CONTENTS

Ⅰ 日本の化学・素材産業の現在地
Ⅱ コングロマリット経営のパターンと化学・素材産業
Ⅲ 経営のシンプル化と複雑性への対応

要約

  1. 化学・素材産業は、石油を中心とした粗原料を加工し、目的生産物だけでなく副産物を含むさまざまな生産物の付加価値を上げることで成長を遂げる産業である。そのため、さまざまな製品をさまざまな顧客や用途に提供することになり、結果としてコングロマリット企業となる傾向がある。
  2. 成長モデル上、事業の多角化と複雑化が避けられない産業ではあるが、コングロマリットディスカウントという観点もあり、一部の企業を除いて株式市場からの評価は決して高くない状態が昨今続いている。さらに、アジアの新興国との競争も本格化し、屋台骨ともいえる事業も成熟期に突入しつつある中で、成長領域も探らなければならず、極めて複雑性の高い経営が求められている。
  3. コングロマリット経営には多様なパターンがあるが、成功するパターンには明確な企業の強みや資産が存在しており、成功パターンそのものは極めてシンプルである。このようなパターンを見つけ、実行することがコングロマリット経営の要諦である。
  4. 一方で、化学・素材産業においても、「多角化から単一事業に戻す」「成功パターンを決めて実行する」「オペレーションの標準化を進める」「新たな領域への展開や変革プロセスを標準化する」など、さまざまな方法が実行されており、複雑性への対応が試みられている。
  5. 成熟国である日本をホームカントリーとする日本企業は新たな成長領域を見つけることが求められ、単一事業での成長限界に対する回答を用意することが必須である。

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執筆者情報

  • 川田 一稀のポートレート
    名前
    川田 一稀
    所属・職名
    グローバル製造業コンサルティング部 化学・素材グループ
    シニアコンサルタント
  • 合田 索人のポートレート
    名前
    合田 索人
    所属・職名
    グローバル製造業コンサルティング部 化学・素材グループ
    マネージャー
    プロフィール

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