量置換率目標を設定し、使用促進のための施策を実施してきた。当初の目的であった薬剤費削減効果だけでなく、患者の服薬アドヒアランスの向上や、先発医薬品メーカーの資産配分の改善などの効果も発揮した。
- 欧米諸国では強硬な後発医薬品促進策を講じる国がある一方で、個別の医薬品の効果効能を適切に評価し、患者の選択を重視する国も存在している。わが国の医療政策の根本理念に立ち返ると、後者のような事例を参考にし、患者個別のニーズに合った処方と社会保障費の抑制との両立を図ることが適切であると考える。
- 国策として推し進められてきた後発医薬品促進政策だが、厳しい薬価抑制も相まって医療上重要な医薬品の供給が滞る例も見られる。今後は、後発医薬品への置換が一定程度達成された段階で、医薬品の安定供給などの課題も考慮した政策を講じることが重要だと考えられる。
x
(
x
)
執筆者情報
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。
購読に関するお問い合わせ先
年間購読をご希望される方は、下記問い合わせ先へお願いします。
-
NRIフィナンシャル・グラフィックス
戦略マーケティング部
Tel:03-5789-8251(平日9:30~17:00) Fax:03-5789-8254※FAXでのお問い合わせは下記お申し込み用紙をご使用ください。
お申し込み用紙ダウンロード(236KB)