CONTENTS
- 日本人の価値観変化と世代別の消費意識
- 「失敗したくない」気持ちがつくるさとり世代・Z世代の価値観
- スマートフォンが変える、さとり世代・Z世代の行動
- つながりを重視するZ世代に向けた有効なアプローチとは
要約
- 一般的に生活者を層別に分析するときは年代に着目することが多いが、学生時代や就職活動の時期などにどのような景気変動やさまざまな技術革新を経験してきたかによって、生活者の価値観や消費意識、あるいは新商品・サービスの受容性に影響すると考えられ、世代別に特徴を把握することも重要である。本論考では1997年から3年に1回実施している野村総合研究所(NRI)の「生活者1万人アンケート調査」を用いた世代分析の結果について、特に若年層に該当するさとり世代・Z世代の特徴を紹介する。
- さとり世代・Z世代は景気がよかった時代を知らずに成長し、親世代が倒産やリストラなどに遭っていたことから、「失敗したくない」「社会に対して期待できない」気持ちが強く、超安定志向である。そのため、人とのつきあいについてもガツガツ競争するより、他人に歩調を合わせる意識を強く持っている。
- さとり世代・Z世代はTwitter、Instagram(さらにZ世代はTikTok)の利用が多い。消費においても「失敗したくない」気持ちから、他者のお勧め、特にインフルエンサーの影響を強く受けるため、企業としてもインフルエンサーマーケティングが重要となる。
- SNSにより簡単に他者と交流できることから、特にZ世代では「モノ」よりも他者との交流に必要な「コト」にお金を掛ける。さまざまなグループと適度に交流する器用さを持つが、一方で「つながり疲れ」の可能性も示唆される。Z世代は半数程度がつながり疲れを起こしており、一人行動に対するニーズが生まれている。その環境を整えることや、後押しになる活動を進めることでビジネスチャンスは広がる。超安定志向を起点とするZ世代を理解することは、次の消費を担う新しい世代の攻略において重要である。
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NRIフィナンシャル・グラフィックス
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