CONTENTS
- 医薬品産業の現状と課題
- 医薬品政策上のこれまでの課題と考え得る対応策
- 医薬品産業の持続的な成長可能性の模索
- 医薬品産業の持続可能性を高める施策方向性の予備的検討
要約
- わが国における現行の薬価算定制度は、医薬品の価値を適切に反映した制度であるとはいえない。特に後発医薬品・長期収載品の厳しい薬価引き下げは、長期収載品メーカーの撤退だけでなく、追加的設備投資を行う余力がない後発医薬品メーカーの撤退を引き起こし、国内医薬品産業の空洞化を招く可能性もある。
- また、わが国で促進されている後発医薬品への置換は、高い薬剤費削減効果がある一方で、後発医薬品の不十分な安全性情報や、セファゾリンナトリウム供給停止問題に代表される安定供給体制への不安など、多くの課題を含んでいる。
- 医薬品産業を取り巻く現状を踏まえると、今後、わが国の医薬品産業が持続的に成長するためには、従来の政策だけでは不十分である。産業政策的視点から医薬品業界の再編促進や国際競争力向上を検討するとともに、安全保障の視点から医療上重要性の高い医薬品の製造における国内回帰の必要性を考慮するなど、分野横断の議論が必要である。
- 今後は、各医薬品の価値を適切に評価するバリューベースドヘルスケアの考え方の導入が必要になる。その仕組み構築の前段階として、地域フォーミュラリの作成など、キードラッグの選定が求められるだろう。最終的には公的医療保険財政の健全化と医薬品産業の持続的成長との両立が可能な政策への転換が求められる。
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